表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘れられた神々の寵愛  作者: 小鳥遊つかさ
32/33

前日の一コマ

「アルフと」

「リーナと」

「えっと、ミイの?」

「「「お料理バンザイ!」」」


 パチパチパチ


「さて、さっそくだけど今日のお料理は…」

「アルフにぃ!リーナ、キョーカがいい!」

「リーナ、キョーカは今レイさんが作っているから待っててね」

「ほんと!リーナ待ってる!」

「それでアルフ先生。何を作るのですか?」

「ミイちゃん、今日は何と餃子を作ろうと思います!」

「わ〜い、ギョーザ」

「リーナちゃん、知っているの?」

「ううん、リーナ知らない」

「そ、そう…」


 知らずにはしゃいでるリーナにミイちゃんは若干呆れているみたいだわ。

 そんな2人を横目にわたしは料理の下準備をしていったわ。


 サンドラビットの肉とカナリマの肉を微塵切りにして3つの木のボールに分けて行く。どのお肉が合うか分からなかったのでそれぞれの肉のみのと二つの肉の合挽きを用意したわ。

 カナリマの肉を微塵切りにしている時にミイちゃんからそのまま焼かないなんて勿体無いって言われたので後日ステーキを作ってあげる約束をしたら凄い喜んでくれたわ。

 そのやり取りを見てリーナも欲しがっていたけど、リーナにはもしかしたらもう機会がないかもしれないからキョーカで納得して貰ったわ。

 2人を納得させた後はそれぞれのボールに微塵切りにしたセイサイと癒草を入れていく。その後は2人にこねて貰っている間に餃子の皮を作っていったわ。


 皮が完成した頃には2人もこね終わったみたいで一緒に餃子を包んでいったわ。

 説明している間、リーナはすぐにでも餃子を包みたがってたけどミイちゃんは上手く包めるか心配みたい。

 実際やってみるとリーナは包むのが下手で上手く包めるミイちゃんに何度も何度もコツを聞いているわ。

 そんなリーナの姿をわたしは微笑みながら眺めていた。


 エドワードさん達との会合が終わってもう一週間が経っているわ。

 会合の後、エドワードさんはすぐにエルフの村に旅立ったみたいで3日後には村に着いた報告をハウロから受けたわ。

 エドワードさんは村に着いたらすぐに村長に事のあらましを話してリーナの母親もあっさりと見つけちゃたみたい。

 リーナの母親はエドワードさんからの話を聞くとすぐさま旅の準備を整えエドワードさんとサナリの村に向かってきているわ。

 ただ女性の足のため帰るのには時間がかかるみたいでサナリの街に着くのは明日になるみたい。


 もしかしたら、リーナは明日母親と会ったらすぐにエルフの村に帰るかもしれないと考えると今日のこれがリーナと食べれる最後の食事かもしれないわ。

 本当はエルフの村までわたしがリーナを送ってあげたいけどエドワードさんとの会合を振り返ると無理だと思う。

 いつか行ってみたいと思うけど条件がわからないから仕方ないわ。

 会合後からたまにケイのソナーにアイシャさんやビットさんを捉えることがあるから様子を見られているとは思うのだけど、旗から見たらわたしがリーナを騙して家に閉じ込めているように見えないかが心配だわ。


 そんなことも露とも知らずリーナはミイちゃんと凄く仲良くなってレイさんの家から一歩も出なくなってしまったわ。

 まぁ、レイさんのシスコンが発動して病み上がりのミイちゃんを外に出そうとしなかったからリーナもミイちゃんと一緒に引きこもりしてただけなのだけどね。


 そんな2人の仲を更に深くするようにわたしとリーナはミイちゃんが血狂病が治った日からずっとレイさんの家に泊めて貰っているわ。

 わたしの希望もあり台所はわたしの聖域として使わせて貰っている。

 ミイちゃんには何個かわたしのレシピを教えるために台所に入れてるけど、レイさんは立ち入り禁止にしているわ。

 男子厨房に入るべらかずとも言うしね。


 後、ミイちゃんからわたしは「先生」と呼ばれるようになったわ。

 レイさんのためにミイちゃんに渡した回復薬の効果が見たこともないぐらい良くて、そんな調合がしたいためにその日の夜にわたしに弟子入りしてきたわ。

 最初わたしは回復薬と魔吸薬しか作ったことがなかったので断ったのだけど、台所の使用料としてと言われたら断ることが出来なかったわ。


「アルフにぃ、見てみて。キレイにできた〜」

「えぇ、リーナ。キレイに出来たね。

 結構、数も出来たし1度焼いてみようか?」

「うん!」


 少し考え事をしているうちにリーナとミイちゃんが充分な数の餃子を包んでくれたわ。

 この世界で醤油はまだ見つけてないので焼いた餃子はお酢のみを付けて食べることになったわ。

 リーナもミイちゃんもお酢をつけるよりもそのままの方が美味しいみたい。


 いつか醤油を作って2人には改めて餃子を食べさせてあげたいわ。

 醤油を作るのに何年かかるか分からないけどね。


 そんなことを考えながら、わたしは焼きたての餃子を息を吹き掛けて冷ましながら食べる2人を眺めていた。

 この光景も明日で終わるかもしれないわ。


 ちなみに餃子はリーナとミイちゃんが全部食べてしまってレイさんが夜中1人で男泣きしてたみたい。

セイサイ

白菜のような形の野菜の一種。

葉の色が水色なのが特徴。

年間通して採取することが出来るため、安く買い求めることが可能な庶民の味方。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ