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だから僕は男なんですってば!!  作者: あわき尊継
第一章

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03

 爆笑するアズサさんと、肩を震わせているシズクちゃん。

 ドリルさんの表情は顔を伏せていたから見えなかったけど、あれほど激しく回転していたドリルが今は静止している。

 半壊したサロンで対峙する僕らに、さっきまでの緊張感はない。どうしよう。


『ミホからの伝言です。ツバサさん、よく言った、と』


 カコン――と鉄杭がまた一本収まる音を聞いて、アズサさんは耐え切れず膝を追った。だめだ、完全にツボに入ってる。今なら風が吹いても笑いそうだ。


 というか、中継されてるんですね。


『一応情報の共有は可能ですが、あちらの戦いは見ないほうがいいですよ。かなり酷いですから』


 ミホさん……怒ってたからなぁ。

 禄に二人の力量も知らないけど、ミュウの言葉からだいたい察せられた。


「あ、運転手さんは無事なんですか?」

『はい。負傷はありますが、命に別状はないようです。確認が取れてからのミホは、より趣向を凝らした叩き潰し方を愉しんでいますね』

「……そうなんですか。まあ、無事で良かったですよ」


 いち早く復活したらしいシズクちゃんも、まだ手が震えていたのか、お行儀悪くカタカタと音を立てながらカップを置いた。


「おもしろいひと」


 あんまり表情の無い子なのかと思ったけど、彼女のほころぶような笑顔はとても魅力的だった。

 思わず昔の記憶を思い出して、心の奥底がこそばゆくなる。


「もう、息……出来な、いっ……ドリ…………ドリル、ぅ……ッ、ハハハ、お腹痛くなってきた」


 アズサさん……僕が原因とはいえ、もう完全にダメだ。目の前に敵が居るのに腹を抱えて転がり出した。

 僕は恐る恐るドリルさんを見る。


「あの……ごめんなさい、悪気は無かったんですが……」

「フ、フフフフフフフフフ…………」


 怖っ!? だめだ本気で怒らせちゃったかもしれない。自分でもこんな状況で言うことじゃないのは分かってたんだけど、どうしても我慢できなかったんだ。

 仕方ないよね、ドリルの人がドリル持ってるなんて見たら誰だって突っ込みたくなるよね?


 あ、いやごめんなさい。


 改めて謝罪の気持ちを込めてドリルさん(名前聞いたけど忘れました)を見た。

 アズサさんの笑い声をBGMに、彼女は勢い良く顔を上げると、最初のように頬へ手の甲を当て、


「オ……オーッホッホッホ…………。これは……その、ドリルなんかじゃありませんわよ!? これはただのランス! 突撃槍ですのよ!」


 あぁ、だから回転止めたんですね。

 というか顔真っ赤ですよ。


「っはは、無理しなくていいってスズカさん。ほらいつもみたいにグルングルン回しちゃいなよっ。頭のソレ間違えて回さないようにね…………ぷぷぷ」

「ななななーんのことかしら!? アナタこそ……その……」

「ぷぷぷぷぷ」

「~~~~~! ば、馬鹿ァ!」


 テンパりすぎて頭が回らなくなっているらしいドリルさんの罵倒に、アズサさんは更なる笑いの坩堝に落ちていった。いってらっしゃい。


「あの、気にせず回して下さい」

「それ逆効果」

「そうなんですか?」

「うん」


 シズクちゃんに言われて考える。

 なんとなく浮かぶのは、もう手遅れという言葉一つ。


「えっと……どうしましょう?」

「ドリルさん次第」


 僕たち二人の視線を受けて目を逸らすドリルの人。私じゃありませんわ、という意志がよく分かった。


『それではお開きと致しましょう』


 ミュウの提案をあっさり受け入れて、ドリルの人は去っていった。

 今は一秒でも長くここには居たくなかったんだろう。


   ※  ※  ※


ミホさんが、病院へ搬入された運転手さんの元へ顔を出しに行っている間、僕は屋敷の中をぶらぶらと歩きまわった。

 アズサさんの一撃で半壊した屋敷は、例の光で元通りになっている。人通りが無かったとはいえ、道の往来であれだけ派手に戦ったんだ、目撃者はそれなりに居ただろうに、未だに警察が来る様子はない。


 正門から外を伺っていると、サロンとは反対の方から物音が聞こえてきた。退屈でもあったし、僕はそれを辿って奥へ向かうことにした。

 屋敷の中はどちらかと言えば小ざっぱりしている。華美な装飾もないし、調度品も少ない。その上で貧乏臭く感じないのは、建材一つ一つに質の高いものを使っているからだ。飾り立てることで豪華さを表現する西洋風の建築物に、質実剛健を行く日本的な考えがこの屋敷にはある。侘び寂びって、僕は結構好きだ。


 物音のする部屋に扉はない。

 覗いてみてすぐ分かった。ここは食堂になってるんだ。何人もの人間が席を並べられる広さがある一室。そこが学校で見るような厨房とカウンター越しに繋がっている。

 厨房に、アズサさんの姿があった。


「つまみ食いですか?」


 ビクンと跳ねる。

 制服姿に戻った彼女は、いたずらの見つかった子どもみたいに苦笑しながら振り向いた。


「なんだツバサかぁ。ミホが戻ってきたのかとびっくりしたじゃない」

「ミホさんはさっき病院に着いたと連絡が」

「それをツバサにする辺り、私達の評価を察してよ」


 初犯では無さそうなガキ大将は、手にした戦利品をこちらへ見せ、取引きを持ちかける。マカロンですか、いいでしょう。


「共犯者として、お茶くらいは淹れますね」

「いやったっ。私が淹れるとミホもシズクも怒るんだよねぇ」

「紅茶は基礎知識と経験です。慣れればすぐ一定レベルのおいしさは出せますよ?」


 そうなんだーと飲み食い専門らしいアズサさんのどうでもよさそうな反応。

 そういう反応をされると是非とも唸らせてみたくなる。気合いを入れて用意した紅茶をアズサさんに振る舞うと、彼女は目を丸くして驚いた。


「おー、私でも分かるくらいすっごくおいしい!」

「身近にうるさい人が居ますから、昔猛特訓したんです」


 胸を張る僕を置き去りに、アズサさんはそうなんだーと砂糖とミルクをたっぷり入れていた。まあ好みはそれぞれですけど。一口目はちゃんと味わってもらえたし、文句は言わない。

 おいしい紅茶とマカロンを愉しみながら、二人でのんびり時間を過ごす。

 時計の針の音を、アズサさんが覆った。


「ツバサはさ、初めてドレスを着た時、どう思った?」

「……恥ずかしかった、ですね」

「はは、そりゃそうか」


 男の身の上でドレス姿なんて、正直いたたまれない。今も着たまま動き回っているけど、これが町中だったら絶対に嫌だ。

 ただ、アズサさんが聞きたかったことではないだろうから、僕は言葉を継ぐ。


「ちょっと、怖くなりました。自分の意識が別のモノに上塗りされているようで……そのおかげで戦えましたし、アズサさんの援護も出来ましたけど、あまりにも自分の中にある選択肢が拡大され過ぎて、怖かった」

「そうなんだ……」


 アズサさんの椅子の背凭れが軋みの音を立てる。


「私はさ、世界が拓けたみたいに思ったんだ。私、自分には何も出来ないんだって思ってた。まだまだ子どもだし、親には迷惑掛けてばっかりだし、頭悪いしね。私のお父さん、カメラマンなんだけどさ……普通のカメラマンじゃなくて、紛争地帯とかに行ってるの。そんで、小さな賞とかいくつも取ったことあるんだ。私も、その写真を見た」


 頭に浮かぶのは、テレビで見るニュースの映像。

 壊れた建物と、裸みたいな格好で立ち尽くす同い年くらいの子どもたち。


「初めて見たときはもっと小さな時だったんだけど、すっごい衝撃でさ。テレビとかに乗るようなものじゃない、生々しい写真が山ほどあったよ。なんでこの人達はこんなに辛いのに、周りは戦争を止めないんだろうとか、なんで私の周りはこんなにも平和なんだろうとか、馬鹿なりに考えた。それで……私には、どうすることもできないんだなって、そう考えちゃった」


 父の冷たい視線を思い出した。

 酒浸りの母がこんなことを言っていた。


『大人になるっていうのはさぁ、諦めを覚えることなのぉ。矛盾とか間違いとか、そういうのを正せないんだって思い知っていくのが大人になるってことなのよぉ。なのに皆して子どもには正しいことばっかり教えるんだから笑っちゃう。ねえ、アンタには最初から教えといてあげる。諦めな。どうにもならないことが世の中にはあるんだからさぁ』


 少し冷えた紅茶の残りを喉に押し込む。

 幸いアズサさんには気付かれなかったようだ。諦めを語った彼女は天井をぼんやりを見上げていて、なのに、口元は笑っていた。


「学校でさ、クラスに一人か二人くらい、変わった感じの子とか居ない? なんてんだっけアレ……中二病? 最近流行りの」

「流行ってるかどうかは知りませんけど、居ますね」

「皆ああいうのを馬鹿にしてるっていうか、笑って見てたりするけどさ、私はなんとなく共感出来るんだ。あの人達って要するに、どうにもならないものへ必死になって抗ってるんだと思うんだよね。私達くらいの年になると、なんていうか、世界が一気に広がるじゃない? 小さな小学校しか知らなかった子どもが、色んな所からやってくる人と関わって、部活なんて始めれば全国大会とかテレビだとか、そういうのもあるでしょ。そうやって広がった世界で、どこへでも行けちゃう人がいれば、行けない人も出てくる。壁を思い知る」


 アズサさんは右手を天井へ向けて、強く握った。


「壁は知った。世界も知った。でも、納得出来ないことは山ほどある。身体だってまだ成長過程だよ。自分一人の力じゃ生きていくことも出来ない。でも、一足飛びに完成なんて出来なくて、未完成な自分も禄に見えてない。なのに重たい時間がその先に横たわってて、そんな時に出会ったのが、冗談みたいなスーパーヒーローなんだよ。足りない自分を認められずに、自分の中で一番のヒーローを呼ぶんだ。一人じゃ足りないから、憧れのヒーローに力を借りて、そうやって藻掻くんだ。負けてたまるかって」


 あぁ、だから彼女は――


「私は偶然、それを手に入れた。世界と向き合っても嘘偽り無く胸を張れる力だよ、これは。ううん。単なる借り物だし、本当になんでも出来るって訳じゃない。私自身の力はそのままだし、ドレスを手放せばただの小娘だよね。私の能力そのものは何も変わってない。だけど、出来るんだって、思わせてくれた。百万のキセキが集まったって叶わないと思った何もかもは、手の届くものなんだって」


 話を聞いて、僕は眩しいモノを見るように彼女を見た。

 僕が怖れて縮こまったあの時、彼女は憧れを、希望を胸に抱いたんだ。心の底から羨ましいと思う。


「『人生には解決なんてない。ただ、進んでいくエネルギーがあるばかりだ。そういうエネルギーを作り出さねばならない。解決はその後である』」

「おおっ、いい言葉だね」

「フランスの作家の言葉です。彼は有名な作家であると同時に、飛行士でもありました」


 飛行士、という言葉にピンと来たのだろう。

 アズサさんが深く笑む。


「空、か。この人も感じたのかな、世界の広がりを」

「僕には分かりません。けど、この言葉には力を感じます。先へ先へ、引っ張っていくような力を」

「ありがとう。うん、いい言葉だよ。私も今、そんな感じなのかな」

「僕の方こそありがとうございます。それがアズサさんの戦う理由なんですね」


 これから先を進んでいく為のエネルギーを、今彼女は貯めている。

 実感を伴って蓄積されたそれはきっと、戦いが終わった後、彼女の原動力となるだろう。本当に、どうしようもないくらい眩しい人だ。にっこり笑ったアズサさんと、それから色んな事を話した。ほとんどは意味のない雑談だったけど、小さな力をもらえた気がした。



 結局ミホさんが合流したのは、陽がすっかり落ちた頃合いだった。

 晩御飯に誘ってくれたのをやんわりと断り、僕は入れ替わりで屋敷を出る。入り口で振り向いた時にアズサさんと目が合って、お互いに笑顔を向ける。


「ミホさん。車での会話、覚えていますか?」

「ええ」


 返答は短く、促すようなものだった。

 言いたいことが読まれているようなむず痒さ。やっぱりこの人は頭が良い。


「実は僕、戦う理由がない訳じゃないんです」

「そうなんですか?」

「はい。けど、その為に命を懸けるつもりにはなれなかったんです。今も、それは変わりません。けど――」


 ごめんなさい。


「もし、手伝う、という形でも良ければ、力にならせて下さい」


 頭を下げて、僕は頼み込んだ。

 一度断っておきながら、自分勝手に意見を翻すなんて失礼だ。しかも望んでいるのは完全な仲間とも言えない中途半端なもので、真剣に戦いに向き合っている彼女たちに対する侮辱とも言える。

 ドレスを取り上げられてしまっても文句はない。


「貴女の考えは分かりました」


 落ち着いたミホさんの声。

 一拍置かれたことで、僕の不安が膨らんでいく。やっぱり、一度断ったことで失った信用は大きかったのかもしれない。


「では、改めてこちらからの要望を伝えましょう。ツバサさん、貴女さえよろしければ、この先私達からの要請があった時、可能な範囲での共闘をお願いできますか?」

「……ミホさん」

「危険を孕むお願いです。なにかあった時には最大限の保証をします。望みがあれば先んじて報酬も出しましょう。私に出来る全ての力を以って、貴女を守ります。どうでしょうか」

「はいっ、よろしくお願いします!」


 もう一度深く頭を下げ、僕は礼を言った。


「それともう一つ」

「はい、なんでしょう?」


 ミホさんは先程までの落ち着きとは打って変わって、やや恥ずかしそうに言う。


「私達と、お友達になって下さい」


 返事は勿論YESだ。

 心底嬉しそうな彼女を見て、僕も心から微笑んだ。


   ※  ※  ※


 そのまま雑談が始まりそうな空気でもあったけど、僕は手早く話を切り上げて帰途に着いた。家に門限はないけど、すっかり遅くなってしまった。うっかりタイムセールも逃してしまったし、今行っても半額の食材は目聡い主婦たちに持ち去られてるだろう。次からは気をつけよう。

 それでも一縷の望みを託して僕はスーパーの方向を目指す。幸いにも暗くなった夜道に人影はなく、ドレス姿を見られることはなかった。

 途中、手頃な公園を見付けて僕は駆け込んだ。幾ら暗くなって人通りが少ないとはいえ、この先は繁華街だ。誰かに見られないとも限らない。


 そういえばコースケの言ってたバッティングセンターってこの辺りなんだよね。

 なんてことを考えながらトイレへ向かう僕。出てくるコースケ。回収早いよ!?


「……君は」


 咄嗟に身を翻そうとした僕の手をコースケが掴む。必死だったのだろう握りに、少しだけ痛みが走った。


「痛っ」

「あ、ごめん! その……俺は変なやつとかじゃなくて! いやこんなことしてる時点で何も言えないんだけど、でも違うんだよ! 君、前に水族館で会わなかったかな!? ほら、湖に隣接してる大きなヤツ! そこで一度会ったんだけど」


 僕は声を出せなかった。

 最初は興奮状態で、今は暗闇だ。街灯の光は遠くて、顔までははっきりと見えない。けど声を出せばきっと気付かれる。僕がこんな格好で繁華街を彷徨く変態だと彼に思われるのは、身を裂かれるような苦しみだろう。しかも彼の誘いを断ってまで!


「ごめん、いきなりでこんなこと言うのっておかしいと思うんだけど、俺っ、一目惚れしたんだ! あれから君と会えたらなって、ほんの少しでも話せたらなって何度も考えて!」


「離してください」


 極力声音が出ないよう、掠れた声で伝えた。

 けれど、コースケは手を離さず、握る手を緩めた。僕が本気で振り払えば簡単に逃げられる程度の力だ。


「一回だけでいい。俺にチャンスをくれ。今週の日曜日、あっちの、繁華街の入り口で君と会いたい。ダメだったらいつでも帰ってくれていい。けど、何の機会もなく諦めるなんて出来ないんだ。頼む」


 その時だ、僕がある人影を見つけたのは。

 薄暗い公園を少し離れた位置から見つめる男。青い制服を纏い、腰には拳銃と手錠、胸元のトランシーバーは今、男の手元にあった。

 コースケは気付いていない。反応しない僕へ更に懇願を重ねているようだったけど、もう僕の耳には半分も入ってきていなかった。


 青い服のダンディなオジサマと目があった。

 町の治安を守るお巡りさんは、正義に満ちた瞳で僕を見る。


『大丈夫だ。私がきっと君を助けてあげる』『いえ、必要ありません帰ってください』『何を言うんだ。いや、私の心配をしてくれたのかな? 確かにもう年だが、今さっき応援も呼んだ。心配はいらないよ』『すぐ追い返してください本当に大したことじゃありませんので』『私達はね、君のようなか弱い人を護るために居るんだ。君が逃げようとするのを彼が強引に引き止めているのを私は見たよ』『彼が逮捕されるのは本意じゃありません』『なんと優しい子だ。是が非でも君を見捨てる訳にはいかなくなった。ここで逃げては、私は死んだ妻に顔向けできない』


 違うんですごめんなさい今アナタが助けようとしているヤツこそ変態女装男なんです!

 説得は失敗した。応援も待たずにこちらへ歩き始めたお巡りさん。このままでは僕のせいで親友の経歴に傷が付く。というかこういうのの後って被害者も保護者を呼ばれたりするから、僕の人生も終わる!

 最後の手段を使うことにした。


 がばっと僕はコースケの腕に抱きつく。より親密度が出るように肩へ頭を乗せる。


「今日のデート、楽しかったねっ」


 お巡りさんにも聞こえるよう、大きな声で僕は言った。

 極力音程を高めに使い、普段とは雰囲気の違う声だ。これならコースケでもそうそう分からないだろう。だが、いきなりの急変に彼は混乱と羞恥で目を回していた。

 次は彼にしか聞こえないよう小声で言う。


「公園の入り口の脇に、お巡りさんが居ます。さっきから見られていたみたいで、このままだと補導されてしまうかも」

「あっ……」


 咄嗟にコースケは僕の意図を察してくれたみたいだった。

 今までの行動を反省するように目を閉じ、緊張の抜けた表情になる。


「今日は悪かったな、強引に誘っちまって」

「ううん。別に嫌じゃなかったから」

「そ、っか」

「次は日曜日に繁華街の入り口で、だね。じゃあ僕はここで」


 この時咄嗟に言った内容を、僕は後になって死ぬほど後悔することになる。

 だって次の日学校でコースケが、


「いやぁ~、次の日曜日デートすることになっちゃったよっ」


 なんてデレッデレの表情で言っていたから。



 あれええええええええええええええええええええ!?






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