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第六十一話 いざ神の島へ

ちょっとジョブに関して設定が変わりまくっているので現時点での仕様を書いておきます。

現時点で分かっていることとして、ジョブには基本職、上級職、複合上級職、特殊職が存在します。

基礎レベルとは別に職業にもレベルが存在し、基本職はレベル20まで。上級職はレベル30まで。

複合上級職は上級職一つ以上を含む複数ジョブを組み合わせることで就くことのできるジョブで、レベル上限はジョブごとに変わります。

特殊職はクエストの報酬で就けるようになったりするジョブで、こちらもレベル上限はジョブごとに変わります。


「うーん……」



 机の上に置かれた武器を眺めながら、私は今までになく悩んでいた。

 原因は、最後の都市エリアであるイクテュエスにて転職できるようになったらしいいくつかの新ジョブが使う武器について。


 私は最初、イクテュエスを神聖な感じのエリアなのだと思っていた。神の島と呼ばれるくらいだし、このファンタジー世界ならそういうものがあってもおかしくないと思っていたからだ。

 しかし、どうやらイクテュエスというのはかなりSFチックな見た目をしているらしい。

 すべてが金属でできていたり、電力で動く設備があったり、地下にはまだ攻略の目途が立っていない大きな空間が広がっていたり。

 神の島と呼ばれていたのは、得体のしれない見た目をしていたからのようだった。

 そういえば、このゲームの設定上は今の人類よりも前に繁栄した文明があるんだっけ。それならイクテュエスはその文明が作ったものなのかも。超古代文明って感じで浪漫があると思う。


 で、そんなSF的なエリアで追加されたジョブであるから、当然使用する武器もファンタジーからかけ離れたものとなっている。

 その代表的なものが、いま私の目の前にある――銃だった。



――――

Alpha(アルファ)-Regalo(レガーロ)

武器種:銃/拳銃 必要DEX:68 必要STR:30

攻撃力+102、射撃強化+21、貫通力+5、


古代文明が使っていたとされる兵器。扱うには高い技量を必要とし、攻撃時に物理弾薬を消費するが、その破壊力は一級品。

側面に印字されたシリアルナンバーは、これが量産されたものであることを表している。

――――



「本当にどうやって作るんだろう……」



 これ自体はシダがどこかのプレイヤーから購入したもので、どうやらイクテュエスの手前のダンジョンで手に入れることのできるものらしい。

 武器種はそのまま銃、下位カテゴリーとして拳銃(ピストル)に分類されているこの銃には、当然のようにマガジンが存在していた。

 というか、この要求ステータスで攻撃力が100を超えてるのは凄いな……多分、弾薬が消耗品だったりリロードが必要だったりするからなのだろうけど。


 銃に関しては他の武器に比べると理解度があまり高くない私ではあるけど、武器として存在するのならぜひ作りたい。

 そう思って、三日ほど前からどうにか銃を作れないかと模索し始めたものの、一向に銃ができる気配はない。

 実物があるなら話は早いとラーニングしてみたものの、[条件を満たしていません]と表示されるだけ。

 それなら他の武器同様に形さえ似せていれば武器として使えるようになるのかと試してみたものの、銃になることはなく。

 今の武器匠レベルは30。上級職としてはカンストのレベルで、生産職にはスキルポイントでスキルを覚えるシステムもなく、銃を作るためのスキルがあるとしても覚える方法が分からない。

 正直言って完全にお手上げだった。


 やっぱりイクテュエスに専用の設備があったりするのかな。仮にそうだとすると、店を移転することも考えないといけないかもしれない。

 なるべくなら、それは避けたいところだけど。


 とりあえず、今度は実際の銃の構造をイメージして作ってみようと思って素材箱を開けたところで、シダから連絡が来た。

 シダは今、銃に関する情報を調べるために色々としてくれているらしく、そんな彼女からの連絡ということで、期待しながら通話に出る。



『あっ、先生! 銃に関係しそうな情報手に入れましたよ!』


「え、本当に?」


『はい! 最近、【セフィロト】をはじめとするクランによってイクテュエスの地下の攻略が少しずつ行われているみたいなんですけど、その途中で怪しいものを見つけたみたいです!』


「そうなんだ。……ってことは、イクテュエスまで行かないとだめだよね」


『そうですね。でも、強力な助っ人を呼んでいるんです! イクテュエスまではきっと一瞬ですよ! 今からそっちに向かいますね!』



 強力な助っ人?

 誰だろうと考えて一分ほどで、店の扉が開く。

 外にいたのはシダと、魔剣……じゃなかった。聖剣を携えた白鎧の騎士、ヘルメスだった。



「やあ、こうやって実際に会うのは久しぶりかな。元気そうで何よりだ」



 そういうヘルメスに返答しようとし……同時に背後に気配を感じた。



「お前を見ているぞ……」


「っ……!」



 いつの間にか背後に現れていたカトレアが私の耳元でささやいた。めちゃくちゃビビるのでやめてほしい……。

 「ちょっとお姉ちゃん、ほんといい加減に……!」と言いながらシダがカトレアを羽交い絞めにする。羽交い絞めというか完全に首を絞めに行ってるけど、カトレアが幸せそうなのでいいか。



「さて、イクテュエスまで行きたいのだったかな」


「うん。えっと、急すぎて何も準備できてないんだけど、大丈夫?」


「ああ。私たち二人が責任をもって送り届けよう」


「そこは心配してないんだけど……どうお礼したらいいのか、みたいな」


「それこそ心配はいらない。金には困っていないし、恩は売っておいて損のないものだと、友人からしつこく言われているからな。さあ、時間も惜しいし早速行こう」



 そう言って、ヘルメスは店の外から手招きした。

 外に出てみると、目の前に留まっていたのは馬車。ステータスを見てみると、[精霊馬mk3]と書かれていた。

 そういえば最初にこのレオーネまで来た時も精霊馬を使ったんだっけ。その時以上の速さとなると、本当にあっという間な感じがする。

 レオーネ以降の景色はみたことがないし、イクテュエスの様子も気になる。

 未知のエリアへの高揚感を胸に、私は馬車に乗り込んだのだった。



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