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幽霊の墓  作者: ムダンケッセキジョウシュウハン
2/2

初めての2日目

続きです

なんて清々しい朝なんだ、なんだかいつもより体が軽いような気がする。やっぱり、女子と会話する、しかも結構可愛い。とこんなにも気分が違うものなのかな?目覚ましもなる前に起きてたし、母さんもびっくりしていた。天地がひっくり返るんじゃない?とまで言われる始末だ。それは流石に母さんだとしても失礼だと思うが。

携帯を開くと、メールの受信が来て居た。彼女からだった。内容は少し早めに教室で話をしたいとの旨だった。まあ、今日くらい良いか。僕早めに家を出ることにした。

いつもより早い時間帯のいつもの道と言うのは、見慣れた風景なのにどこか新鮮さがあってさらに気分が高揚した。だが、その気分も長くは続かなかった。近くで交通事故が起きた。ものすごい音がして、たくさんの人が家から出て来た。申し訳ないが、僕には学校で待って居る人がいるから、もし今の事故で亡くなった人がいるなら、幽霊になったりしているのだろうか?出来れば、成仏して頂きたい。不謹慎ではあるが考えながら学校に向かった。学校に着いたら、もう朝の部活をしている人達がいた。一応クラスメイトらしき人も居たから挨拶をしたら無視された。まあ、昨日あんなに悪目立ちしたし、しょうがないのかなと思いつつ、昨日彼女を無視した時の彼女の気持ちを考え、少し罪悪感が生まれた。教室に入ると、彼女が窓から外を見て居た。それは名のある画家が描いた絵のようで、話しかけるのを躊躇ってしまうくらい、綺麗に見えた。

「おはよう。良い天気だね」

良い天気だね、なんて使う日が来るとは思わなかったけど、これ以外話題が見つからないのは僕の不徳の為せる技だな

しかし、彼女から返事は来なかった。その代わり、彼女はちらっとこっちを見てクスクスと笑っただけだった。昨日無視した腹いせなのか?趣味が悪いな。だとしても、あの後結構仲良くなったつもりだったんだが、僕の気のせいだったのか?それとも、僕をおちょくるために全部計画して居たってのか?どっちにせ気分は最悪になった。いつもの様に、机に突っ伏して時間が過ぎるのを待った。教室は生徒でいっぱいになり、僕は居ても居られなくなって教室を出て帰る事にした。途中で担任とすれ違ったが、何も行って来ることはなかった。家に帰ってふて寝でもしよう、早起きをしたせいですごく眠くて、体の調子も悪い気がする。





窓の外を見ながら、今日はどんな話をしようかなって考えてたら、不思議と笑みがこぼれた。やっぱり、自分が好きな事を話せるって良いなーなんて考えて居たら、滝沢君の声がした気がした。振り返ってみると、姿は無いし、まだ寝てるのかなって思ったらまた面白くなって笑顔になった。私、少ししか話してないけど、彼の事、好きになっちゃったのかな?

教室に友達達が集まって来た。昨日は帰った後どうだった、とか。幽霊の話をするから怖くて寝れなかったとか、たわいもない話。そんな話をして居たら、教室に担任が入って来て生徒に静かにする様言った。皆を席に着かせ、重苦しく話し始めた。そういえば今日、滝沢君を見てないなあ


「今日は、皆に残念な報せがある。クラスメイトの滝沢だが、今朝方連絡があり、交通事故に巻き込まれて亡くなった。即死だったそうだ」


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