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第四十五話 三大悪霊

【注意!!】

※今話も前話に引き続き、国立十文字学園高等部祓い科担任兼精霊省特別顧問、夜太刀白亜の視線でお送りいたします。


【遡ること少し前 東京都千代田区 東京駅屋上】


「──み、鏖の子!?

 ま、まさか……!?あの大事件を……あんな子が……

 それも、たった一人で引き起こしたって言うの……!?」


愛淫は言葉を失い、驚きと戸惑いの表情を浮かべて固まった。


「はっ……!

 なんだ、その大層な二つ名は?

 嫌だねーー!精霊省の連中は本当に厨二病的なヤツが多くて!

 “真実”と全然違うやつもいるじゃねえか!!」


俺は冷めた表情で言葉を返す。


「そうね

 でも“事実”はそのとおりだと、個人的には思っているけど?」

「全然違うだろうがっ!!

 天嶺叉の件にしても!萌華の件にしても!

 それに……銀河の件についてもだ!!」


俺は激しく反論する。


「ちょ、ちょっとちょっと、二人ともっ!!

 なになに!?

 あなたたち一体、なんの話をしているの!?」


愛淫は肩を震わせ、まだ信じられないといった様子で焦りながら尋ねる。


「いくら愛淫でも、これ以上は話せないわ

 銀河くんのことに関しては、精霊省の重要機密事項ですもの

 ……と言いたいところだけど、愛淫だったら話しても大丈夫かも

 ねえ、白亜?」


凛花が冷たい視線を向けてくる。


「知らん、自分で決めろ」


俺は凛花を無表情にあしらい、冷たく答えた。


「まあ、どうせ隠しててもいずれはバレることよ

 それに、銀河くんはこれからしばらく東京校にいるわけだから、一人くらいは真実を知ってる人がいないと、万が一があった時に対応が遅れるかもしれない」

「『銀河くんの件に関しては精霊省の重要機密事項』ですって……?

 一体あの子が、何だって言うの!?」


愛淫は興奮しながら尋ねる。


「“三大悪霊”については、当然知ってるわよね?」

「もちろんよ」


愛淫が即座する。

 

「世間には禁されているけど、”超常級“よりもさらに上の霊格——

 “神霊級”を持つ、たった三体の悪霊——

 

 (やまい)の大悪霊

 ——”霊母“・No.(れい)


 闇の大悪霊

 ——”冥帝“・絶冥(ぜつめい)


 そして——」


愛淫が続けて話す。


「昨年まで、蕪島に封印されていた”あの大悪霊“……でしょ?」

「そう、その大悪霊が今どこにいるのか……

 世間には、蕪島事件の際に高橋心ニくんが自分の命と引き換えに祓ったって公表している」

「ええ、精霊省のその公表によって、心ニちゃんは“蕪島の英雄”と呼ばれるようになったのよね」

「だけど、実際には祓っていない、行方不明ということで精霊省内部で通達されているわ」

「私もその認識よ」

「けど実は……精霊省の一部の上層部はすでにその居場所を知っているのよ」

「え……!?

 そうなの……!?」


愛淫は驚き、目を大きく見開いた。


「じゃあ、なぜそれを世間に公表しないのよ!?」

「さあね

 それについてはそこにいる人に聞いてちょうだい

 彼に口止めされているから」

「どうしてなの!?白亜ちゃん!?」

「言えるわけねえだろうがっ!!

 それを公表したらどうなると思う!?

 間違いなく、”あいつ“を殺せってことになるだろうが!!」

「あいつを殺せ……?

 一体どういうこと……!?

 全く話が見えないんだけど!!」


凛花が深く息を吐き、感情を込めずに淡々と話す。


あの子(銀河くん)の中にいるのよ

 ——別名“原初の悪霊”とも呼ばれ、1945年に起きた“東京の乱”で、東京都の人口半分以上の人間を殺害

 東京都の西半分を破壊し尽くし、消滅させた史上最低最悪の悪霊

 その名も——


 悪の大悪霊

 ”破壊神“・爆覇無惡屠(ばはむうと)“がね」

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