表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/33

僕はお見合い係です!

こんにちは。


『はあ?』と同じ世界ですが、違う視点からのお話しです。


多分未来の話だと思います。


大丈夫です。ちゃんと『はぁ?』も書いています!


宜しくお願いします。


「フィーリングカップルへのご利用有り難うごさます。今日はどういったご用件ですか??」


僕はこのアホっぽい店名…ということなかれ、きちんとした国家機関に努めて3年目だ。このフィーリングカップルとはいわゆる一般の結婚相談所と言うと解りやすいかもしれない。ただ国家規模で行われるもので、しかも獣人やドラゴンや魔族等の番や半身を扱う機関であると言うことだけだ。

今日も迷える子羊?いや。それでは可愛すぎる。あいつらは恋という名の執着と熱意という名の暴走を持ってやって来るのだから。

僕達はこれをいかに制御し、幸せなカップルとするか…その手腕が問われている。


そして、今日やってきたのは狼の獣人さんだ。

おっふ。めっちゃハードになることに請け合い。僕はこれからのことを考えてぐっと喉を鳴らしたのだった。


「俺、このカルミア国で番を見つけたんだ!番を見つけたら必ずここに行くことって入国する時誓約書を書かされたからさー!来てやったぜ。番つれて行っていい?」


はい!ダメー。全く解っていませんでした!まぁ。誓約書通りに報告しに来てくれただけましか…。


「申し訳ありません。例え番であろうとも、勝手に連れ去る事はこのカルミア国では許されておりません。まずはあなた様の事、番さまの事を詳しくこの書類にご記入頂けますか?出来るだけでかまいませんが詳しく書いて下さった方がアピールポイントがたくさんあると言うことになりますので有利かと…。」


誘拐はダメだと先に釘を指しておく。これ大事。この目の前の狼青年は番ならば連れ去るの当たり前だと思っている犯罪者予備軍なのだ。


「えーー。何でだよ!番なんだぞ!いくら番がカルミアのドワーフ族だとしても口出しは無用だ。獣人にとって番は唯一無二だ。あらゆる事が赦されているんだぞ!」


「どうしてもお聞きいただけないので?」


「俺は誓約書を書かされたし、ギルドに怒られたくないから来ただけだ。これ以上の事はしない。というかさせない!人族なんぞに口出しされてたまるか!」


あらあら。獣化しちゃて牙剥き出しで威嚇か。先が思いやられるな。えっと、こうなった場合はとスプレーどこ言ったかな?ここまでくれば過剰防衛にはならないだろう。なんかフンガフンガ言ってるし。


プシューーー!


僕は狼さんの花や目を目掛けてスプレーを噴射した。


「うがぁーー!目がー鼻がーーー!」


床に転げ回る狼さん。あっ通行の邪魔になるな。すみませんと頭を周囲に下げてまわらねば。


「痛いですか?そうでしょうね。唐辛子スプレーと言います。今日一日苦しむと思いますが、冷静になっていただかないと行けませんので、仕方ないですね。貴方が誘拐を犯せばこんなものではすみませんし。取りあえず反省して貰うためにも犯罪者にならないためにもお泊まり頂きましょう。警備員さーん。よろしくお願いしまーす。この人は12番の牢…いやお部屋へ。それと、番を守るプロジェクトの映像を繰り返しでお願いしますね。」


「了解。」


「行ってらっしゃいませー。」


警備員さんに後はお任せしていれば良いでしょう。これとは明日もう一度面談ですね。その時の状態でお泊まりが延長となるかを決めましょう。それと…。

僕は通信機の前にやって来た。


「ナナカマド様。ナナカマド様。いらっしゃいますか?僕です。イチョウです。」


「どうした?またか?」


「はい。今日も狼獣人の方が番申請に来られました。初めてなので確認をお願いします。」


「解った。確認しておく。今日は大丈夫だったか?何かあれば必ず俺に言うんだぞ。俺はお前の魂の守護者何だから。」


「はい!ありがとうございます。大丈夫です!その方にはお泊まり頂く事になりましたので!」


「またか。どこに大丈夫が掛かるのか解らんが。気をつけろよ。」


ナナカマド様は何時も優しい。言葉は少なめだが、心から心配して下さっているのが声で良く解るのだ。確認したら連絡すると通信は切れた。

この確認とは本当に番が現れたか糸をナナカマド様に見て貰うのだ。ナナカマド様は四獣の一人朱雀様で、魂の守護者をしていらっしゃるのだ。番は運命だから魂から糸で繋がっている。ナナカマド様には直ぐにわかる。通常は白だが出会うと赤に変わるらしい。

以前フィーリングカップルに番と半身の申請が被るというあり得ない状況が生まれた。まさかのダブルブッキングか!?と初めての現象に機関は大慌てだった。

職員全員で館内を封鎖し、国への報告等の対応に追われた。

熊の獣人対魔人。一触即発。どちらも引かんというオーラがありありだった。

そこにナナカマド様が呼ばれ確認したところ番では無かった事が解った。

番だと思った方がつけている香水がとても良い匂いだっただけだったのだ。

あの時の僕はまだ、働き初めて半年とペーペーだったから右往左往するだけだった。

先輩方の、働きは冷静沈着でテキパキしているように見えたのに…中には毛が抜けたー!5キロも痩せたー!と嘆いた人もいた。

それだけヤバイ状態だったと言える。

そういう事があったため、勘違いもあるし、虚偽の証言の場合も考慮され初回の申請時にはナナカマド様に確認して貰うことがルールとなっている。

ナナカマド様からは直ぐに連絡が来て、糸が確認されたと話が来た。

次いでにちょっと指導しておいたからと。ありがたい。明日が楽になったな。

僕は受付係を先輩と代わり、今日の予定であるお見合いの準備にかかった。

楽しんで頂ければ嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ