2組目 4
おはようございます
ブクマ、評価ありがとうございます!
めっちゃ嬉しいです!
もう少しで、今年も終わりですねぇー。
早いな。これで、今年最後の投稿となります。
ありがとうございました。来年もよろしくお願い
いたします!
「フィーリングカップルの所長をしております。カンパニュラと申うします。この度は私達の要請に応じて下さりありがとうございます。また、未成年であることを知らなかったとはいえお子様にお怪我をさせてしまい申し訳ありませんでした。」
所長が自分の名前の一部を告げ頭を下げる。僕も続けて頭を下げた。今回は色々説明しないといけないことが多かったし、部下の不始末は上司の不始末!と所長が出てくれた。面目ない。だか…それを見て、何か勘違いをしてしまい、優位に立てると思った哀れな狼少年のお父さん。
「うちのー」
「ですが、そもそもスプレーを使う事になりましたのはそちらのお子さんが話を聞かず、番書類に記入も拒否し、暴れたからですわ。カルミア国では番、半身は連れ去り禁止となっていることは周知の事実。獣人国でも、教育するようにお達しがあっている筈です。どのような教育をなさっていたのかしら?あっ。私としたことが…お父様の言葉を遮ってしまいました。どうぞ。お譲りいたしますわ。」
「何でもありません。こちらこそご迷惑をお掛けしました。」
「ご理解のある保護者様で安心いたしましたわ。どうやら思い違いがあったのでしょうね。幼ければ色々勘違いもございますものね。獣人国に報告しなければならないかも思っていたのですよ。こちらでもその様に考え一からご利用者様にはお教え致しますわ。」
「「よろしくお願いします。」」
「父ちゃん!母ちゃん!話が…うぐっ」
てめぇらの教育不足を幼いで片付けてやるんだから文句言うんじゃねぇぞという脅し…ケフン…言葉の裏を読んだ…このお父さん、お母さんは優秀なのだろうな。狼少年の口を塞ぐのも早かったし…良かった。
所長も良い笑顔ですね。うん。警備員さんも安心の様子。あの後どのような教育があったのかは知らないが、年齢確認は是非ともうちの門番でやらせてください!と警備員のリーダーさんが直談判に来たらしい。
お見合い係としてはそっちの方が有難いので受けたと先輩方が言っていた。
「では、早速本題に入りたいと思います。僕はご利用者様の担当のお見合い係のイチョウです。よろしくお願いします。」
スパーンと話を切って僕は話し始めた。だって絶対に揉めるもん!時間かかるって解るもん!
「え?謝罪の為の要請ではなかったのですか?」
お母さんが不思議に耳をパタパタさせている。うん。可愛い。狼さんに羊さんの夫婦って…シュールだな。何かドキドキする。
「はい。謝罪だけの要請ではありません。ご利用者様が今回年齢確認したところ未成年だと判明致しました。カルミア国でも成人していれば本来スプレー程度の防衛でご両親を呼び出したりしません。ですが我が国では未成年であれば違います。未成年だからこそこちらも謝罪し、治療と治療中の滞在費もご両親の交通費もこちらでお支払したのです。全てが未成年だからであるとお分かりになりましたか?」
「はい。」×3
「ありがとうございます。ならば話は早いですね。カルミア国では未成年だと婚姻はできません。」
「何だって!!そんなことお前らに関係ないだろうが!!結婚は…俺の…」
まぁ。怒るよね。結婚なんてプライバシーな事だし…他人に口を出されたくあるまい。只でさえ番制度のせいでフィーリングカップルに管理されているのだから。
「そうですね。結婚は貴方が持つ権利の一つです。貴方が成人であればの話ですが。」
「おい。レ…息子よ落ち着け。獣人国だって未成年は結婚できないぞ。お前の年齢ならば後一年じゃないか!準備も必要なんだから待てるだろ?」
名前はダメだと言ってある為呼び掛けづらそうだな。お父さん。説得としては悪く無い。悪くないが…。
「獣人国ではそうかもしれませんが、カルミア国やドワーフ国、エルフ国であれば違います。」
「え!!」×3
「3国連携しておりますので、3国ともに成人は18歳です。」
「なっ!そんなに待てねーよ!父ちゃん、母ちゃん!」
ほらほら。直ぐに両親に助けを求めることこそ未成年だと言っているような者だよ。それが1年だけで正されると思っているのかな?そんなに大人は甘くないよ?
「いくらなんでも18歳は…後4年だぞ長すぎないか?息子は番だと言っているし…その…相手にも聞いてもらって了解が得られれば特例とか…相手に獣人国に来てもらって結婚してもらうとか!」
「そうだ!獣人国に来てもらえれば結婚はできるならばそれでいいじゃないか!番に聞いてくれよ!」
「無理ですね。番、半身制度ではお客様の出身国での婚姻が義務付けられています。今回のお客様はドワーフ族ですが、出身国が我が国。つまりカルミアとなっていますので18歳まで待っていただきます。」
「そんな法律しらねーよ。何で獣人国出身の俺がカルミアの法律を守らなければならないんだ!」
「獣人国の法律をお望みですか?」
「ああ!」
「そうですか。それでも貴方は結婚できませんよ。」
「何でだよ!」
「貴方は犯罪者となり、罰を受けるからです。」
「俺悪いことなんかしてないぞ!言いがかりだ!」
「獣人国であれば冒険者となった者の犯罪には成人と同等で裁くとあります。獣人国では国の機関で暴言、暴力、機関で働く者の言うことを聞かなかった者は例外なく罪人の筈です。それをお望みですか?」
「そんな…。」
「ご利用者様。ご存知ではないかもしれませんがフィーリングカップルは正式な国の機関です。所長はカルミア国所属の貴族です。以前は王宮顧問をなさっておられました。」
所長はそれはそれは美しい笑顔で頷いて下さった。
「では、獣人国の法律をお望みとのことですので…警備員に通達します。所長よろしいですか?」
「え」
「待ってくれ!わっ悪かった!俺が悪かったから…お前達の言う通りに待つよ!だけど…4年…は長すぎる…本当にどうにかならないのか?」
所長の言葉を遮るとは…所長の顔が怖くて見れないよー。貴族だって今話したよな?幻覚?幻聴?早く終わりたい!警備員まで後一歩だったのにー!
「なりませんね。貴方は何様なんです?国の法律を曲げるほど偉いのですか?そもそも未成年が結婚できないのはあなた方様な年齢無視で誘拐する番や半身がいたせいなんです。それに我が国では成人は本来ならば25歳なんです。獣人国や魔国、ドラゴン国が法律に協力する為の交換条件として引き下げているのです。貴方は既に特例を適応されているのですよ!!」
「…そんな…俺知らなくて。」
「無知こそが未成年の証では?成人では知らなかったでは済まされない筈です。貴方は何を教わってこられたのですか?」
ご利用者様の顔は赤く染まった。ばかにされた怒りで震えている。だからなんだと言ってやりたい。こいつが押し通そうとしている事は自分の番を追い詰める事だと何故解らないのか…未成年と無理に結婚すれば、成人しているお客様はどうなる…少なくとも3国では犯罪者か良くて変質者扱いだろうが!
そんなもの絶対に幸せにならない!!お見合い係としての矜持をかけて絶対に赦さない!
「意見は出尽くしましたね。ここら辺で休憩致しましょう。ご利用者様も保護者様と一度ゆっくり話された方がよろしいのでは無いですか?明日、再度面談を行います。それでも考えが変わらない場合はこちらもそれに見合った対応をさせていただきますので。」
所長の声が部屋に響いた。
カンパニュラ夫人はちゃんと受け継がれております!今でも裏のドンです!うふふ。
でも、夫人なんで皆さんお嫁さんなのに似てくるらしく…それも怯えられるひとつなんだとか。
では、皆様良いお年をお迎えくださいませ。
1/2は休まず投稿致します!忘れたらヤバいので
予約投稿するであります!
追記。
先日、この世界とは全くことなった物語を投稿しました。連絡が遅くなりすみません。とても楽しく書かせて貰いました。読んでくだされば嬉しいです!
「悪役令嬢は周りが作る。」
です。私なりの悪役令嬢ものになっております。
周りのキャラが濃くて…ついつい視点追加して書いております。
いちょうくんの物語もしっかりと書いておりますので、ご心配なく。完結まで絶対に辞めません。
いちょうくんに睨まれるのは嫌です!