40
この後の展開の調整により、39話のラストの一文削除、40話を全て書き直しました。
お手数ですが39話のラストを呼んでから今回の40話を呼んでいただけますと助かります。
「……話は変わるが、アリスは他にワタシに聞きたいことはないのか?」
先程の話から逸らす為に、ベラウドは話題を変えた。
アリスは「他?」とベラウドを見上げる。
「名前を聞いてくれただろう。それ以外に、ワタシに聞きたいことはないのか」
「うーん?うーん……」
ベラウドにそう言われたアリスは、首を傾げて考え込む。
考え込んだ末、アリスは無垢な瞳をベラウドに向けながら言った。
「ベイは、ディーが嫌いなの?」
「……は……」
そう聞かれたベラウドは、一瞬言葉を失った。
しかしすぐに切り替えて、アリスに問いかける。
「どうしてそう思った」
「だってベイ、ディーにずっと怒ってるよね?」
「………………露骨だったか」
「ろこつ?」
「……あー、そんなにわかりやすかったか」
「うん!」
元気に返事したアリスに、ベラウドは苦笑した。
実際思い返してみれば、ベラウドはディアに対して妙にあたりが強かった。対してアリスに対しては言葉の声色も優しく温和に感じている。それをアリスは疑問に思ったのだ。
そんなにわかりやすくなっていたとはと反省したベラウドは、アリスの疑問に答えた。
「……確かにワタシは、アイツが嫌いだ」
「どうして?」
「……言うつもりはない。言ったところで誰にも理解されないからな」
確かにベラウドは、ディアが嫌いだ。
諸々の理由を含めて、ディア・フィアエナが嫌いだ。それはアリスの指摘通りである。
しかしその理由を大っぴらに、特にアリスに告げるつもりは毛頭ない。
その理由は、ベラウドだけが理解できる理由であることは確定しているから。変にアリスを混乱させるのは、ベラウドにとっても不本意だからだ。
だから理由に関してベラウドは口を噤んだ。
それを見て喋る気がないと察したアリスは、「わかった!」と笑顔で頷いた。
コロナで体調を崩していましたが、回復してきたのでぼちぼち投稿再開します!




