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緑色の球体を砕いた瞬間、保っていた巨人の身体がガラガラと崩れ落ちていく。
「っと!」
地面に落ちていく瓦礫に当たらないよう、ディアはアリスの頭を抱えて受け身を取りながら着地した。
そして巻き込まれないよう、足早にその場を離れる。
ディアがその場から離れて暫くして、巨人の身体を作っていた石の数々は瓦礫の山となり、二度と動き出すことは無くなった。
「……おわった?」
その光景を見つめていたアリスは、ディアを見上げる。
アリスの問いかけに、ディアは「……終わった、と思う」と曖昧な答えを返した。
暫く瓦礫の山になった巨人だったものを見つめていたが、その瓦礫が動き出すことはやはりない。
それを「巨人を倒した」と確信したディアは、「っはぁあああああああああああああああああああ~~~……」と脱力し、その場に座り込んだ。
「っしゃおらあッ、見たかデカブツゥ!オレが本気出せばこんなもんなんだよぉ!ハッハー!!」
そして疲れ切った顔で、瓦礫になった巨人だったものを盛大に煽った。
散々コケにされ、死にかけのところまで行ったのだ。鬱憤は溜まりに溜まっていた。
アリスはそんなディアの顔を見て「ディーがいつにも増して笑顔……!!」とニコニコしていた。
「……ぉあ?」
しかし、盛大に煽り散らかしていたディアの身体が傾く。
それはアリスも例外ではなく、二人はお互いに身体を預けた状態で尻餅をついた。
「ぁれ、なんか、だるい……」
「……なるほどなぁ、魔力を全部使った反動か」
ディアが自身の手を見下ろすと、身体に纏っていた紫と赤のオーラが徐々に霧散していくのを見た。
どのような原理かはわからないが、先程まで発揮していた力は、この時をもって無くなってしまったらしい。先程まで感じていた身体の軽さも、みなぎる力も、なにも感じなくなってしまった。考えられる原因は、アリスから供給された魔力を全て使い切ったことしか思い浮かばない。アリスも疲れたように脱力しているし、有力な説だろう。
この事はまた考えられる時に考えると無理矢理謎を頭の隅に追いやったディアは、ジロリと螺旋階段の方を睨みつけた。
そこには、虹色の蝶が徐にディア達に近づいていた。
(……あ?何かが吸い込まれてる……?)
虹色の蝶に向かって、緑色の粒子みたいなものが集まっているのをディアは見た。
吸い込まれている先を辿ると、粉々に砕け散ったあの緑色の球体を見つけた。その球体からは同じような粒子が出ており、それは真っ直ぐに虹色の蝶に吸い込まれている。
虹色の蝶はディア達の前まで来ると、緑色の粒子を纏いながらはばたく。
『試練を遂げた者よ、着いてくるがよい』
そう告げた虹色の蝶は、ディア達の横を通って広間の奥へ進み始めた。
明らかに怪しすぎるが、色々と謎を抱えたままこの遺跡を去ることは出来ないと、ディアはアリスを抱えて虹色の蝶の後を追った。




