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第三話 初めての武器生産



 気が付くと、私は何処かの街の広場に立っていた。


 [旅立ちの都 エアリーズ]


 街の名前が表示され、ゆっくりと消えていく。

 周りを見てみると、最初の街だけあって初心者っぽいプレイヤーが大量にいた。

 発売からまだ二週間だし、まだ初心者も多いのかな。


[チュートリアルを開始しますか?]


 現れた表示に、迷わずスキップを選択する。

 その辺は既に電子説明書で確認してあるし、他のゲームとそれほど変わるわけじゃないだろうし。



「とりあえず……ステータスかな」



 メニューからステータスを選択し、ウィンドウを呼び出す。



――――――――


 PN:ユーカリ=スターク

レベル:1

 種族:鍛紋族(ウィスドール)

 職業:武器職人

所持金:1000リィン

 HP:100

 MP:75

STR:10

VIT:10

DEX:20

AGI:10

MND:10

LUC:10


――――――――



 まさに初期値。

 wikiによると、ステータスの初期値はHPが100でMPが50。そのほかは全て10という感じらしい。

 見てわかる通り、種族補正というやつでDEXとMPの二つの項目が加算されている。

 鍛紋族(ウィスドール)はそれ以外のステータスが上がりにくいという話だったけど、初期値が減少するというものではないみたいだ。

 レベルが上がったときのステータスの上昇幅が変わるとかそういう感じなのかもしれない。



 まあそれはともかく。

 こういう時にまずやるべきことと言えば、自分の職業のギルドに行くことだろう。

 視界の端に映るウィンドウにも、まずは職人ギルドに行こうという風に書かれている。

 マップを確認すると、ギルドは広場からはそう遠くなかった。



「さて……徒歩か」



 都市内ワープのような機能はあるらしいけど、一度は徒歩で行かないと開放されないらしい。



 そんなこんなで数分歩いてたどり着いた職人ギルドは、思っていたよりも大きな建物だった。

 プレイヤーの数はそこまで多くないけど、奥の方には炉がいくつも並んでいる。

 とりあえず、ギルドの職員みたいなNPCに話を聞いてみることにしよう。



「武器職人のギルドであってる?」


「おう、そうだぜ。登録希望か?」


「うん。あなたは何者?」


「俺はグルードってんだ。一応ここのギルドマスターだぜ」


「そうなんだ。なんかやればいいこととかある?」


「ああ、軽い試験みてえなものはあるぜ。気負う必要はねえが、まあやってみるといい」



 そう言って、グルードは袋を渡してきた。手に取ってみると予想以上に重い。

 アイテム情報を見てみると、中には鉄のインゴットや木材などが収められているようだった。



「これでショートソードを作ってみな。うちの設備は自由に使っていいぞ」



[ジョブクエスト:武器職人への一歩 が発生しました]


 なるほど。こういう感じで受注できるのか。

 ……で、なんだっけ。ショートソードを作ればいいんだったっけ。

 作り方がよくわからないけど、とりあえず炉のそばまで行ってみることにした。

 炉には炎が揺らめいていて、しかしなぜか近づいてみても熱気を感じることはない。

 不思議に思っていると、目の前にウィンドウが表示された。


[武器職人のチュートリアル(マニュアル生産)を開始しますか?]


 はいを選択。マニュアル生産ってなんだろう?


[まずはベースを作りましょう。ベースとして使用するアイテムを選択して、金床にセットしてください]


[ここで使用した素材によって、キャパシティが決定されます]



「うーん……とりあえずやってみるか」



 表示された通りに、ベースとなる素材を並べていくことにした。

 チュートリアルということで、使うべき材料は指定されている。鉄インゴットと、ヴィンガウッドと言う木材を並べればいいらしい。



「鉄が刃で、木材が柄……この段階で両方並べちゃっていいものなのかな」



 まあ、その辺りはゲームなのでだいぶ簡略化されているんだろうけど。

 とりあえずガイドに沿って素材を並べてみた。



[金床のダイヤルを操作して、魔力炉から魔力を引きましょう]



 魔力炉? 確かに熱くないとは思ったけど、普通の炉じゃなかったらしい。

 この世界では魔力を使って鍛冶をするみたいだ。面白い。


 で、金床のダイヤルは……これか。

 金床の側面にあった三桁のダイヤルを回し、指定された300という数字に合わせる。

 すると、同時に黒ずんでいた金床が銀色に変わっていき、それに伴って上に置いた素材も若干変質したように見えた。



[この状態になったら、鍛冶道具を使用して形を整えていきましょう。今回はハンマーを使います]



 なるほど。ここでようやくハンマーの出番というわけか。

 だんだんそれっぽくなってきた。


 袋に入っていたやっとこ(焼けた鉄とかをつかむためのやつ)で素材を押さえ、ハンマーでたたいて整形していく。

 打ち付けるたびに、高い音が響く。一定のリズムで、延々と。

 延々と……。


 延々…………。



「……あれ?」



 気づけば、数十分叩き続けていた。

 単純に楽しかったというのもあるけど、やっぱりハンマーだと細かい調整がしにくくて、ついついやりすぎてしまった感じだ。

 その辺の調整をするための鍛冶道具とかは今後出てきたりするのかな。


 長時間放置してしまっていた[次は効果を付与していきましょう]という表示に従って、次の工程へと移る。



[ベースに素材を組み合わせていくことで、武器に効果を付与していくことができます]


[ここでの「効果」とは攻撃力のようなものも含み、先ほどのキャパシティの範囲内で付与することができます]


[また、この段階で使用した素材によって出来上がる武器が変化します]


[今回はショートソードを作るため、鉄インゴットを使用しましょう]



「そういうシステムなんだ」



 説明によると、ここの工程でDEXが重要になるらしい。まあ、まだチュートリアルだしそこは気にしなくてもいいだろうけど。


 今のベースのキャパシティは20。

 鉄インゴットは使用キャパシティが5で、とりあえず今回は二つ使えばいいらしい。

 鉄のインゴットをベースに重ね合わせ、ハンマーでたたいていく。ハンマー万能だな。


 というわけで、金床のダイヤルを操作しつつ、うまい具合に鉄インゴットを一体化させ、それから袋に入っていた「スライスライムのコア」を鍔のあたりに埋め込むように組み合わせた。

 スライスライムのコアはキャパシティが10だったので、これですべてのキャパシティを埋めたことになる。



[最後に、装飾アイテムを使って微調整を行います]


[今回は、(つか)に皮を巻きつけましょう]



 皮も袋の中に入っていた。

 巻きつけるっていうのは、グリップ的なものにするのかな。

 見た目の良さも考えつつ巻き付けて、金床の魔力でいい感じにくっつける。

 もっと調整したいところはあるけど、今の素材ではほかにできることもなさそうだし、これで完成だ。早速能力を見てみよう。



[ショートソード]

作成者:ユーカリ=スターク

必要STR:9

特殊効果:攻撃力+10、斬撃強化+1



 ちゃんと作成者として私の名前が載ってるのはなんかうれしいな。

 作成者の名前の横には編集アイコンがあるので、製作者の名前情報は変えられるみたい。ブランド名を作ってみるのも面白いかも。


 そんなことを考えながらショートソードを炉の灯りに照らし、シルエットを確認。



「うん、いい感じ」



 まだ制限がある状態だけど、とりあえず満足のいく出来になったな。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] あぁ、武器作るのが好きなのであって鍛冶が好き、と言う訳じゃないんだな、と思いました リアルに寄せると肉体面で言えば炉の熱気から飛び散る火花による火傷、脱水症状やら気にしなきゃですし、鍛…
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