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7組目

お久しぶりです。

更新が遅くなりすみません。

よろしくお願いします。

「申し訳ありませんでした。では、失礼します。」


支部長室を後にし、事務室に向かった。

皆の目のある前でちょっと?ご利用者を威圧してしまったのだから怒られるのは仕方ない。むしろ厳重注意で済んだのだからましだ。

ご利用者様本人が処分を望んでいなかったと言うのもあるのだと思う。

自分を御しきれなかった僕が悪いのだ…これでも抑えたつもりなのだけど…。

いつの日か半身を見つける日が来るのだろうか。

もしくは自分が半身になるのか。

そうなったときの自分はどうなってしまうのだろうか。

想像するだけで恐ろしい。

だけど自分の事と利用者様のことは別だ。線を超えてはならない。

気を引き締めよう。


僕はとぼとぼと歩きながら事務室へと戻ってきた。


「大丈夫ですか?」


ナノハナ先輩がお茶を淹れてくれた。

良い匂いに癒やされるなー。


「ありがとうございます。」


「これからですよ。一歩ずつ進めましょう。」


「はい。」


そう。これからだ。エルフの矯正しだいだが。

でも一歩踏み出せたのは大きい。ゆっくり進めていこう。


「100年かけるつもりですからね。」


「へっ!?あれ?50年じゃなかったかな…?」


ナノハナ先輩?なんでそんなに怯えた顔をするのかな?


「そんな訳ないでしょー、罰に50年、許すのに50年!」


罪があるのだから倍になるのは当たり前だよね!


「そっそうだねー。それぐらい覚悟いるよね?」


顔を引き攣らせながらも頷くナノハナ先輩。

お互いに笑い合いながらお茶を飲んで事務仕事に勤しんでいると…。


「ナノハナ!来たぞ。お前担当のダチョウのご利用者様だ!お客様を見つけられたって!」


アイ先輩が受付から走ってきた。


「来た!?あー!すれ違ったら来るんじゃなくて直で連絡するように言っておいたのに!忘れたんですね。きっと。イチョウすまない。この様子だと出向かなければならないみたいだ。同行お願いできないかな?」


ダチョウのご利用者様だもんね。出張フィーリングカップル対象ならば同行者というか監督者が必要となる。


「ええ。大丈夫ですよ。」


魔族のご利用者様を起こしたばかりだから受付のシフトに入っていないのだ。魔族ご利用者様はゆっくり進むことが決まっているから同行しても大丈夫だろう。


「よろしくお願いします。では行きましょう!早く行って聞き出さないと!!」


僕とナノハナ先輩は受付へ急いだ。


「あ!僕の係の人だ!良かった居てくれた!名前は…何だったかな?あのね、見つけたんだ!番が!何度目かは忘れちゃったけど!」


「はいはい。ナノハナです。3度目の紹介ですね。場所は何処ですか?見つけてすぐに来たのですか?」


「うん!仕事の途中で見つけたの!仕事中だっからGPS付けてたよ!場所はそれで確認できるよね!」


「場所は忘れたんですね…。はぁ。」


うん。背が高いー手足長ーい。僕もそれなりに高いけど見上げるのは始めてだな。


「ナノハナ先輩すみません僕からもよろしいですか?」


「あっ!ごめんなさい。イチョウ。ご利用者様、こちらは同行を頼む、もう一人のお見合い係のイチョウさんです。」


「よろしく!忘れてごめんなさい!」


うん!素直で元気で宜しい。でも、初めてです!


「いえ。本当に初めましてなんで。謝罪は大丈夫ですよ。ご利用者様。仕事途中と仰っていましたが配達を済ませた後こちらに?」


「まさか!見つけた後すぐ来たよ。見つけたらすぐに連絡してって言われてたから走ってきた!」


「仕事を放り投げてこちらに来たと…。」


「連絡って言ったのです!報告に来いとは言ってませんよ!」


ダチョウ族のご利用者様はダチョウ配達便の配達員として日夜努めていらっしゃる方だ。無尽蔵のスタミナで長距離を最速で走れるとあって需要は高い。でも、ダチョウ配達員達はいかんせん記憶力が低い。

なにせ番を忘れてしまう程だ。運命の人を秒で忘れてしまうなんてどうなんだ?

え?ある意味で幸せ?だよね!

是非とも魔族のご利用者様に分けて欲しい能力だ。

しかし、どれだけ早くとも届かないならば意味がない。なので一人一人に位置情報特定の魔法具をつけてそれを共有し、迷ってる配達員には指示が本部より出せるようになっている。

迷っていて届くのが遅れてしまうのはダチョウ配達便では当たり前でそれが許せないならば頼むなと暗黙の了解になっている。

ダチョウ配達便て根強いファンが多いのだ。

嫌な記憶も残らないものだから明るい素直な一族が多くってね。

お見合い係もいつもとは違う苦労が多いもののダチョウ族の担当を嫌がる人は少ない。番を忘れちゃうから探すの大変なんだけどね。

だからダチョウ族に関しては見つけた時点でフィーリングカップルに連絡してもらい私達見合い係が二人一組になって出向くシステムが採用されている。但し所在を確認するだけ。

接触は禁止。


「イチョウ少し待っていて下さい。仕事場に連絡してご利用者様のルートを聞いてきます。」


「わかりました。」


「よろしく!」



ご利用者様は少し反省してください。


読んで頂きありがとうございました。

ブクマ、評価ありがとうございます!

のろのろで申し訳無いです…。

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