***序章:追憶
企画、
spring symphony用書き下ろし。
忙しい人用ルート<*>のついたものだけ読めば其れなりのエンディングを迎えます。
*の数は重要度。
そうでない方。後半から読むことをオススメします。
【異変】辺りから。(笑)それから前に戻ると時間軸が合います。
面倒な前置きにおつきあいくださる方は、
どうぞ始めから進んでください。
楽しんでいただければ幸いです。
“それ”は唐突に現れた。
「・・・時が来たみたいです。もう、行かないと・・・」
そして、縁側に座っていた“彼女”が、何時も通りの微笑みで、別れを口にしたのも突然だった。
「ハルさんが拾ってくださって、素敵な名前もいただいて、あたたかい居場所をいただいて、・・・・・・ご迷惑ばかりかけてしまったけれど、・・・ハルさんに会えて、・・・側にいられて・・・わたし、とても幸せでした!」
「・・・急に・・・・何を・・」
「もうお別れです」
何時も通りのように見えた笑顔の横に、光る筋ができていた。
「おい・・・」
「ハルさん、どうか・・・・・・お元気でいてくださいね」
「待ってくれ。まだ・・・だ、待て、行くな・・・・・・っ」
強くなっていく陽の光に、彼女の姿が霞んでゆく。
「ありがとうございます、ハルさん・・・・・・」
大好きです
さようなら
柔らかな陽の光の中で、風の囁きのように感じたのが最後だった。
(あいつは今、何処で何をしているのやら・・・。)
別れの日は突然だったが、いなくなった理由なら前々知っていた。
しかし、認めてしまえばもう共にはいられなくなる。
気まぐれで拾った“それ”は、いつの間にか春隆の中で随分大きくなっていた。
失いたくない。
そのために忘れようとしていた彼女の命に、しかし彼女は忠実に従って去った。
(言いたい事だけ言いやがって。こっちの気も知らないで・・・・・・・・・)
春隆は小さく舌打ちした。
だからあのあと、彼女の涙に誘われたかのように降り出した雨は、長い間、止むことは無かったのだ。
そう、それは初春・・・
山道でひとりの女を拾った事から始まった。
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【企画名】
*spring symphony*
【参加条件】
○性別年齢問わず誰でも。企画者に参加表明をする必要もありません。
○何作品投稿いただいても構いません。奮ってご参加ください。
○『桜 霞 蝋燭 実験 音 櫛 雲 時計 天気 着物 茶 鏡 窓 自転車 空 制服 眼鏡 神社 雪 願 気流 湯気 香 動物 果実 粉 本 風車 ワンピース 公園 裁縫 英語 ツクシ CD 綿あめ 高速道路 コンサート 教室 』(途中で増える可能性あり)
以上『』内のお題の中から、2つ以上を盛り込んだ、“春”をテーマにした作品に仕上げてください。
しかし、上記の語句を入れろという意味ではございません。(解釈はご自由に)
・・・全部使う?もちろん大歓迎ですよ(笑)
○作品の種類ジャンルは問いません。
○企画期間は、本日~4月いっぱいまで。(予定)
○キーワードの中に、必ず『spring symphony』(企画名)と入れてください。
他はいくつキーワード追加するもご自由に。
○(任意)前書きか後書きに、作品が企画のものであることを記入していただけると嬉しいです。
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こういう企画の書き下ろしです。
興味があったらご一報いただけると嬉しいですが、無言で飛び込み参加も歓迎します。
是非。