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ちょっと文章に納得いっていないので、その内書き直すかもしれません。
「ワタシが産み出したモンスターの核――お前が破壊した、緑のオーブ」
そう言われて、ディアは思い出した。
石の巨人を倒す為に壊したあの緑のオーブのことを。今思えば、何か不思議な感覚を感じていたような気がする。
「あれには、お前の一部の力が封印されていた」
「は!?オレの!?……!!そうか、ここからオレの力が感じ取れたのは……!!」
「やっと気づいたか。そうだよ、お前が感じていた力は、あの大賢者によって封印されたお前自身の力だ」
「残りはどこにある!?オレの力は、どこに……!」
この迷宮に入るきっかけとなった、自身の力の出処が判明し、ディアの語気が上がる。
立ち上がりかけたところで、ベラウドが「待て」とディアを制した。
「アリスが起きる」
「あ?……」
立ち上がりかけたところで、ディアは膝元にアリスを寝かせていたことを思い出した。
アリスがううん、と唸り身動ぎしたところでディアは一旦冷静になり、座り直した。
「……チッ」
「落ち着いたか」
「あ?落ち着いていられるかよ。折角元の姿に戻れるてがかりを見つけたんだぜ。オラ、オレが落ち着いてる間にさっさとオーブの場所を言え」
「期待している所悪いが、ワタシは全てのオーブの居場所を知っているわけではない」
淡々をベラウドは答え、ディアの期待を裏切った。
あ゛?とディアの声が低くなるが、それに怯むベラウドではない。ベラウドはふん、と鼻を鳴らすと、そのまま続ける。
「実際にオーブを隠したのはあの賢者だ。どこに行ったのかも見ていないし、一部興味もなかった。それにあれから千年も経っているのだから、居場所もあの頃より変わっているだろう。どの道、オーブの居場所はお前にはわからないさ」
「……………………」
「なんだ」
「テメェ、本当になんなんだ」
ディアの強い視線に聞き返すと、ディアは警戒を滲ませた声色で問うた。
「最初から気に障ってたがよぉ、ここにずっと引きこもって千年以上も生きてたこととか、なにかとアリスを知ったような口ぶりで話すところとか、全てを知ってますって言ってるテメェの態度が気に食わねえ。なにか隠してんなら今言え。テメェの目的も全部」
ずっと、ベラウドに会ってから気になっていた。
ベラウドは何かとアリスを知ったような口振りで話していた。ディアに対して冷たく接するに対し、アリスに対しては言葉尻も柔らかく、まるで愛しいものに接するかのような対応を見せた。それだけではなく、ベラウドはこの千年の間のことを知り過ぎている。賢者がディアの力も封じ込めて各地にばら蒔いたこと。ディアの同族の死に様を語ろうとしたところ。そして最初に出会った時、アリスとディアの名を呼び、まるで二人のことを待っていたかのように言ったこと。
他にも気になる点は沢山ある。それほどまでに、ベラウドという存在をディアは図りかけていた。
「……」
「どうした。言えねえか。なんで言えねえ」
「今言うことではないからだ」
「は?ふざけ……」
「絶対に、言わない」
真正面から指摘されても口を噤むベラウドにディアが催促する。
しかしディアは、そのディアの催促も全て無視して黙秘することを選んだ。
ふざけるなと怒鳴ろうとしたディアを、ベラウドは遮る。
「絶対に、お前だけには言わない。物語が変わってしまうのは、ワタシにとっても最悪なことなんだ。だからもう二度と聞くな。ワタシはこの事について、何も喋る気はない」
そうベラウドははっきりと言い、そして宣言通り、あの後ディアが質問しても、ベラウドはこの事に関して口を開くことは一切なく、結局はディアが折れることとなった。
遅れてすみませんでした。
追記
7/31〜8/2まで投稿お休みします。




