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お客様の懺悔2

三寒四温を肌で感じる時期に入りましたね。


おはようございます。


ブクマ、評価、イイネありがとうございます!


励みになっております。


エルフのお客様視点の続きです。

エルフの大使館につくとすぐに顔見知りの外交官が対応してくれた。


「久しぶり!元気だったか?」


「ええ。元気は元気なんですけどね。ちょっと問題がありまして。相談に来たのですが…。」


エルフは寿命が長く、幼少時代も長い。しかも大体がエルフ国で出産するため殆んどが見知ったなかだ。最近は外で生まれるエルフも増えては来ているが幼児ばかりだ。


「相談?相談か…すぐに片付く問題ならば良いんだけど…。」


「何かあったのですか?」


「ああ。すまない。こちらの問題だから心配するな。で?何があったんだ?」


「私の伴侶のことで…プライベートなことになるのですが、相手がカルミアの国の機関フィーリングカップルでして…」


は目を見開き、驚いた後真顔になった。


「お前の事だったのか…。ちょっと待ってろ。」


「え?」


私は個室に通され、結構待たされた。


コンコンコン。ガチャ。


返事も待たずにドアは開かれ、現れたのはエルフの大使だった。席を立ち挨拶を…


「いや。そのままで。時間も限られて要るし、楽しい話では無いのでね。」


「え?」


「君の伴侶がフィーリングカップルで魂の休息に入ったことは聞き及んでいる。君は何をしにここを訪れたのかな?」


「え?魂の休息?私の伴侶はフィーリングカップルに監禁されているのです!それをご相談しに…。」


「君はそこからなのか…。先が思いやられるな。だが、仕方ない。私たちの怠慢でもある。」


「え?」


私は先程からえ?ばかりだ。私の知らないところで全てが進んでしまっているようだ。


「君はエルフ国に入国禁止だ。自国の民の帰国を認めないなどあってはならないが、今回は特例として承認された。国に被害が及んではかなわないからな。それとカルミア国以外の全ての国からも君は入国禁止となっている。いくらパスポートがあっても入れないから気を付けるように。」


「何故ですか!?」


「君は2週間獣人国に滞在していなかったか?」


「ええ。そうですけど…。」


大使館ならば知ってるでしょうね。でも、行動を全て知られているのはちょっと恥ずかしいな。


「やはりな。獣人国は被害が甚大だ。主に作物のな。時期ではない豪雨と落雷で果物や葉物野菜がやられたらしい。原因は君だ。他国もそして、我が国もそんな被害に見舞われる訳にはいかない。だから入国禁止だ。カルミア国は君の指導国となったから影響を受けないだけだ。」


「なっ!?私は森の番人であるエルフ族ですよ!そんな…確かに夜営できない程の雨と落雷にはあいましたが…。そんなこと長く生きていれば有り得ることではないのですか?」


「君の言っていることは矛盾していると思わないのか?森の番人であると言うのならば天候が荒れ狂うのは可笑しい。それに、エルフは森の番人だと言うのであれば天候が回復するははずではないのか?確かに長く生きていればそう言った天候にはあう。エルフは、その天候を鎮める役目を担っているのだ。エルフが赴いて天候が悪くなることはない。そして、君が獣人国に赴いてから天候は悪くなり、カルミア国に戻ってから天候は元に戻った事も事実だ。また、教会からこの天候の意味は神からのギフトを蔑ろにしているからだとの見解が示された。同時にカルミア国からエルフ大使館の使用停止の指示が来た。国交を一時停止するとの事だ。」


だから、こんなにも大使館がバタバタしていたのか!そして、その原因が私…?


「では…エルフの大使館は引き上げなければならないのですか?」


大使は私を哀れむ様な目で見ながらため息をついた。


「はぁ。君は大使館の心配をしている場合か?我々は君の味方にはなれないぞ。むしろ君をどう扱うかで試されている。君の指導国はカルミアとなったため要らぬことは言えないが、同族のよしみだ。フィーリングカップルの指導を受けろ!しっかり受けろ。私は国へ戻り二度が無いように民への教育を見直す。ではな。」


そんな…大使館の協力も得られず…私はどの国にも行けず…どうしてこんなことに。

私は宿へと戻り本か?といえる程の分厚い書類に目を通し始めた。時間もないし、適当で良いだろうと記入を始めたが…あの指導係が嘘が解ると言った言葉を理解した。

嘘を書くと文字が赤くなるのだ。


半身を大事にしていますか?


はい


赤い…。


半身に強要していませんか?


いいえ


赤い…。


半身に不誠実なことをしていませんか?


いいえ


赤い…。


貴女は離婚を望んでいますか?


いいえ


赤い…。


ムカつく。その時点で私は記入を辞めた。

次の日フィーリングカップルに来た私は門前払いされることはなかったものの、いつもの棟ではなく、ちょっと奥に入った小さめの建物に案内された。

私は指導係にこの書類を突き返してやった。


「この書類は嘘発見器でもなんでもない。私は離婚等望んでいないのに赤くなった。」


「そうですか、回答も数枚だけと…。しかし、可笑しいですねわねぇ。このフィーリングカップルの玄関で離婚するっと怒鳴られていたではないですか。それは幾人も聞いてますよ。」


「うっ。本心ではない。ただ、ケンカがヒートアップして言ってしまっただけ…です。」


「ケンカの度に離婚すると言ってご利用者さまに強要させているとの事でしたが?」


「うっ。仕方ないだろう。旅に出たいのに…ごねるから。それに、どうせ離婚できないんだから良いじゃないか!」


「本当にそう思われますか?」


「え?」


なに言ってるのこの人。


「はぁ。本当に教育不足だわ。離縁をしらないなんて…我が国では子供でも知ってるのに。離婚は双方の意見の一致が必要なのでできませんが、離縁はできるのですよ。文字通り縁切りです。神様が直々に運命を無しにしてくださいます。貴女の意見や半身の意見など加味されませんよ。良かったですねぇ。離婚したかったのでしょ??」


離縁?初めて聞いた言葉だ。ものすごく怖い言葉だと肌で感じる。エルフの本能だろうか…失ってはいけないものを失うことになると警告してくる。


「離婚できる?そんな話聞いたことないぞ!離婚できないっていつも言われていた。どの国のフィーリングカップルでもだ!」


「当たり前ではないですか。できるのは離縁だと申しておりますでしょ?指導がうまくいかなかった場合最終的にそうなります。そして、縁切りは貴女の方がされる。瑕疵は貴女にあるのです。貴女は神より賜った運命を蔑ろにされた。貴女にあるギフトは全て無くなります。神の神業の一旦を体現されたのではないのですか?」


あの豪雨と落雷の事か?ということは…


「…。」


エルフとして得られていたアドバンテージすらも失うことになると言うことか…。


「私は伴侶にそんなに拒否される程のことをしたのか?」


「それ、本気で仰られていますか?」


「旅に出たいと言っていただけではないはないか。」


「浮気するための旅なのに?」


「!?何故それを!」


「気づかれてないと本気で思われていてのですか?おめでたい方ですわ。そのような行為におよべば獣人ならば匂いで、魔人ならば魔力で解るのですよ!バレるにきまっているでしょう!」


そんな!?知らなかった…では今までの浮気は全てバレているということになるのではないか…。


「知らなかったんだ!それに…一人に決めるなんて勿体ないこと何でしなければならないんだよ。私だってずっと我慢していたんだ。それに、体の関係だけだ。私は彼を愛している。」


「愛しておられるのですね。」


「そうだ!だから私の伴侶を返してくれ。」


「愛を囁きながら不義はなさると仰いますか?」


「不義なんて大袈裟な。ただの遊だし、一回だけだ。見逃すくらいの度量があっても良いだろう。これからも長い間私の夫でいるのならばな。」


「なるほど。これに50年か…。」


「もう、話しは終わりか?じゃあ…」


私は席を立って部屋から出ようと歩きだした。


「何処に行かれるつもりですか?戻って座りなさい。まだ、話しは済んでいない。これは貴方の指導計画を練るための聞き取り調査です。途中で終わって良いものではない。エルフの大使は貴方に忠告もされなかったのかしら?」


大使館に行ったことがバレている…2回しか会ったことない、指導係は般若の様な顔をしていた。


「私を監視していたのか!?」


「貴方は現在第一級の危険人物ですよ。当たり前ではないですか。国境を力尽くで越えられては困りますし。それと、貴方は今日からこの離れに滞在して指導を受けて頂きます。貴方を指導するには昼夜問わない方法出ないと無理ですわ。催眠学習ってご存知?」


「なんだよそれ!」


私は夢の中でもセミナーを受けることになった。

夢の中の私はずっと愛をささやかれながら裏切られる側の立場をさらされ…話しても話しても浮気される…心の擦りきれる思いをさせられた。

自分の罪を知った。

やっとこのカップルが終わりましたぁ!!


自由恋愛ありだと思うのですが、そういう方はパートナーを作らないか本当に理解できているパートナーでない限りダメなんですよね。


愛する人を共有するってある種の才能が必要だと思います。


次からはいちょうくんに戻れる!!


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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは。 てっきり縁切りパターンかと思っていたので、そんな手間暇かけてまで続けさせるんだなぁ、そういう世界ってことかなと若干のモヤモヤが残る話となりました。 離婚はできないが離縁はできる…
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