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 「迷宮への出方は、ワタシの蝶が案内しよう。そのまま森の出口まで導いてやる。その森を出た後だが、まずお前達は東へ迎え」


 「東?なんでだ」


 「そこには栄えている街がある。そこで物資を整えるんだ」


 ベラウドの話によれば、この森を出て東に真っ直ぐ向かえば、王都程ではないにしろそれなりに栄えた街があるという。度の物資を揃えるに十分な商店もあり、旅支度を整えるにはうってつけだった。

 しかし、ディアには懸念点があった。


 「整えるっつってもよォ、オレらはなんも持ってねえ無一文だぜ。どうやって整えろっての……」


 そう、ディア達には金銭がない。ディアは封印から解かれたばかりで何も持っていないし、アリスは誘拐されてそのまま逃げ出してきただけなのでこちらも何も持っていない。

 旅支度を整えようにも、肝心の手持ちがなければ何も出来ないのだが。

 ディアの懸念を払拭するよう、ベラウドは続けた。


 「それは、これを見ればわかる。こちらへ来い」


 ベラウドの傍へ来いと促され一度躊躇ったものの、恐る恐るディアはベラウドに近づく。その後を、とてとてとアリスが無警戒に追いかけた。

 呼ばれたのはベラウドの頭部分で、ここに何があるのかとディアが睨み上げれば、ベラウドは少しだけ頭を上げた。


 「……宝箱?」


 ベラウドが頭を上げたところには、ぽつりと中くらいの宝箱があった。その宝箱は淡い白色のオーラを纏っている。

 怪訝な目で宝箱を見つめていると、横からひょこりとアリスが顔を覗かせて宝箱を見た。宝箱を見たアリスは、キラキラとした瞳で宝箱に駆け寄った。


 「お宝だー!」


 「ッおいアリス待て……ッ!」


 ハッと気づいてアリスを止めようにも遅く、アリスはぺたりと宝箱に触れた。

 宝箱に触れたアリスはそのまま開けようとするが、どうやら重くて開けられないらしく、ふんぬ〜!と踏ん張っている。


 (触っても何も起きないってことは、宝箱に罠は無さそうだな……。誰かが昔触った時に爆発したとかなんかを聞いて警戒してたが、別に警戒する必要はなかったか……)


 ディアは宝箱には罠があると思って中々触れられなかったのだが、アリスがあんなに触っても何も起きないということは、一旦罠の可能性は無しとみていいだろう。

 警戒を解いたディアは、踏ん張っているアリスの後ろに立ち、一緒に宝箱の蓋を開ける。ディアが加わっても苦戦はしたが、何とか二人は宝箱を開けることに成功した。

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