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記憶の海  作者: ツミキ
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1日目



さて、何から書こうか。

この日記を見つけてくれる人のために、まずは少し私の過去のことに触れようか。

ゲームでいうチュートリアルというやつだね。


社会に出ればまだ楽しい時期だと言われる年齢だが、私は一般では祖父母や両親である年齢の人たちが体験するであろう経験を一つ終えた。

いわゆる冠婚葬祭の「葬」の部分である。


私には、両親がいない。

同時に失ったのではなく、9歳に母を亡くし、22歳で父を亡くした。


私は幼い頃からしっかりしていて大人っぽいと言われる事が多かった。


そういう性格だったのではなく、しっかりせざるを得なかったのだ。


実際には、しっかりしてなどはない。

小学生の頃は下から数えた方が早いくらい勉強が出来ていなかったし、優秀と言われるものは幼い頃は何もなかった。

外面だけが良いからしっかりしていると言われてしまうのだ。


だが、近頃何かの糸が切れたのか、今までできていた事ができなくなっている。


友達との約束でもよっぽどの事がなければ遅刻はしなかったのに、最近は10分遅れてしまうのが通常になってしまっている。

整理整頓していたはずの机に上も書類で山盛りになって片付けられない。

期限がある書類も手を出せない。


出来ないとどんどんだめな人間になっていると思って、より何も出来なくなってしまう。

負のループである。


今までしっかりしなければと張っていた糸が切れるとこうなってしまうのかと実感させられる事が多くある。


涙脆くもなってきており、今日も喫茶店で紅茶を飲みながら、思い詰めて涙が出てしまった所で少女と目が合ってしまった。


少女は、驚いたような顔をした後、お辞儀をして去っていったが、格好悪い所を見られてしまった。


マスターに聞くと初めて来た客のようだから、もう来ないだろうか。

せっかくの喫茶店での素敵な時間を変な記憶で上書きされないだろうかと自意識過剰な心配をしてしまった。

あぁ、変な所で出てしまう心配症はいつまでも治らなさそうだ。


この日記を通して、抜け落ちていきそうな記憶を綴られれば良いと思ったが、その日にあった事を書いた方が日記らしい。

どちらも書いていこうと思う。


もう、寝る時間なので続きはまた明日にしようと思う。




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