3組目 4
おはようございます。
寒い日が続きます。
皆様体調にはお気をつけ下さいませ。
今回は短めです。ごめんなさい。
「どういうことだよ!」
「お客様落ち着かれてください。私から事情確認後説明しますから!今は待って下さい!」
「可笑しいだろ!俺の夫を勝手に監禁してるようなもんだぞ!そんな権利そいつに無いだろうが!」
僕は今、先程魂の休息を施した魔族のご利用者様の番であるお客様から食って掛かられている。
まぁ。うるさい。ストレさんが止めに入っているが、聞く気無いな。こいつ。
「私から申し上げられることは先程申し上げたことのみです。これよりご利用者様は魂の休息に入りました。ご利用者様とのご面会、ご帰宅は叶いませんのでお一人でお帰りください。休息期間は未定ですので今はお伝え出来ません。終了となりましたらこちらからご連絡致しますので、連絡は常に付くように所在の連絡はお願いいたします。詳しい説明はマネージャーより行われますので。ではストレさんよろしくお願いします。」
「…はい。」
「なっ!おい待てよ!?」
僕はその場を後にした。僕が守らなければならないのはご利用者様であってお客様ではないのです。
しかし、ストレさんの顔色悪かったな。初めてなのかは知らないが、これからはストレさんにかかっていると言っても過言ではない。
魂の休息を行う場合お客様側の意見や都合などが聞かれることはない。マネージャーにも知らされ無いのだ。そもそも話し合いで解決できるのであればとうにやっているし、魂の色が悪くなることはない。これ以上悪くならないようにするための処置なのだ。緊急避難に等しい。
これが相棒のように見える我々見合い係とマネージャーが線を引いて付き合う理由である。
番、半身制度は理解できない物を押し付けられる種族らを守るために作られた。
その法律に基づきこのフィーリングカップルが設立された訳だが、見合いだけでなく、夫婦のフォローをするようになって浮き彫りになったことがある。
番、半身の愛情に胡座をかき、お客様がご利用者様に強く出ることが多々あるのだ。浮気を悪びれることなく行い、金銭の搾取、労働の搾取。
愛されて当然。愛してるのだからを大義名分にして。
伴侶を唯一無二としている者達は許すしかなく、尽くし続ける。どんなに虐げられても…。
でも、そんな一方的なもの長く続くわけがない。いつか壊れる。疲れはて…本来あるはずの生存本能に抗い自死を選ぶのだ。
このような案件が続いたとき、ナナカマド様が怒られたそうだ。
魂が傷つく事を朱雀であるナナカマド様は許さない。
「神より賜った運命を何だと思っているのか!これ以上運命を蔑ろにするのであればすべて種族の糸を最初から切ってやるぞ!」
これには皆が震えた。カルミアの王族方は重く捉え、民達への教育を更に深く行う様になった。そのお陰でカルミア国の民達は意識が高い。エルフ国やドワーフ国はまだまだの部分が多いが…。
それと同時に魂の色が悪くなる前に対処できるように今まで人族らを守るためにあった魔道具を再度見直し、虐げられたご利用者様達にも使えるように体制を整えたのだ。
その一つを今回発動した。こうなるとお客様がどんなに不服を申し立てても受け入れられない。休息の期間が終わるまでご利用者には一切会えないし触れることもない。
その期間どう過ごすかはマネージャーの手腕にかかっている。
今まで寄り添っていたマネージャーが指導係に切り替わり、これからはお客様ががっつりセミナーを受ける番なのだ。
次は視点を変えて投稿する予定です。
このカップルのお話はまだ、続きます!
よろしくお願いします!