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3組目

皆様!!お体は大事にしてくださいませ!!


お家でのお楽しみの一つとして、読んでいただければと思います。


最後辺りに今回のカップルの…ネタバレになってしまいますが…すみません。男性同士のカップルのお話しが出てきます。

苦手な方はスルーされて下さりませ。

「お久しぶりです。イチョウさん!」


おっふ。相変わらず目力がすごいですねぇー。丹頂鶴族の獣人さんは。


「お久しぶりです。ご利用者様。お客様。今日はゲストもお連れですか?」


「はい!娘です!イチョウさんに会わせたくて…。こうして家族でいられるのはイチョウさんのお陰ですから。」


丹頂鶴さんはとてもキラキラした笑顔で可愛らしいゲストを紹介してくれた。

うふふ。あらあら。可愛らしい。とってーも丹頂鶴さんにそっくりですねぇ。まつげ長っ。この幼さなのにこの目力…。遺伝子の強さを感じる。

遺伝子とは不思議なもので強い方が勝つ。獣人族と人族との子供は獣人族の子供が産まれることが多い。人族の子供は4人1人だ。ドワーフ族と人族ではドワーフ族が勝つ、魔族やエルフ族、竜人族の場合は言わずもがな人族は負ける。だが、例外もある。魔力が強い人族の親の場合は人族の方が勝つらしい。


「ご利用者、お客様。とても可愛らしいゲスト様をありがとうございます。久々の面会となりますので少し時間を長めにとってあります。たくさんお話をお聞かせて下さい。」


ご成婚後の初カウンセリングだ。このフィーリングカップルはお見合い相談所でもあるが夫婦相談所でもある。


結婚とはゴールではないスタートなのだ。


これはセミナーでご成婚が決まった番、半身のご利用者様に送る講師が冒頭に言う有名な台詞である。使い古しと言うことなかれ。何度言っても言い足りないから使われ続けているのだ。

ご成婚されたカップルはまず、3ヶ月後に面会のカウンセリングが入る。そのカウンセリングで問題がなければ1年後セミナーを受けるのみ。面会は一年半後を設定されている。次は3年後にセミナーと面会だ。

乳幼児健診か!?とツッコミをいれたくなる方もいるだろう。当たりである。

それぐらい大事に守られているのは何故か。離婚が事実上できないからだ。

カルミアでは同族同士で人族、ドワーフ族、エルフ族の夫婦であれば離婚は認められている。まぁお互いの同意があり、書類さえ揃えば提出のみで離婚できるのだ。だが、番、半身ではまず無理だ。唯一無二の伴侶を手放すわけがなく、浮気もあり得ないし、子供が授からなくても他があり得ないのだから離婚に同意などしないし、況して離婚の書類にサインなどする筈ない。お互いが番、半身の理論がある種族はそれで良いが…そうではないお相手はたまったもんではない。気持ちが既に無いのにずっと夫婦でいなければならないのは辛いだろう。結婚は双方の権利であるのに離婚の権利がないのはおかしい。

だから我々がなるべく経過観察して見守る事となっている。もし、その予兆が見られたら即座に対処出来るように…悲劇はなるべく起きない方が良いのだ。


丹頂鶴さんのご夫婦はイレギュラーなご成婚だったし、既にお子さままでいらっしゃっるので長めに面談を設定した。お客様が溜め込んでいることも考えられる為だ。

結果は今のところ問題なし。結婚が双方の望まれての物だったこともあって子育ても結構協力者が多く、二人の時間も増えているとのこと。新婚ならではの温かなお話にホカホカした時間だった。

お客様の話もマネージャー的に変なサインはなかった様で次は予定どおりの設定となった。

僕はここで人族のマネージャーであるレンゲさんとお別れし、エルフ族のマネージャーのストレさんと合流し、次のご夫夫の面会前打ち合わせを行った。


そう。ご夫夫だ。


さぁ。来たぞ。


「今年こそは離婚するって言ってんだろうが!いい加減理解しろよ!」


「嫌だ!離婚なんかするわけ無いだろうが!?俺の半身を!」



本日二組目の面会は絶対もめる。

あー先程のゲスト様に会いたいー。

次から本格的に始まります。


いちょうくんはくじ引きとか、そういう運は俄然強めです。

良し悪しどちらでも引きは強いタイプです!

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