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第五十五話 女湯での出来事

【注意!!】

※今話は、国立十文字学園高等部東京校祓い科一年、小林萌華の視線でお送りいたします。


【国立十文字学園高等部東京校 学生寮10階 女湯脱衣所】


「やっとお風呂だああーーっ!!

 いぃやっほおおおおおおおおう!♪ !♪」


脱衣所に木霊するテンションMAXな雄叫び。

それと同時に制服を勢いよく脱ぎ捨てたのは、麻璃流先輩であった。


その下に現れたのは、灰色のスポーツブラとショーツという、実用性重視の下着。


……そう。

わたしたちは長い戦いと慌ただしい歓迎会を終え、ようやくたどり着いた安息の時間。


だが、まだ気を抜いてはいけない。

なぜなら、これから始まるのは──


“おっぱい甲子園”


それは、胸囲による女の階級闘争。

男が風呂場でアレの大きさを競うなら、女は胸の大きさを競うのだ。

ここで勝利した者が得られるのは、栄誉でも賞金でもない。


ただ一つ。

──“精神的優位性” !!


脱衣所という名の甲子園球場に、今、静かに火蓋が切られた。


トップバッターは──

神戸校二年・渡辺麻璃流先輩。

すでに下着も脱ぎ捨て、全てをさらけ出して堂々の登場。


ぷるんっ♡


視線が無意識に、比較対象たる自分の胸に落ちる。


自慢ではないが……

いや、自慢だが、わたしの胸はそれなりに大きい。

平均サイズは優に超えている大きさだ。だが……


くっ……!

わたしより……ほんの少しばかり大きいっ!


麻璃流先輩の胸は、ほどよい丸み、重すぎないボリューム、美しいフォルムをしていた。

まさに“美巨乳”という言葉がふさわしい。


くそっ!!


暫定順位は……

一位:麻璃流先輩。

二位:わたし。


次にバッターボックスに立ったのは──

神戸校三年・田中刹那先輩。


上はセクシーなピンク色のレースブラ。そして下には……


っこ、これは!?なんと破廉恥な!?

まさかのTバックですと!?


そう、下にはセクシーなピンク色のTバックを履いていた。


……刹那先輩が今、レースブラに手をかけ、静かに外したその瞬間──


ぶるるんっ♡


……ッ!?

デカいっ!?デカすぎるっ!?

中等部の……あの頃よりも、さらに大きくなっている!!

これは……

“スイカが二つ、胸に張り付いている”と表現しても過言ではない。

しかも、垂れていない。張りがある。

柔らかそうなのに、芯がある。完璧だ……!


これが……“超高校級”というやつか!?


まさに“美爆乳”……否、“美超乳”という言葉がふさわしい。


暫定順位を更新。

一位:刹那先輩。

二位:麻璃流先輩。

三位:わたし。


くっ……まだだ!落ち着け、萌華!

刹那先輩がトップになるのは、制服の上から見た感じでも十分わかってたし……

気持ちを切り替えて、次っ!


続いてのバッターは──

東京校三年……桜蘭々様!!


上品な黒色のブラジャーに、黒色の紐パン。大人の香りが漂うコーディネート。

それらを今……お脱ぎになろうと……

しかし、


ブシャアッッ!!


——私の鼻から鼻血が噴き出した。


「かっ……!!はっ……!!」


──だめだっ!これ以上は見れないっ!

これ以上、桜蘭々様のあの神々しいお肌を直視してしまうと、このまま出血多量で死んでしまう!

これ以上はわたしの身が保たない!


測定……不能……


正確な大きさは測れないが、明らかに大きい。

下着越しの膨らみだけで判断するが、間違いなく“美爆乳”。


暫定順位を更新……

一位、刹那先輩。

二位、桜蘭々様。

三位、麻璃流先輩。

四位、わたし。


えっ、ウソ……

わたしが一番“ちっぱい”だったなんて……!?

……いや、まだだっ!!あともう一人いる!!

まだ、わたしには希望が残されている!


その希望の名は、今、隣で制服を脱ぎ始めた同じ一年生の……


”伊藤天嶺叉“


制服のボタンを、ひとつずつ丁寧に外している。


歓迎会の間、何度も彼女の胸元を確認したが、完全なる“水平”ボディ。

その時、わたしはこう思った。


胸の膨らみを見たら分かる、わたしの圧倒的勝利ですやん!


──と。

この子は間違いなく“ぺったん娘“。


はあ、よかった……これで……少なくともビリは免れた。


勝利を確信し、思わず口元がほころぶ。

わたしは安心して制服を脱ぎ始めた——その時だった。


「えっ……?うそ……でしょ……?」


目の前に現れたのは──


サラシ。


その下には、サラシに押し潰され、窮屈そうなメロンの塊が二つ。


「サラシ……だと……?」

「えっ……!?な、なに……!?」


わたしの視線に気付いた天嶺叉が、赤面しながら恥ずかしそうに慌てて胸を隠す。


「うそ……でしょ……うそ……だよね……

 うそだって言ってよおおおおおおっっっ!」


わたしはその場で泣き崩れる。


「ど、どうしたの、萌華ちゃん……?」


天嶺叉は両膝をつき、泣き崩れるわたしの肩にそっと手を置いた。


「な……なんであんた……

 サラシなんて巻いてんのよ……?」

「え……!?だ、だって……」

「だって……なに?」

「戦う時、揺れて邪魔になっちゃうから……こうした方が戦いやすいし……

 それにウチ、胸が大きいのがコンプレックスだから隠したくて……」

「勝ち組の理由ーーーー!?!?」


まさかのダークホースが、今ここに出現した。


いや、まだだ!

まだ希望を捨てるな、萌華!

まだ、はっきりとこの目で確認したわけではない。

実は思ったよりも、このサラシの下は大したものではないのかもしれない。


そう自分に言い聞かせ、震える手でそのサラシにそっと手をかけ──ほどいた。


「えっ!?……ちょ、ちょっと、萌華ちゃん!?

 なにするの……!?や、やめてぇぇぇ!!」


ぷるるんっ♡


「がはっ!!……」


現れたのは、桜蘭々様に迫る勢いの美爆乳。

瞬時に脳が処理を拒否し、全身に痙攣が走った。

その場に倒れこみ、私は……意識を手放した。


「も、萌華ちゃん!?大丈夫、萌華ちゃん!?」


こうしてこの夏——


わたしは“おっぱい甲子園”に敗北したのであった。


─────────────────────────────────────


【国立十文字学園高等部東京校 学生寮10階 女湯】


「うわぁぁぁ……

 刹那さん、おっぱい大きいだけじゃなくて……

 お肌までツヤツヤで超キレイ……!うらやましい!!」

「あら、麻璃流さんだってとってもきれいですわよ!

 ちゃんと毎日ケアしている証拠ですわ!

 ……それにしても……

 桜蘭々さん、体つきがすごく引き締まってますわね!

 自分のぷにぷにした体が恥ずかしくなってしまいますわ……

 もっともっと訓練しないと……!」」

「ふふふ♪

 日々の努力、研鑽

 体は嘘をつかないからな!」


先輩方は湯けむりの中、朗らかに語り合っていた。

だが、わたしの闘志はまだ消えていない。

同級生にだけは負けたくないと、わたしの心が叫んでいる!


そう、あいつ——伊藤天嶺叉。


ここは趣旨を変えて、大きさという量ではなく、質……

触り心地で勝負だ!


自慢ではないが……

いや、自慢だが、わたしの胸はマシュマロのように柔らかい。

大きく育ったこの胸は、胡坐をかかず、質も追い求めた素晴らしい胸だ。


天嶺叉は今……

奥のシャワースペースで体を洗っている。


油断している天嶺叉の背後に、わたしはそっと忍び寄り、そして——

胸を思いっきり揉んでやった。


「っくそぉぉぉ!

 なんだってこんなでかいのよ天嶺叉!!

 隠れ巨乳なんて卑怯だぞ!!」

「ひゃっ!?っいや……!?ちょ、ちょっと、揉まないでよ萌華ちゃん!?

 恥ずかしいよぉっ!」


その時だった。


くはっ……!?

な、なんて柔らかさ……!

もちもちで、手のひらに吸い付くような極上の感触……ずっと揉んでいたい触り心地ではないか!?


触り心地でも……敗……北。


満身創痍となったわたしは、風呂上がり後、泣きながら甲子園球場の土をシューズ袋に……

もとい、女湯の湯船のお湯を牛乳ビンに詰め、部屋に持ち帰った。


来年こそは、絶対に優勝してやる!!……と、心の中で叫びながら。

そう、これはわたしの——

”誓いの叫び“である。

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