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アリスと手を繋ぎながら、ディアは蝶が進む方向に進んでいく。
どういう原理かはわからないが蝶の周りがとても明るい為、暗闇で進むのに苦労することはもう無くなっていた。壁も地面も丸見えで、なんだったら自分自身の姿もくっきりとわかるくらい明るい。さっきまでは本当に何も見えなかったら余計に明るく感じてしまう。
それだけではない。苦労が去ったのは暗闇だけでなく、他もある。
「……!」
前方にモンスターの気配がして、ディアは足を止めた。ディアが足を止めたことで、アリスも足を止める。
いつ襲ってきてもいいように身構えるが、前方のモンスターがこちらに近づいてくる様子はない。……寧ろ、蝶が前に進むにつれて後ろに下がっているような気がする。
暫く様子を窺っていると、前方にいたモンスターの気配は消えていった。
「……」
前方にいたモンスターは、まるで何かから逃げるように去っていった。
ディア達はその場から動いてはいないが、蝶は変わらず前に進み続けていた。それを考えると、モンスターが何から逃げていたのか自ずと察せれる。
――やはりこの蝶は、この洞窟に生息するどのモンスターよりも格上、らしい。
どうしてこの蝶が格上なのかはわからないが、この蝶の傍にいればモンスターに襲われることは無いだろう。この蝶に襲われるという懸念も捨てたわけではないが、今のところこちらに敵意は向けられていないので味方と思っていいだろう。
何から何まで不思議な蝶であるが、厄介なトラブルが発生しなくて済むと考えれば良い蝶だ、とディアは前向きに考えることにして、蝶の後を追っていった。




