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キャラクター変わってませんか?

内容的には「キャラクター分岐しました」の続きになっています。

 カラオケを始めると、真城遼一の興味は亜美に移ったようで、私に話しかけることはなかった。

 亜美は私に話しかけるけど、真城遼一はうまいこと、亜美に話題を戻す。

 最初はちょっと失敗して、注目集めちゃったけど。

 元々、カラオケ好きな私が、たとえすぐ帰るとしても、カラオケを楽しもうと、熱唱してしまったため、

「葵ちゃん、歌上手ー!」

「へえー。葵ちゃん、歌上手いんだね!」

 だなんて、注目を集めちゃったけど、

 それからはもう二人の世界で、楽しんでいた。

 よしよし、どうやら二人の仲はゲーム通りに、順調に進んでいるみたいだから。

 そろそろ邪魔者は消えましょうか。

 カラオケも充分楽しんだことだし。


 私がお手洗い兼帰るための嘘を用意してから帰ってくると、亜美が代わりに出ていった。

 仕方ない。

 家から電話があって、用事ができたから帰るという嘘は、亜美が帰ってからにしますか。

 それ言って帰ったら、私の仕事はほぼ終了!

 後は、二人で仲良くして。

 応援してるから。

 もう私を巻き込まないでね。

 相談ならいくらでものるから。

 なんて思いながら、亜美を待ってると、意外なことに真城遼一に話しかけられた。

「葵ちゃんって歌上手いんだね。俺びっくりしちゃった」

「……うん、ありがとう」

 一応話しかけられたので、無難な返事はするけど、会話を続けるつもりはない。

「俺、色々な人とカラオケ行ったけど、葵ちゃんほど上手い人は初めて会ったよ」

 そっけない私の返事を気にすることなく、真城遼一は話続けた。しかも、ジッと見つめてくる。

「私より歌上手い人はたくさんいるよ」

「え~、そうかなぁ」

 まだ見つめてくる真城遼一のことが居心地悪くて、亜美が早く帰ってこないか待ちわびるけど、まだ帰ってきそうにない。

 とにかく真城遼一から顔を逸らして、扉を見つめる。

「俺のこと嫌い?」

「は?」

 唐突な質問に思わず顔をしかめて、視線を真城遼一に戻す。

「だって、話しかけてもそっけないし、俺の顔から視線逸らすし?」

 さっきまでの人懐っこい笑顔は消え、どこか人をからかっているような表情になる。

「しかも、俺のこと避けてるみたいだったし」

「そ、そんなことないって」

 いきなり何なのー!

 私は予想外の質問に混乱した頭を必死に働かせた。


 あれですか?

 亜美がいなくなったから、私を口説く気ですか?

 それとも、邪魔者はそろそろ消えろってことですか?

 言われなくても、亜美が帰ってきたら、帰りますよ!

 それから、存分に亜美を口説いてください!


「亜美のことが好きなんでしょ。私のことはどうでもよくない?」

 なんだかイライラしてきたので、思いっきり皮肉を言い放ってやった。

 すると、真城遼一は目を細めて、不機嫌そうになった。

「まあ、一応そうなってるけどな」

 え?

 何ですか?

 キャラ豹変してません?口調とか、色々。

 なんか怖いし。

 真城遼一は今度はニヤニヤ笑いだした。

 やっぱり怖いわ、コイツ。

「いい加減面倒になってきたし。あんたが来たし、俺の願いが叶える時が来たってとこだな」

「は? 何が?」

 まるで独り言のように言う真城遼一の言葉が、さっぱり理解できない。

 意味不明すぎる。

「俺のこと気になる? あんたなら教えてやってもいいけど?」

「いえ、結構です。そういう言葉は好きな人にかけてあげてください」

 私じゃなくて、亜美に教えてください。

 というか、恋愛ゲームなんだから、主人公差し置いて、私を口説いてどうする。

 いや、真城遼一は女好きなキャラではあるけど。

「まあ、俺は引く気ないから、覚悟してて。色々、我慢の限界だし」

「は? それって――」

 私が聞き直す前に、扉が開く音がした。

「はー、もう大変だったよ。ドリンクバーがいきなり変なことになってさ。おかげで、時間かかっちゃった。直ったから良かったけど」

 文句を言いながら、亜美が帰ってきた。

 確かに、亜美が早く帰ってくることを願ってたけど、タイミング悪すぎだよ。

「へえー、それは大変だったね、亜美ちゃん。お疲れ」

 真城遼一は何事もなかったように、またいつもの表情に戻っちゃうし、私のことを見向きもしない。

「ありがとう、真城君。あれ? 二人とも歌ってないの?」

「ちょうど歌い終わったところなんだよ」

 嘘つき。

 歌ってなんかいなかったくせに。

「へえー、そうなんだ。ある意味タイミング良かったのかな」

「そうだねー!ナイスタイミング!!」

 まるでさっきまでの話はなかったように答える真城遼一の真意は分からないが、どうやらさっきの会話は亜美には知られたくないらしい。

 まあ、亜美とは違う人を口説いていたなんて、知られたくないだろうけど、さっきのはなんか違うような?


 色々考えている内に、帰るタイミングを失ってしまい、結局、私は最後まで彼らとカラオケをしたのだった。

様々な私用な事情で、話が「キャラクター分岐しました」と「キャラクター変わってませんか?」の2つに分裂しました。しかし、話は続いてます。

前回のように、①と②に分けても良かったんですが、最初は分けるつもりもなかったので、①とか付けてなかったんです。

こうなったら、タイトルも別にしようと思っただけで、内容は一つのものです。


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