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だから僕は男なんですってば!!  作者: あわき尊継
第四章

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36

 暗闇に満たされていた空間へ幾条もの細い光が差し込んだ。

 光は最初空を照らし、やがて一点へ収束してく。足元から吹き上がる蒸気。広がる光。カラフルなレーザーライトが目の前で交差していった。

 頭上で膨大な光が弾けた。

 光の向こうには十数名の、今となっては顔見知りな方々。


 纏ったドレスは漆黒で、手にするのは黒を基調とした綺羅びやかなマジカルステッキ。要望通りに手の中でくるくると回して眼前に構える。降り注ぐ銀紙が周囲をキラキラと輝かせ、足元からの風を受けて再び舞い上がった。

 降ろした髪が広がっていく。

ステッキを軽く降って、正面でピタリと止める。

 少しだけ真面目な顔を見せて……えっと、笑顔!


「はい、オッケーでーす!」


 監督さんのオッケーを受けて室内に通常の灯りが点いた。

「あ、ありがとうございますっ」

 礼を言って頭を下げると、上機嫌な監督さんが寄って来て、隣のアシスタントさんが温かい紅茶をくれる。萎縮して受け取ると、その男の人は照れて笑う。


「いやぁ、本当にいいよツバサちゃん。こんなお役所のCMだけに収まってるのが勿体無いくらい! 他の子も含めてさぁ、いっそアイドルデビューしちゃおうよっ!」

「そ、それは流石に……」

「あぁ、ごめんねぇ~。分かってるんだけど、つい見てるとそう思っちゃうの。ごめんねぇ?」

「いえ、あの、問題なければ学校がありますので」

「そうだよねっ、学生はガッコ行かなくちゃ! オイッ、車の用意は出来てんなっ!?」


 ヘイ、お頭! と応じるスタッフ。

「お頭は止めろっつってんだろうが馬鹿ヤロォが! ヤモちゃんって呼んで!」

 ヘイ、ヤモちゃん! と応じるスタッフ。

「色気が足りねぇっ!」

 ヘイ、ヤモちゃぁあん! と応じるスタッフを背に僕はそそくさとスタジオを去った。いつも通りなのでもうあまり気にしない。


 楽屋に到着し、ドアと締め、


「~~~~~っ!」


 僕は両手で顔を抑えて座り込んだ。


 恥ずかしい! こればっかりは何度やっても慣れない!

 月交代でやってる街のイメージアップCMだけど、何故か僕だけは定期的に新しいのを撮らされる。スタッフさん、今となってはすっかり顔見知りだ。けど誰一人として僕の性別を知る人は居ない!

 バレたら終わる! そんな危機感そっちのけで知名度が鰻登り。コースケが言うには僕の人気が異常に加熱してるらしい。止めて止してそっとしといて!


 そもそも最初は真面目なものだったのに、一年掛けて徐々に僕だけアイドル路線へ……。いんですか、コレ一応国が出資してるんですよね……?


 そして、世界中に女装姿を配信してしまった僕に安らぎの日は果たしてやってくるんだろうか。


「やあやあ、おつかれさん」


 声に顔を上げると、楽屋の座敷に寝転がってポッキーを齧るアズサさんが居た。

 出演者に出されてるお茶をぐびぐびやって、満足そうに一息。


「あれ、学校は?」

「ウチは今日、この近辺でボランティアだからねぇ」

「あぁ。仮設住宅回ってちっちゃい子やおじいさんたちと遊ぶんでしたっけ」

 一年掛けて瓦礫は殆ど撤去できたけど、住む場所となるとそうはいかない。新しく作るにはとても時間が掛かるし、ただ住める場所を作るだけだと、ご老人たちにとっては住みづらく、居心地の悪い場所になってしまう。

 効率は大切だけど、そういった人たちを無理矢理押し込んで解決した気になるのは問題だって、この前市長さんが言ってたな。

「それでサボって来たと」

「違う違う、違うよー?」

 空になったお菓子の箱を逆さに振って、アズサさんは立ち上がる。


「皆がツバサを見たいって言うからさ、呼びにきたの」

「えぇっと……」

 いや、応えたい気持ちはあるんですよ? 皆が求めているのが女装した僕でなければですけど。


 そんな僕の様子にアズサさんも苦笑い。

 僕の事情を知る数少ない親友は、飲みかけのボトルを差し出して「まあ飲んで忘れろ」と言う。いえ、お酒じゃないんですから。まあいただきますけど。


「学校の方も大変だねぇ。表向きはお父さんの手伝いって話になってるんだっけ」

「えぇ……流石に御門の家の子が女装してCM出てるなんて言えませんし……」

 不思議なことに普段顔を合わせてるクラスメイトも、僕の正体に気付く様子はない。実は気付いていて言わないでいてくれてるんじゃないかと、今年も同じクラスになったコースケに聞いてみたら、

『俺が言うのもなんだけどさ、女装したお前、マジで別人だから。顔が同じなのは確かだけど、放ってるオーラみたいなのがまるで違う。よっぽど至近距離で凝視されて、写真かなにかで二つを見比べられないとまず分からん。分かっててもたまに……びっくりするんだからよ』

 なんて言われた。最後の言葉をちゃんと補正してくれた優しさに喜べばいいのか、そもそもそんなこと言われたことに落ち込めばいいんだか。


「そそ。そういえばさっきツリーに寄った時にさ――」


 何かを言いかけたアズサさんの腰元からアラームが鳴った。僕も首元を確認すると、未変身状態で革紐にぶらさがった金細工の首飾りが小さく光を放っている。

「あちゃあ、また来たの」


『はいはーい、お二人共、本業のお時間ですよー』


 聞こえてきたのはミュウの声。相変わらずの調子で話す彼女は緊張感もないが容赦もない。

 以前とは違って声はそれぞれの変身アイテムから発せられている。直接意識へ語り掛けるのは難しいからと、随分前に改造された。


『ツバサ、アズサ。今回発見された《影》は十六体。すべてツリー近くの公園です。現在避難中ですが、仮設住宅のある場所柄、老人たちはかなり出遅れています。被害が出る前に、かなり急いで下さい』


 言われるまでもなく二人で楽屋を飛び出していた。

 通路を走るのは危ないけど、遅れればもっと危ない。突き当たりで窓を開けて電話していた人へ、僕は大声で呼び掛ける。


「ごめんなさーい! そこ通りまーす!」


「え、なに? あれ、君たちもしかしてっ!?」

「急いでるんでお願いしますー!」


 ちょっとだけ強く言うと驚いたように窓際を開けてくれた。

「ありがとうございます!」

 窓枠へ飛びつき、変身。黒い光が散って、撮影用に用意されたドレスから、本来の魔法少女としてのドレスに変わる。地上十二階のビルから飛び出し、黒翼を広げた。後からなんの躊躇もなく飛び出してきたアズサさんをキャッチして、一気に飛ぶ。


『現在自衛隊が包囲し警告中』

「あれ、またそんな無駄なことやってるんだ」

『無駄とはなんですかアズサ。いいですか、交戦規定というのは戦闘の暴発を防ぐためにも、とても重要な行程なんです。まず最初は口頭による警告、次に銃口を向けて威嚇し再度の警告、その上で威嚇射撃を加え、相手が攻撃の意思を納めなかった場合は危害射撃に移ります。とても理性的で素敵なものだと思いますよ?』

「だってさー」


 二人の会話を聞きながら、僕は公園上空へ向けて急降下していく。

 普段は平日でもそれなりに人の居る公園だけど、今日だけは油汚れに洗剤を落としたみたいに中央が空いていた。そういえば最近、フライパンの焦げ付きが取れないんだよねー、などと思いつつ、


「上手く集めてくれてますね」

「お、すごーい。ところでミュウ、そのなんとかはもう終わったの?」


『今威嚇射撃を……しました。停戦の意志無し、交戦条件が満たされました』


「じゃあ、行っくよー!」

「ああまだ百メートルはあるのにっ!?」

 僕の手から飛び降りていったアズサさんは空中で赤い光を散らした。右腕には巨大なパイルバンカー。アンバランスな真紅のドレスを纏い、落下と同時に、


「うわぁ……」


 ド派手に公園の広場を打ち砕いた。

 衝撃で周囲を囲ってた自衛官さんたちが大変なことになってる。ほら、装甲車がひっくり返ってますよアズサさん。今や例のピッカリ修復光線ないんですから加減して下さい。


 それと同時に、周囲に集まっていた人だかりから一斉に歓声があがった。

 何人かが僕を指差し、大きく手を降ってくれる。


 あれから、僕たちの存在は大々的に公表された。

 全員が未成年な為、政府側から詳細な情報は伏せられたけど、イメージアップCMなんかには出演するから顔も売れ、今や謎のブームが発生している。

 曰く、地球を守る正義の魔法少女とか。

 曰く、宇宙人との交信を任された巫女だとか。

 いや、まあ半分くらいは正解ですけど、なんでグッズ展開までされてるんですか止めて下さいなんで僕のフィギュアに胸があるんですか。あれ、そういえばそれを教えてくれたコースケはなんでアレを持ってたんだろう?


 そんな訳で僕ら、今や世界中に知られる存在となりました。

 周囲からの扱いは個人差があるけど、淡雪さんなんかは自衛官さんたちと仲が良く、まるで自衛隊の広報官みたいになってる。本人も楽しそうだからまあ任せる。一方でアズサさんはその性格から、少年少女たちの憧れを受けるヒーローのようで、ド派手な戦いぶりは動画がネットに上げられて相当なファンが居るらしい。うん、確かに僕の親友はかっこいいぞ。


 そして僕は、


「あ、アレは!」「どうしたっ」「おお!?」「あの子は!」「ああ間違いないぜ!」


 同年代くらいの男の子たちが僕を指さす。

 大きく羽ばたいて滑空する姿に、次々声が上がった。そう、僕は、


「「「「「白ぱんつ姫!」」」」」


 帰っていいかな。


 今すぐ誰からも見えない狭くて暗い場所で膝を抱えたかったけど、《影》を放置してると本当に危険だからやるしかない。いや、もういっそ滅んでいいんじゃないかなってたまに思う。

 中央はアズサさんへ任せて、僕は周囲を探った。囲みの外に紛れ込んでいる《影》は居ない。なら、


「一番飛び出してるアイツからっ!」


 八つ当たり気味の急降下から、着地に合わせて剣を抜く。

 黄金の輝きを持つ長剣は光の尾を引いて《影》を両断した。砕け散る黒い光をおいて僕は立ち上がり、周囲を見渡した。

 残る《影》は六つ。


「それにしても、まだ正体わからないの?」

『せめて残骸が残ればいいんですが、現状では皆さんの使う星の心を劣化複製したもの、というくらいが精々です』


 《影》が出現を初めてから半年以上になるけど、時折どうやって掻い潜ってきたのか、街中で暴れ始めることが増えた。実際に被害も出てる。ツリーを最優先とする個体が多いせいか、ほとんどの場合は待ち受けることで叩き潰せる。けど、やっぱり時折こうして人や建物を襲う。


 一年前の戦いで流出した知識や技術がどこかで研究されていて、また新たな素材として僕たちを狩ろうとしている、というのが皆の意見だ。


 《影》という名前の通り、全身が黒尽くめ。

 中世にあるような甲冑を着ていて、人間と同じ形状をしている。動きはそれおなりに機敏で、生身での一対一じゃあまず勝てない。キチンと装備を整えた二個小隊でようやく一体を相手に出来るって言ってたかな。

 機敏で車くらいなら持ち上げられる腕力がある。もう十分化け物の領域だ。


 ただし、心がない。


 最初はなんとか抑えこもうとしてかなり苦戦したけど、ミュウの分析から、アレは僕たちで言うロボットであると知らされて方針が変わった。劣化コピーである為か、破壊しても環境破壊は起きず、ただ砕け散って消える。


 だから交戦規定なんて守る必要もないと思うんだけど、そこは新規で制定された、通称宇宙人法が問題らしい。テレビで評判の人がざっくり言うには、仮に意思疎通困難であったり人間的ではなかろうと、宇宙人っぽい相手には人権が適用されるとか。法律大雑把だなぁ。

 実際宇宙人の定義なんて難しいし、ミュウから聞く限りじゃかなり曖昧な表現をしているせいで、明らかに宇宙人の技術で作られたロボット相手にも人権が適用されちゃってるらしい。今色々と条文を加えて調整してるらしいけど、施行にはまだ時間が掛かる。


 という訳で、一応僕らも交戦規定は守らなくちゃいけない。

 前に一度うっかり切り捨てたら物凄く怒られた。アレが生物じゃないっていうのは広まってるからバッシングは受けなかったけど、それなりに反省した一件だった。

 今回は先に自衛官さんたちがやってくれたから問答無用で斬る。斬る。斬って捨てる。


 程なくして《影》を全滅させ、アズサさんとハイタッチ!

 周りで見ていた人たちからも歓声を受けて、少し照れる。


『異常を検知しました。警戒を』

「え?」


 完全に油断していた。

 不意に現れた黒い甲冑の巨体が僕を掴み、高々と掲げる。


「わ、ぁああ!?」


 他の《影》とは違う。大きさは軽く見積もっても十メートルはある。ちょっとした一戸建ての家みたいな《影》が、僕をがっちり掴んでいた。でも、こんなのさっきまで居なかった!

「このっ、離してっ。えっち!」

 指を斬り落として逃げようとしたけど、体勢が悪いからかまるで歯が立たない。

 一年前、こんなのよりもずっと大きくて硬い相手を断ち切った黄金の剣だけど、あの時ほどの威力は発揮するのが難しい。失った黒剣代わりに使ってるのに、特性的にちょっと使いにくい。


「助けてアズサさーんっ」

『それにしても見事までのヒロインぶりですね』

「今そんな話しないでよ! 未だにぱんつネタ引き摺られてて泣きそうなんだから!」

『ご安心を。ヒーローの登場です』


 登場? と首を傾げたのも束の間、突如として地面から木が生えて《影》の巨大を縛り上げる。


 これって……。


「私のだから」

 新たに地面を割って現れた木が《影》の腹を貫き、内側からいくつもの枝を広げた。


 わぁ……えぐい……。

 いや、というかっ!


「シズクちゃん!」

「うん」

「わ、っと!?」


 急に手放されて落下した僕を、シズクちゃんの宿り木が受け止める。そのままゆっくりと降ろされ――てる途中でなぜかお姫様だっこされた。

「落ちる」

「う、うん」

 言われて僕はシズクちゃんの首に両手を回す。


「……えーっと」

 僕としてはかなり不本意な体勢なんだけど、大好きな人からの指示には逆らえないというか、なんか物凄く嬉しそうだからまあいいやって思った。最近またちょっと痩せたし、変身してるから見た目以上に力はある。そう思うと安心して僕は抱きついた。


「久しぶり」

「うんっ、ほんと、久しぶりだよっ」


 実は彼女と会うのはほぼ一年ぶりだ。

 そもそも僕らが戦っていたのはラビアンローズ。その降伏を受けたはいいものの、あくまで現場単位のものでしかない。そんな訳で色々悩んだ人選の結果、シズクちゃんと水樹さんとミホさんが一時的にここを離れていた。


 告白をして、ようやくゆっくりとお付き合いが出来るって思ってたら、随分と長く離れることになっちゃったんだ。

 いつ戻れるかも分からないからって、お別れの時はかなり辛かった。


「戻ってきてるの知らなかった」

「そう」

 相変わらずな返答に笑みが溢れる。

 でもそろそろこの体勢は恥ずかしいんだ。

「えと、降ろしてもらってもいいかな?」

「駄目」

「えぇっ!?」

「キス」

「え……?」

「おかえりのキス」


 わ、わぁ…………なんだか一気に恥ずかしくなった。

 そりゃあ好きですよ! でも再開して嬉しくて、もっと触れ合っていたくて、こうされてるとなんだか安心できて! あれ、やらない理由は特に無い?


「ちょ……ちょっとだけね?」

「ん」


 お姫様抱っこされたまま、そっと口付けを交わし、流石に恥ずかしくていそいそとシズクちゃん腕から降りる。


「あちゃ~」


 というアズサさんの声が聞こえ、


 一斉に人だかりが押し寄せてきた。

「○○テレビです! 二人のご関係は!?」「白ぱんつちゃんそっちの人だったの!?」「いやむしろ最高です!」「あの、どうかお互いについて一言だけでもっ!」「すいません下がって下さい! 落ち着いてっ!」「白ぱんつ姫との馴れ初めは一体どういうものだったんでしょうか!?」「いやそれよりも相手の方は一体どういった方なんでしょうか!?」「下がれっつってんだろうが! てめえら白ぱんちゃんは俺らのアイドルじゃボケェェエエエ!」


 ひ、人前なの忘れてた!?


 これは拙い。完全に同性愛者と思われてる。メディアの方々の食いつきぶりが異常だし一部関係なさそうな人の目が怖い! どうしよう、ってアズサさんに視線を送ったら、僕の親友はちゃっかり輪から逃れて寄ってきた子どもたちと遊んでる。お願いですから助けてください!


 と、少々混乱していたら、地面から新たに生えてきた宿り木が僕たちを持ち上げた。小さなステージ、というよりなんだか玉座みたいな状態で、僕とシズクちゃんは並んで座らされた。

 揉まれるばかりだった僕とは違い、彼女は優雅に腰掛けたまま皆を睥睨した。なんだか異様に風格があるんですが。おかげで答える暇もなかった質問攻めが一気に収まった。


 えっと?


「恋人」


 わぁ。


「恋人です」


 わぁ……。


「っ、それは失礼ですが、同性愛であることを認めた上で、でしょうか」

 質問に対しシズクちゃんは微かに笑うだけ。でも、見ている人からすると肯定にしか思えなかったんだろう。後ろの方で電話してる人が、夕刊の一面抑えるとか、ワイドショーで枠を取るとか言ってるけど止めて下さい僕たち未成年です。

 お父様に頼んでもみ消して貰えないかな、とか考えたけど、例のサイトにアップされたら世界中に配信されちゃうから無駄だったのを思い出す。


 後で確認してみたら、ほとんどタイムラグがない時間にキスシーンの画像がアップされていた。僕は一時間くらい落ち込んだ後、割りと悩んでそれをダウンロードし、こっそり自分のケータイに保存した。

 元々シズクちゃんの情報は一切ネットに上がっていなかったから、突如現れた僕の恋人の正体について、とんでもない量の書き込みがあった。これにもこっそり、とっても可愛らしい子でしたよ、と書き込みしておいた。


 また後日、街の市役所に僕宛で大量の品と手紙が届けられた。

 なんでも、僕らのおかげで一歩を踏み出す勇気が出たとか、世間の目は冷たいだろうけど応援しますとか、同性愛者の集まりに対する勧誘とか、いろいろと凄い内容のものが届けられた。ちなみにコレを渡してくれた顔見知りの女の人が、僕をちらちら見ては顔を赤らめていた。違います。恋人ですけどちゃんと異性愛です。


 これ、本気で同性愛に悩んでる人からすると物凄い詐欺だよね……。

 罪悪感で押し潰されそうだ。


 ともあれ、これで僕たちは動き出せるだけの人員を確保できた。

 それぞれの再会と情報の交換をする為、僕らはツリー、街の中心にそびえ立つ大樹に集まることとなった。





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