本部長の怒り
おはようございます。
何とか間に合いましたぁ。
この回からはユズ視点となります。
楽しんで下さると嬉しいです。
そのコールはお昼休みを過ぎてもうすぐおやつかなぁ?という時間に鳴り響いた。
緊急用のコールは三種類ある。そのうちの一番下のランクのコール音が本部長室のスピーカーからなったのだ。私は直ぐに無線の場所まで駆けつけた。
直ぐに音声も流れてきた。お見合い係のイチョウによるご利用者様の魂の休息。これはご利用者様への緊急救済措置だ。違反や犯罪を犯した者への罰則用の文言ではない。俺は直ぐにナナカマド様に連絡を行った。
「ナナカマド様。本部長のユズです。お見合い係のイチョウより魂の休息コールがありました。今、熟練のお見合い係による確認をしております。了承があり次第魂の確認をお願いします。」
「解った。魂の状態次第では休息で済まないかも知れないぞ。覚悟しておけよ。」
「はい。」
ナナカマド様の声が低い!!怖い!
どうか魂の状態が酷くありませんように!私は心から強く願った。
ナノハナ、アイからの了承があったと連絡があり、ナナカマド様に再度連絡した。
結果は…
「色は真っ黒に変色しているが、幸い傷は見られなかった。だが、ここまで変色しているのであれば1日2日の話ではない、長年の物だぞ。取りあえず3ヶ月休ませてみてくれ、それによってだな。魂が回復を受け入れてくれれば良いが…。」
首の皮一つ繋がった様な心地だった。
「了解しました。イチョウよりご利用者様へ説明のち魔道具の使用をしたいと思います。」
ナナカマド様の顔が心配そうに歪む。
「イチョウにやらせるのか?」
「はい。そういう段取りになっていますし、このご利用者様担当お見合い係はイチョウです。そして、イチョウは私の自慢の部下で、立派なお見合い係です。過度な心配はイチョウに失礼ですよ?」
「そうだな。済まない。少し過保護だったな。皆が等しく俺の守護する魂達だ。お前達。しっかり頼んだぞ。」
「はい。しかと賜りました。」
ナナカマド様のイチョウへの過保護は今に始まった事ではないから驚かないが~。これではどっちが家族か解んないな。私にとってもイチョウは可愛いおじさんですよ?
「さぁ、行くか。」
私は魔道具を持ち、耳にイヤホン型の無線を着けて部屋を出た。
すべての処置が済み、私は無線で話しかけた。これは全体にだ。相手は魔族とエルフ族だ。下手すると皆に被害及ぶ。
「本部長のユズだ。先程お見合い係のイチョウより魔族のご利用者様の魂の休息コールがあり、ナノハナ、アイからの了承とナナカマド様の魂の確認を行った。結果は公表できないが、魂の休息の処置が行われた事は皆に知らせておく。お客様はエルフ族だ。警戒警報発令。警備員はこれより段階をレベル3に上げろ。魔力の無い警備員は配置するな。警備員全員に魔道具の所持を許可する。」
「警備隊長タケです。了解しました。レベル3に引き上げます。」
「主任お見合い係パンジーです。了解しました。」
「主任マネージャーヤマブキです。了解しました。担当マネージャーのストレプトカーパスをこれより指導係に変更。しどうを」
「ちょっと待って下さい!担当マネージャーのストレプトカーパスです!このような事になった経緯の説明を求めます!お客様が詳しい説明が無い限り帰らないと叫んでいるのですよ。こちらも気持ちに…」
「何を言っているのだ!気持ち云々など言っている段階ではないぞ!それにもう、マネージャーではない!指導係に変更と指示があっただろうが。何故経緯を説明する必要がある。既にイチョウより書類が提出されている。それが全てであり、これよりそなたががするべきはお客様の指導内容の検討だ!気持ちに寄り添う等と被害者様な言い方をするなよ。十分加害者だ。ご利用者様へ少しの負担をかけるなよ!」
これは一種の最後通告だ。運命をキャンセルされる前のな。希望通り離縁が出きるぞ。エルフのお客様。
運命を甘くみるなよ。
いつも読んでくださりありがとうございます。
ブクマ、評価よろしくお願いします。
次回もユズ視点です。