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プロローグ
……暗い。
浮上した意識の中私はそう感じた。
暗い…暗い、暗い、暗い……。
寒い…
ここは…一体どこ?
私は…誰?
分からない。何も分からない。
思い出せない。
ふと何かが聞こえた気がする。
何を言っているのだろう。私は、耳をすませる。
私が集中し始めると、ノイズが混じって聞こえていた音が明確な声になって聞こえ始めた。
声は女の人の様だった。
聞こえた声は私に話しかけているようだった。
声を聞き続けていると段々と記憶が蘇ってくる。
そうだ。
私の名前は、
******だ。
名前を思い出した時だ。
どこからか光が射し込んでいるのに気がついた。どこから来た光なのかは分からないけど。
私はそこに進むことにした。それが本当に正しいのかなんて分からないけど。
何故かそこには守らなければならないものがある気がして。
きっとそこには私にない残りの記憶がある筈だから。