5組目
おはようございます。
ユニコーン族の続きと新しい種族の始まりです。
なので、長めです。
よろしくお願いします!
ブクマ、評価、イイネありがとうございます!
めっちゃ励みになっております。
次の日アイ先輩からオミナエシ講師から秒で許可が降りたと聞いた。
オミナエシ講師のアメージングは少数しか受け入れられ無いんだけど…空きがあったみたいだな。
良かった良かった。
アメージングコースは基本24時間監視が導入されている。
誰にって?オミナエシ講師にだよ。
セミナー中は特定の宿舎て過ごして貰うんだぁー。多数の監視カメラが付いている部屋でね。
オミナエシ講師はその画像を手元の魔道具で常に確認してるそうだ。
それとオミナエシ講師による個別のセミナーがある。
でもね、これね…内容を誰もしらないの。1日の最後振り返りの時10分間映像が消える事になっていてその間にセミナーが行われているそうだ。
文字通りアメージングである。
オミナエシ講師は色々なセミナーを受け持っていてとても忙しいので多数を監視や個別に担当することは無理なのだ。
アメージングコースを受け持てる講師はオミナエシ講師だけではないがこの本部でも3人だけしか居ない。
フィーリングカップルが認めた三ツ星の講師しかアメージングは受け持てない。それだけ厳しいし、高度なセミナーと言える。
そして、アメージングを受けなければならないようなご利用者様は一分一秒たりとも無駄にできる時間がない。
それで考えられたのか監視システムを生かした24時間セミナーぶっ通しである。
僕は絶対に受けたくない。
自分の時間は~?と考える暇も与えないものらしいし、寝てるときはヤマちゃんが監修した睡眠用の音楽が流れる様になっているらしい。
…人権は?等考えることがあったらやらないような事をやってのけた者達がセミナーを受けるからいいのか?
そしてこのセミナーの目玉がもう1つある。受ける側…すなわち利用者様には知らさせれないがお客様にもこの魔道具が渡され自由に見ることができる。できるだけなので見なくても良いが、お客様の最終確認の為でもある。
ここでダメならばという線引きだ。
あのユニコーンのご利用者様はこのセミナーでお客様から受け入れられなければおそらくお見合い係が施行する魂の休息以上の処置がなされるだろう。
もう?と言われるかも知れないがお客様は登録前の一般人だったのだ。ユニコーン族のご利用者様に取ってはどうにもならない理由があったのはわかるがそれを適応される前段階の話である。今の段階では完璧な被害者だ。
お見合い係がする運命に対する処置として
基本的に魂の休息、縁切り、休眠がある。
どれも簡単に出来る物ではないし、内容も結果も異なる為同列には語れないが、ちゃんとした手順がある。罰や指導はまた別の話だ。
だってもうアレルギーじゃない?と思われるほどの発作を起こす状態…生理的に受け付けなくなっているお客様のカウンセリングなどあると思うのか?
それこそ記憶事忘れなければ無理である。
記憶を消すことをお客様が望めば叶わないこともないが記憶を消せばユニコーン族との結婚生活が待っている。こんなことになった加害者とだ。
何故被害者のお客様がそんなことをされなくてはならないのだ。
あのユニコーンもどうしようも無かったのは聞き取りで理解できているし、お客様として登録されていたならば話は変わって来るけどなぁ。
だからフィーリングカップルとしてあのユニコーン族のご利用者様にできることは犯罪者にはしないようにしてあげることだ。
おそらく今回は休眠が対処としてあげられると思われる。でも休眠も悪いことではない。
休眠とは双方に罪はないがどうしてもお客様がご利用者様を受け入れられない場合にご利用者様を番、半身が感じられない幼体状態に迄戻すのだ。これをやっている時にお客様が寿命で無くなった場合はリセットが効いて新たな番、半身がセットされる事になっている。
でもこれ、今のところ休眠中の方が何人か居るようだが新たな番が見つかったとは聞いたことがない。だって人族といえどそれなりに寿命長いからねぇー。見つけるのにもそれなりに時間かかるし…。
だから眉唾では?と言われていてご利用者様はやりたがらないんだよねぇ。目の前に実在している番や半身が居るだけに…。
取りあえず、セミナー中のお客様のカウンセリングが上手く行くことを祈るしかない。とアイ先輩はため息を吐きながら呟いていた。
昨日のベンジャミン先輩からの話に続き、アイ先輩の重たいお話を聴いた後、僕の予定はー。
番にしたら大人気のビーバー族のご利用者との面会である。
フィーリングカップルでも人気種族というかこの人の番、半身になりターイというランキングが存在する。
非公式ではあるけどね。このランキングに入っている種族のお見合いは物凄くスムーズである。もう、僕たち要らなくない?ってなる位だ。
熊族、オオサンショウウオ族、ペンギン族、ハト族、ビーバー族、狼族やドラゴン族や魔人族が大体上位を占めていてその年の好みのトレンドによってランキングは変わってくる。
オオサンショウウオ族は専業主夫。夫が子育てを行う。この反対が熊族である。子育ては妻が行う。これに反して夫が子育て期間中に自宅に帰ると血を見ることになる。子育て期間中の母熊ほど恐ろしい物はない。
ペンギン族は両立。夫婦で子育ても家事も行う。ハト族もこれに近い。
ビーバー族は分業。ガテン系で巣作りは夫、家事、育児は妻。でも、子供の一人立ちの為の教育は夫も進んで行う。巣作りの指導とかね。
狼族一途で溺愛。ドラゴン族と竜人族と魔人族もこれに近い。妻の世話なら何でもやりたいタイプ。重たすぎる愛も見方に寄っては幸せで憧れるそうだ。
狼族とドラゴン系、魔人族との違いは大切なのは妻で子供は二の次になるところ。
狼族は群れで生活するため子育てもとても大事に思っているがドラゴン族と魔人族は違う。番、半身が大事で子供はほっといても死なないし、勝手に育つと思っている。食料さえ与えれば良いんでしょ?的な感じだ。巣立ちの為の狩りは積極的に教えるらしいけどね。あまりの酷さに魔国もドラゴン国もこれにはだいぶ教育を割いてかなり改善されたそうだが…。本能ともいえる価値観はそんなにすぐには変わらないからね。
だからランキングには狼族は結構上位に上がってくるがドラゴン系と魔人族は中々に波が激しい。
この種族達の番になりたいと日夜教会に祈る方々が多数居て、時には番になれないのならばいっそ、番の範疇から外して自由恋愛の対象にしてくださいって祈る方々もいるらしい。
まぁどんなに人気で早く結婚したいってお客様が言ったとしてもフィーリングカップルは手順を守りますけどね。基本。
さぁ!今日は面会業務だ!頑張るぞー!
「お!イチョウさんおつかれ!面会に来たぞー。」
「こんにちわ。ご利用者様。」
うん。可愛い。ビーバー族のご利用者様である。
あー癒されるぅ。この方は面会4回目である。職業は大工さんだ。
「4回目ですが、緊張などは大丈夫ですか?」
「ああ。3回目も無事すんだからな。今日は休みの日の過ごし方とか番と話せれば良いんだが…。」
この方のお客様はカルミアの産業の一つガラス工房にお勤めの職人さんだ。お互いに職人だから気が合うことも多く…出来ないことを補い合えるように分業の話まで進んでいるそうだ。ペース早くない?まだまだ結婚しないよ。
「そうですね。まだ3ヶ月たっていませんからね。外で会うことになったら行きたいところとか聞いてみてはいかがですか?」
付き合うかどうかを決める段階だっての!
「解ってるから!でも…なんでか結婚の方に話が行って、俺も困ってる…。家派か外派か大事だしな。俺は休みと遊びは別タイプだしな…。でも…これ間違うと巣作りの話になってしまいそうだ…怖いぞ!」
「話をしようとなさることは大事ですか…もう家の話ですか!?」
おいこらまてー!!マネージャーに要注意!と共有書類に記入すると…直ぐに反応が来た。ただいま注意中!と…あっちも大変らしい…。
「何で!私の番がオオサンショウウオ族なのよ。私はビーバー族が良かったの!変えて!!」
「「…。」」
また変なのが来たな…。僕はビーバー族のご利用者様を視線から隠す様に立った。
しかし、お客様は出入口が違うはずなんだけど…何でこっちに??
動物の習性や人生観とても面白いです!
調べていてワクワクしてしまいます!