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働くっていうのは大変



 リアは早速その問題を解決するために村の村長さんに話を持ち寄った。何時間くらい討論したのかわからない。


 2時間ほどだろうか。


 村長さんはその問題の重大さを知り、女子寮と男子寮を作ろうと計画を立てた。リアも村長さんの話に賛成をした。そして第2の法律を作成した。


【自分の事は自分で行うこと】


 その法律を立ててからリアは随分と生活が楽になった。しかしまだ小学生以下の子どもたちの家事はリアが行わなければならない。


「リアママ~…お腹空いたよ……」


 法律を何個作ってもやはり空腹感は満たされない。これからどうしよう。


翌日。


 曇り空に何台の飛行機が飛んでいた。

 小学生以下の子どもたちがそれを見つけ、リアに知らせてきた。村長が村中走り回り「地下に隠れるんだ!これは戦争だ!」と、なんも前触れも無く、そんな事になってしまった。


 隣の国の戦士たちがこちらの村を奪いにきたらしい。


「みんなっ、隠れるのよ!」


 施設には物置き小屋で使っていた地下室が偶然にもあったため、子どもたち全員を連れて逃げ込んだ。戦争なんて初体験だから、どこに逃げていいのかわからない。村中の人たちが次々に撃たれて亡くなっていく。

 地下室には幸いいざという時の食糧と飲料水があった。大きい音と村の人々の叫び声。小さい子たちには恐怖感を味合わせるものだった。

 リアもリアより大きい子も外で働いたりしていた大人たちもみんな戦争は初体験である。


「怖いよぉ……」


 1人の女の子がそう呟く。すると、男の子が立ち上がって

「そんな事言うなよ!リアが一番大変なときなんだぞ!」

 と、叫んだ。そう、リアは100人程の命を預かっているのだ。一番怖いのはリア自身かもしれない。命を護らなければならないのだから。


「うぅ……」

「あまり大きな声出さないで。今はそんな事揉めてる場合じゃないのよ」


 2人を宥めるかのように頭を撫でる。


 外が激しく燃えている。部屋にいるが壁が薄いためとても熱いのが伝わってくる。

 その日は施設は何もされずに済んだ。


 しばらく村は燃えていた。


 しかし村の50人近くが大怪我などで亡くなってしまった。

 また次いつ戦争になるかわからない。いつ襲われてもおかしくない状態であった。


「さぁ、今日は皆で寝ましょう」


 水を一口含み少しだけ安全な地下室で眠りについた。

 明日からまた通常の生活が戻ってくれることを信じて……


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