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忘れられた神々の寵愛  作者: 小鳥遊つかさ
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魔力の流れ

「フィーリア。待たせたの。これで寵愛は完了じゃ」

 喜々として話すアティウスとは違って、わたしは諦めたように自分の左手首を見ながら…そこに描かれている文字を右手で撫でていた。

 文字は何て書いてあるか読めないけど、文字自体が金色に光っているしママにどうやって言い訳しようかしら。こんな刺青入れるなんて育て方間違えたわって泣かれたらどうしよう…待って、もしかしたらこの世界なら刺青いれることなど普通のことで、逆にもっと例えばわたしが文字読めないのを良いことにマーヤ・ディアスラブとか描かれたらどうしよう。どっちも嫌だけど特に後者は最悪すぎるわ。まずは刺青を消せないか。文字の習得が必要だわ。


「ねぇ、アティウス様。この刺青は消せないのかしら?」

「なんじゃ?お主が指輪などの装飾品に魔力を込めて渡そうとしたら反対したから苦肉の策なんじゃぞ。それに刺青じゃなくて寵愛の証じゃ!まったく文句ばかり言いおって…」

「仕方ないでしょ。装飾品など家に帰ったら確実に親に取られるわよ!それに刺青に関しては、普段見えないように出来ないかを聞きているの」

「そんなことか。それなら大丈夫じゃぞ。この空間じゃったら常に光っとるがここ以外じゃったらお主が寵愛の効果を使わん、もしくは意識せん限り証は他者から見えんようになっとる。それとも何処でも光るほうが良かったんじゃろうか?そっちも可能じゃが、お主の魔力を常に使わせてもらうぞ」

「いえ、このままで結構よ」

 本当にこの神は…わたしが装飾品を嫌がった意味を分かってるのかしら?

 まぁ、問題は解決したし文字の習得はまた今度かしら


「じゃ、寵愛も終わったしさっそく修行よ!ここならパパに見つかることなく思い切り魔法の練習も出来るわ!」

「やる気を出しとる所悪いんじゃが。そろそろ戻ったほうがええじょ」

「何故かしら?ようやく寵愛も頂けたしまずは練習でしょ?」

「その考え方は良いと思うんじゃが、もう何時間も経っとるし身体の負担が心配なんじゃよ」


 そういえば…もう何時間ぐらいここに居るのかしら?

(ちょっとボクも分からないけど、メグミ最低でも身を守る方法を覚えておかなきゃ。後出来るなら回復方法も)

 えっ?ケイ。何か問題でもあったかしら?

(…メグミ。ボク達はハウンドドッグに追われて崖から落ちたのだよ。最低でも魔獣を撃退する方法と森を抜ける方法を知らないと戻ったら遭難の道しかないと思うのだけど)

 あっ⁉︎そっか。魔法が使えるようになったのですっかり忘れて居たわ。

(それに早く帰らなきゃ。ディアスさんの捜索があるかもよ)

 まずい。森に入ったことはパパやママには内緒にするつもりなのに、ばれたら今度こそ外出禁止されそうだわ。


「アティウス様。すぐ帰るにしても戻ったら魔獣の森の中で遭難なのですが何とかなりませんか?」

「…はぁ?」

「きっと帰るってここに来る前に場所に戻るのですよね?」

「そうじゃ。当たり前じゃろ」

「やっぱり…わたし魔獣の森で遭難した所で祭壇を見つけてここに来たのでここまま帰ったらそのまま魔獣の餌かなって思うのよ。しかも足を捻って怪我してたしね」

「それを先に言わんか!まったく少し待っとれ、寵愛の内容に少しだけ変更じゃな」


 ため息をつきながらも色々してくれるアティウス。もしかして寵愛の内容ってもっと無茶がきいたのかしら?


「よしええぞ。まず寵愛の証に意識することで魔力の流れを感知出来るようにしておいたのじゃ。これで余程の魔素の濃い森でも方向で迷うことはないじゃろ。後はお主の魔力が篭った物を感知することも可能じゃ。怪我に関しては、意識すれば魔力を身体に循環させることが可能じゃからそれで自然治癒力が上がるはずじゃ。特に患部に集中して意識することでその分魔力は消費するじゃろうが大抵の傷は塞がるはずじゃ。ただし失った血液や取れた腕を生やしたりなどは出来んぞ」

「腕を生やすってわたしはトカゲとかじゃないわよ!後は魔獣対策ね。」

「そうなんじゃが、そこは問題ないと思うんじゃが」

「どういうことかしら?」

「わしの寵愛を得たことで魔力を身体に循環させることが容易に可能なんじゃ。筋力と共に魔力を常に込めておることで身体能力が向上しておるはずじゃ。また循環させることで自然に魔素に戻るはずの魔力も少なくなるんじゃから消費魔力も減るうえに、やろうと思えばお主の武器に魔力を付与して威力を上げることも可能じゃろ。ただしあくまでも循環の流れの寵愛じゃからお主が触れている必要があるがの」

「えっ!そんなこと出来るの?」

 もしかして、わたし凄い便利な神様の寵愛を受けたのかしら?

 どうして、こんなに便利なのに眠りに着いたのかしら?見た目と態度が残念神なので人々に受け入れられなかった?


「…お主、今凄い失礼なことを考えておらんか?」

「い、いえ。そんなことはありませんわ。アティウス様」

「まぁ、ええか。他にないなら1度戻すぞ」

「分かったわ。アティウス様。助けて頂いてありがとうございます」

「礼を言うのはわしのほうじゃ」

 アティウスの微笑みを眺めながらわたしの視界は光に埋め尽くされた。



「いた〜〜い!!」

 まず、わたしは足の痛みに悲鳴をあげてしまって、更に耳を塞いで後悔していた。自分の叫び声が洞窟の壁を反響して耳が痛いし、変わらず足は捻ってズキズキ痛いし…

 耳鳴りが治まったのを待って周りを見渡してみるとアティウスの姿はなくわたしの体を支えているボロボロの石の祭壇と洞窟の壁が見えるぐらい。

 わたしはもしかして夢を見ていたのかしら?

 ケイ、あなたもアティウスのこと覚えてる?

(メグミ。もちろんボクも覚えてるよ。2人とも同時に夢見た記憶もないけど、試しに魔法を使ってみたら?)

 そ、そうね。


 自分の魔力を光球にするイメージ。大きさは初めて成功した時と同じぐらいでソフトボールサイズで、洞窟を明るくしたいから、このもたれかかってた祭壇より2m上に浮遊するように。

 その瞬間にわたしはイメージ通りの光球が出現し、辺りを明るく照らしてくれる。明るさを得たことでわたしは少しだけ安堵感を得て、アティウスと会ったのが夢で無いことを実感していた。

 アティウスとの出会いが夢でないのならと思い、左手首の寵愛の証に意識し文字が浮かんだのを見ると不思議な感覚に身を包まれた。

 例えるなら風を感じる感覚が1番近いかも?でも、風とは違って風圧のように体を抑えられるような感じはなくて…

 更にそれに意識を向けようとすると、目の前が視界を遮るわけではないけど凄く薄い霧が漂っているように見える。慌てて目を閉じると、わたしの体に僅かながらわたし自身の魔力が循環しているのを感じた。

 そこで、初めてわたしはさっき風みたいな感覚がアティウスが言ってた魔力の流れを感じること、更に意識することで魔力が霧みたいに見えるようになったことに気づいた。

 そして、ふと少し遠くの方にわたしに馴染みのある物があるような気がした。正確な距離は分からないけど何と無く、虫の知らせを感じるような感じかしら?


 色々と試したいことはあるけど、まずは足の痛みを何とかしなきゃ。

 体に感じる魔力を足に集まるように意識すると、すっと足の痛みが引いてきた。足の痛みが引いたので、足に集中させてた魔力を体全体に循環するように意識することで崖を落ちた時に痛めた体の痛みも無くなってきた。


 これ凄い便利かも。これで家に帰れる時に魔獣に襲われても逃げれそうだわ。まずはさっき感じた方向に行ってみよう。


 先ほど出した光球のおかげで、洞窟も楽に出ることも出来、わたしは自分の感覚を信じて、森の中を歩いた。

 途中魔獣に会うこともなく、わたしが馴染みのある物だと感じた物は、森の出口からすぐ側に落ちてた、わたしがハウンドドッグに投げたナイフだった。


 無事回収出来て良かった。これで森に来たことをパパにばれずにすみそうだわ。うん。ナイフにも魔獣の血も付いてないし。きっとばれないわ。もう、お昼過ぎてるぐらいだし早く帰らなきゃ!



「フィア!その服の汚れどうしたの!」

「え、えっと。ママ。少し長い距離走って転んじゃった。」

「もう、怪我はない?早く着替えてらしゃい!」

「は〜い」

 森に行ったのはばれなかったけど、服の汚れはどうしようもなかったわ。こんなことならアティウスに服の汚れを取る寵愛も貰えば良かったかしら

読んで頂きありがとうございます


寵愛の内容はもしかしたら、今後の展開で変更かけるかもしれませんm(_ _)m

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