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第十話 打撃武器を作ろう

VR日間二位になってました! ありがとうございます!



 炎揺剣イグニスプラーガを作成したあと、ふと気になって工房のドアから外を見ると、進行方向の先に堅牢そうな防壁が見えてきた。



「あれがシュティーア?」


『せやね』

『石の都ってやつ』


「なるほど……あれ、いつの間にエリアボス倒したんだろう」


『武器作ってる間でしょ』

『外の様子わかりにくいから仕方ないね』

『まあここはそんなに強くないボスだし』


「そっか。最初のエリアだもんね」



 次の戦いは見てみたいな。シダの応援もしたいし。



 なんて考えている間に馬車はシュティーアへと到着し、私はとりあえず一旦降りることにした。



「お疲れさま。御者、楽しい?」


「はい!」



 現実でやるとなるとかなり難しそうなものを体験できるというのもVRの良いところだよね。



「というわけで二番目の街についたんですけど、先生はどこか見たいところとかあります?」


「うーん……特にないかな。そういえば武器売りたいんだけど、プレイヤー相手に売ったりとかできる?」


「はい、できますよ! プレイヤーショップはメインメニューから行けるんですけど、基本はそこで売るといいと思います」



 言われた通り、メインメニューからプレイヤーショップというところに入ってみる。

 プレイヤーショップにはプレイヤーがつけたらしい店名がリスト形式で並んでいた。そこから欲しいアイテムを購入する形式らしい。

 欲しい物を指定すれば条件にあうものを検索できたり、かなり便利そう。



「なるほど。ちょっと相場とかよくわからないし、シダに任せてもいい?」


「勿論です! 大商人ですからね、そこは任せてください!」


「頼もしいね」



 正直言ってもう既にお金のことを考えるのがめんどくさくなっている。相場がよく分からなくて適当な値段で売った結果市場がめちゃくちゃになったりしたら嫌だし。

 大商人がどういうジョブなのかは正直よくわかってないけど、お金に関しては少なくとも私よりは詳しいはず。小間使いにするみたいでちょっと申し訳ないけど、ここはシダに頼るのがいいと思った。


 ……なんか改めて考えると、パトロンと言うよりもメイドとか弟子の方が近いような気がするな。

 私のこと先生って呼んでくるし、雑用みたいなこと自分から色々やってくれるし。

 メイドに養われるって絵面は意味不明すぎるのでパトロンという都合の良い言葉はこれからも使っていくつもりではあるけれど。



「さてと……じゃあ今度は武器作ろうか」


『今度はっていうかずっと武器作ってません?』

『これから毎日武器を作ろうぜ』

『今度は何作るの?』


「せっかくだから、刃物以外が良いかな。今まで作ったのって剣とかダガーとかだし、そろそろ別のも作ってみたいなって」


『戦鎚とか?』


「戦鎚かぁ。それもいいんだけど、さっき作ったイグニスプラーガがだいぶ重い武器だったから、今度は軽めで行きたいな」



 軽めの打撃系武器って何かあったっけ。

 打撃を主体としている時点である程度の重量は必須な気もするし、そう考えるとあんまりないような気もする。

 遠心力とか使えば多少軽くてもどうにかなりそうだけどね。今一瞬ヨーヨーでぶん殴る図を思い浮かべたんだけど、多分今の技量じゃそういう特殊なのは作れなそうなので除外。

 となると…………



「メイスか」


『メイスじゃん』

『メイスや』

『メイスだね』



 メイスというのは、簡単に言えば棍棒のこと。

 単に木を削っただけのゴブリンが持っていそうなものではなく、柄の先に凹凸のあるパーツをつけて殺傷能力を高めたものだ。

 メイスと言えば大抵は金属製なような気もするけど、まあその辺りはファンタジーだし気にしないでおこう。



「ベースはまた蒼黒骨でいいかな。形的にはちょうどいい感じだし。整形はほどほどに……あと何か尖った素材が欲しいね」



『サメの歯とかあるんじゃね? 今いるエリアにサメ型のレアモンスターいたと思う』


「サメの歯……どれだろう」



 今馬車が走っているのは海沿いの街道。物凄いスピードで進んでいるので魔物の姿は残像レベルでしか見えないけれど、確かにこういうエリアならサメのモンスターもいそうではある。


 ただ、現時点で既に素材が多すぎて探すのも一苦労という状態なので、名前もわからない素材を探すというのは結構骨が折れる。

 名前がわからないとアイテム名で検索することもできないし。



「なんかいい感じの検索方法ないかな」


『入手エリアでフィルターかけられるはず』


「フィルター……これっぽいな」



 ソートメニューを呼び出して、『夜光海岸エーレイン』というエリアにチェックをつける。すると、大量にあった素材のうちいくつかが強調表示になった。



「なんか便利な機能多いね。痒い所に手が届くって感じ」


『今はVRMMO戦国時代だけど、やっぱ大手はこの辺強いよなあ』

『流石天下のSolarRay様やで』

『あっしらはSolarRay様の恩寵によって生きてるってこった』


「急に運営に媚び売り始めたな……」



 私よりも公式アカウントとかに言ったほうがいいと思うよ。

 まあそれはともかく、フィルター機能によってすぐに[ギレムロドンの鈍歯]という素材を発見できた。

 同じギレムロドンの素材に鋭歯というものもあったけど、多分こっちは斬撃系の素材だ。

 木刀にサメの歯をつけた武器としてテルビューチェというのがあるので、これはそういうのを作る時に使うことにしよう。


 基本的な素材はこんな感じかな。あとはその時々で必要なものを見繕っていけばいいや。

 一通りの素材を台に乗せて、私は武器を作り始めたのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小z((小娘、派手にやるじゃねぇか! これから毎日家を焼こうz…武器を作ろうぜ! [気になる点] フィルターって便利すぎん?レアドロとかも見つけれるってことでしょ? いや発見済みのアイテム…
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