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異世界行商譚  作者: あさ
難敵との遭遇
81/90

触れ得ぬ距離

 訳も判らぬまま祝福の言葉を受け続けた優斗の元に、書状が届いたのは翌朝の事だった。


 書状の内容は謁見許可が下りた旨を伝えるモノで、謁見日は一か月以上後の日付に指定されていた。

 見た瞬間は、遅すぎる、と焦った優斗だが、すぐさま戦争は起らないだろう事と、クシャーナが手荒く扱われている可能性はほとんどないだろうと言うアロウズの言葉を受け、この一か月をシーア公説得の材料模索及びユーシア奪還準備にあてる事を決める。


 決断即実行とばかりに、優斗はその日の昼過ぎにキャリー商会の一室を借り、協力者たちに召集をかけた。


「まずは急な呼び出しに応えてくれた事、感謝します」

 全員分の飲み物を商会の女店員と共に運んで来た優斗は、配膳を彼女に任せて円卓の一角へと立つ。


 円卓に腰かけているのは7名。

 優斗の右手からヴィス・チャイ・アロウズ・キャリス・シャーリー・ライガット。そして


「で、なんでフレイがここに」

 ごく自然に混ざっていようとも、先日、盛大に舌戦を交わした相手の存在に優斗が気付かない訳がない。


 フレイの方は涼しげな顔で優斗に配膳された杯からお茶を啜っており、そんな姿が優斗の心に出来たささくれを逆なでし、感情が少しだけ揺れる。


「もちろん、仕事です」

「は、仕事?」

「貴方の手助けと、カートン侯爵家へ現状を定期報告する仕事です」


 そう言ってフレイはカートン侯爵家の家紋が入った封筒を取り出し、優斗の前に差し出す。優斗はそれを受け取る事はせず、冷静に、この話し合いの場から内通者を排除すべきだ、と考えた。しかしそれを実行に踏み切るより早く、優斗の口からはずっと押えていた疑問が漏れ出す。


「今まで何処で何をしていた」

 優斗が厳しい目つきでそう告げても、フレイの余裕顔は崩れない。


 円卓についている面々の方は我関せずと言った風体ではあるが、誰もが愉快な状況に興味津々で、きっちりと耳を澄ましている。


「その言葉、そっくりそのままお返しします」

「は?」

「何してたんですか、ゆ、いえ、ご主人様」

 その質問の意味も、あえて言い直した理由も、優斗には理解出来なかった。


 フレイが居なくなってから、優斗は必死に彼女を探した。しかし見つかる事はなく、自主的に、痕跡を残さない様に逃げたと結論し、1人で行商を再開した。その過程で色々とあり、今はユーシアを取り戻す為に奔走している。


 これまでの行動を思い返しながら、自分は非難されるような行動を取っていないはずだと確認すると、優斗は再び厳しい声で問いただす。


「何で戻って来た」

「ですから、仕事です」

 質問を重ねながらも、優斗は去り際のライグルの言葉を思い出す事で、フレイが取ったであろう大まかな行動が想像出来ていた。


 伯爵家を追い出されたフレイは、ライグルの「身請けしてやる」と言う言葉を信じて侯爵家の門を叩いた。そして、ライグルは約束通り彼女を身請けし、優斗の傍付きと言う名の監視役を与えた。つい先日に敵対した相手を監視に回す事で、癒着を防ぐと言う名目で。


 勘違いをしているライグルにその筋書を伝えたフレイは、自分が最初からの協力者であり、そう言った筋書で優斗の元に戻る事で出来る限り不自然さを減らせると進言した、と言うのが優斗の予想だ。恐らく当たらずとも遠からじと言った所だろうと考えた優斗は、フレイが状況を利用し、上手く世を渡ったのだと判断した。


「それはきっと、好待遇で迎え入れられたんだろうな」

「えぇ。定期報告をきちんとするだけで、破格の報酬が頂ける事になってます」

「そうすると俺は、フレイの機嫌を取って侯爵家の覚えを良くする努力をしなきゃならない訳か」

 優斗が皮肉気に言い放つ言葉に、フレイは心外だと言う表情で応える。


 しかしそうとしか取れなかった優斗が、憮然とした表情で更なる感情をぶつけようと口を開いた瞬間、ノックも無く扉が開かれる。


「やっほー、皆様ごきげんよう。こんな楽しそうな場に私を呼んでくれないなんて、ズルいじゃない」

 部屋に飛び込んで来たのは、仕立ての良い服に身を包んだ2人の女性。


 大きな商会の娘と言った雰囲気の2人だが、優斗はその一方、実際に飛び込んで来た方の人物に見覚えがあった。


「メリル、部屋に入る時はノックをきちんとしなさいとあれほど」

「私をのけ者にするフレイが悪い!」

「貴方がいると面倒が起る気がするから、今すぐ帰って」

「わ、ひど! 主人に対する忠誠が無さすぎだと思うんだけど」

「もう主人じゃないでしょうが」


 今まで聞いた事の無い、砕けた口調で話すフレイと、その幼馴染で伯爵夫人でもあるメリル。そして彼女の後ろに侍っているのは、伯爵家の侍女だ。


 その登場に驚き、ぽかんとした表情で見つめながら、優斗は混迷する状況を整理すべく、まずは自身が落ち着かなければと考え、お茶を飲もうとして自分の分の杯が無い事に気付く。犯人はもちろん、優斗がこの場に呼んでない女性だ。


「あの、メリル伯爵夫人様」

「正式な場じゃないんだから堅苦しいのは無し! めーちゃんとでも呼んでくれれば良いから」

「えーっと」

 さすがにほとんど話した事も無い、ほぼ初対面とも言える女性、しかも伯爵夫人をその様に呼んでも良いモノか。メリルの登場で軽く困惑している優斗には、正常な判断が出来ていなかった。


 そのせいもあり、無意識的に、身分的には上であるはずの相手の要望を理由なくつっぱねる訳にもいかないと考えてしまい、優斗は自分でも予想しない言葉を口にしてしまう。


「では、めーちゃん伯爵夫人」

「何それ、面白い」

「す、すいません。えっと」

「それ、いい。それでお願い」


 ウィンク付きでそう指定されてしまい、優斗は、しまった、と思うが時既に遅し。

 上機嫌のメリルと見詰め合いながら、優斗はなんとかフレイごとお帰り願おうと考えながら、ひとまず挨拶する為に頭を下げる。


「行商人の優斗です。先日はご協力頂き、ありがとうございました」

「いいのいいの。フレイの恩人ですもの。あのくらいはお安い御用よ」

 恩人、と言われて、優斗は少し気まずく感じてしまう。


 優斗は正攻法でフレイを手に入れた訳ではない。更に言えば、逃げ出されてしまう程に酷使していたと言われても仕方のない別れ方をしている。それが精神的にか、肉体的にかは優斗にも判らないが。

 そんな反応を見て、メリルは楽しそうに笑うと、引き連れて来た侍女に目配せをし、一歩前に踏み出す。


「それで、優斗くん、でいいかな」

「えぇ、はい。優斗で構いません」

「私、誰かが対立している時は面白そうな方に肩入れするのが大好きなの」

 その言葉の意味を昨日の話し合いに関する事だと考えた優斗は、今回の件で味方になってくれるつもりがあるのだろうと解釈し、内心で拳を握る。


 シーア公を説得するにしても、ユーシアを取り戻すにしても、手駒や協力者は多い方が良い。権力者であれば、なおさらだ。しかも彼女は、ユーシアに隣接するクロース領のご息女でもある。利用価値は高く、例え条件付きであったとしても是非協力者に迎え入れたいと、優斗は追い出すと言う方針をあっさり転換する。


 しかしそんな優斗の思考は、完全な正解へとたどり着いていなかった。


「フレイが売られたって聞いてから、結構探し回ったんだけど、フレイって特徴が無いのが特徴見たいな子じゃない?」

「むぅ。失礼な」

「はは。で、探すのに難航してたら、カクスの街で見かけてびっくり。

 で、聞いてた通り奴隷の首輪してたから、持ち主と交渉しようと思って後をつけたんだけど」


 カクスの街で見かけたと言われて優斗が思い出したのは、滞在中、毎日の様に走っているのを見かけた貴族の馬車だ。あの中の1つに知り合いが乗っていたとしても、気づく事は難しいだろう。しかし乗っている方はそうでもない。


「そしたら何故か奴隷管理局に入って行って、泣きながら出てくるんだもん。びっくりした」

「ちょ、メリルそれは――」

 泣いていた、と言う言葉に優斗はどきりとする。


 泣かせてしまったのは間違いなく自分であり、唐突に居なくなり、その癖ひょっこり現れた事への怒りを差し引いても、罪悪感を覚えてしまう。

 根本的に甘い優斗は、そんな己の心境を即座に甘いと断じる事が出来なかった。それでも今は別の優先事項がある為、多少の驚き以外が表情に出る事はない。


「まぁ、その後おっかけて人気のないとこで拉致ったんだけど」

「拉致!?」


 優斗は拉致された可能性も考慮してそう言った案件もあたっていたが、終ぞ見つかる事はなかった。しかしメリルは間違いなく、拉致したと言っており、優斗は無意識にどういう事だと視線で問いかけてしまう。


「好都合な事に、なんでか首輪してなかったしね。

 でもまぁ、拉致って言っても、ちゃんと挨拶して、再会記念にお茶しようって誘ったんだけどね」

「まさか馬車ごと船に乗り込むとは思わなかったんです」

 言い訳がましくそう告げるフレイ。メリルの方を向いてはいるが、言い訳したい相手はもちろん、優斗だ。


 それは、突然居なくなったのはメリルの罠に嵌ったせいであり、自主的にいなくなった訳ではないと暗に告げている言葉なのだが、現在の優斗にはそれを飲み込む余裕は存在しない。


「その後のフレイが可愛くってさ。聞いてよ優斗くん」

「は、はぁ」

「最初はさ、戻るとか帰せとか煩かったのよ。まぁ、だったら泳いで帰れば? って答えたんだけどね」

「私が泳いだ事なんて無いって知ってる癖に」


 フレイが少し拗ねた風にそう呟けば、メリルは楽しそうに笑いながら話を続ける。


「ずっと奴隷扱いしてた男のとこへ帰すのは不安じゃない?

 だから、事情を聞いた後、優斗くんの素性とか人となりを調べて、問題無ければ帰してあげるって言ったんだけど」


 メリルが再び、侍女に目配せする。

 すると侍女はさりげなく移動を始め、ある場所で止まり、気配を消す。


「調査結果が帰って来て、とりあえず後は私が直接会って見定めるって言ったんだけど、そうしたらこの子、なんて言ったと思う?」

「……何、と?」

「あ、ちょ、ダメ!」

「このまま帰るのは――」

「何言ってんのメリぶっ――」

 忍び寄っていた侍女がフレイを後ろから取り押さえ、その口を手のひらで閉ざす。


 暴れるフレイとそれに張り付く侍女。

 妨害によりメリルの言葉の全てを聞き取る事が出来なかった優斗は、フレイの次の行動に驚き、目を見開く事になる。


「――で、色々やってたみたいだけど迎えに来ないから、自分からきちゃったって訳」

「メリル!」

「うわぁ……」

「おぉ……」


 捕えられていたフレイの想像以上に素早い脱出に、優斗は感嘆する。しかしメリルは別の場所へ視線を向けており、優斗も釣られて視線を動かすと、そこには尻餅をついている侍女の姿があった。


「フレイ、ひどーい」

「酷いのは貴方の方です」

「えー。優斗くんと2人でお話したいからちょっと黙って貰おうと思っただけよ?」


 悪びれなく告げるメリル。

 しかし優斗を含む部屋中の視線は2人よりも尻餅をついたままの状態から立ち直っていない侍女に向けられており、その内の何名かは何故そうなったのかを見て、理解している為、心配そうにしている。


 フレイの脱出方法。それはただ単純に己のギフトを行使し、侍女を痺れさせただけだ。

 威力調整はメリルの侍女兼護衛をしていた時代に身に着けているので、ほとんど危険は無い。それに加えて、侍女はメリルからフレイのギフトについて説明を受けており、きちんとギフト行使を察知した瞬間に離れたので大事は無い。もちろん侍女はこうなる事を事前に知らされた上でこの役割を引き受けていたのだが、それでもほぼ部屋中の視線が集まっているのは恥ずかしいのか、今までの無表情が嘘の様にはにかんでいる。


「私が面白おかしく脚色して伝えてあげるから、フレイはその辺に座ってていいよ?」

「結構です!」

「なら、自分で言う?」

「うっ」

 それはそれで恥ずかしい、と考えたフレイだが、譲った場合の状況を考え、仕方なく頷く。


 メリルは間違いなく、宣言通りに面白おかしく脚色して話すだろうとフレイは確信していた。そうなればいちいち相違点を指摘する羽目になるのは明白で、それを言い訳しているなどと思われては、自分の口で説明する事より恥ずかしい状況に陥る事だろう。


「重要な話を、間違えたり、飛ばしたりしたら、きちんと補足説明してあげるから。私が」

「大きなお世話です」

 それは、誤魔化せば事実を脚色と共に暴露するぞと言う脅しだ。


 故にフレイは、事実のみを淡々と説明し、手早くこの苦行を終えようと決め、侍女を心配そうに見つめている優斗へと向き直る。

 フレイのギフトとその危険性を知っている優斗が彼女を心配するのは当然の事なのだが、それでも今もずっと見つめているのは長すぎではないかと、フレイは一言注意をしようと考え、口を開く。


「女性のスカートの中をまじまじと覗くのは感心しませんよ」

「あっ、とごめん。そんなつもりは」

 優斗は当然、フレイにではなく侍女の方に謝罪する。


 そしてそのまま侍女に近づくと、起き上がるのに手を貸し、自然な動作で椅子を勧める。


「お気持ちはありがたいのですが、主を差し置いて私のような――」

「あぁ、うん。そっか。めーちゃん伯爵夫人、彼女を座らせてもいいですか?」

「もちろん。私が立ってるとまたややこしい事言いそうだし、こっちの椅子借りるね」

「どうぞ。ヴィス、お茶を2人分、いや、3人分追加で」

「わかった」

 命令即実行とばかりに瞬時に席を立つヴィス。何故かその隣にいたチャイもそれに続く。


 いつの間にか仲良くなったのか、それともこの場を脱出したかっただけなのか。そんな疑問を抱きながら、優斗は改めてフレイへと向き直る。今の一連の行動が、フレイの感情を僅かに波立たせたとも知らずに。


「説明、してくれるんだろ?」

「えぇ、させて頂きます。

 メリルに攫われた後、探しに来てくれない元・ご主人様を待っていたと言うところまでは聞きましたよね?」


 釈然としないながらも優斗が頷くと、フレイは何時もより少しゆっくりとした話し方で、続きを説明して行く。

 それは言葉を選びながら、同時に介入してくるかもしれないメリルの様子を伺い、兆候があれば即座に対処する為だ。


「カクスに戻った私は、まず泊まっていた宿へ向かいました。そこで伝言を残し、次の日には街を出ました。メリルの都合で」


 優斗は宿で受け取った不可解な、伝言とも言えない伝言を思い出し、やはりあれはフレイが残した物だったのかと納得する。しかし、その割にまるで口止めされているような口ぶりだった事を思い出すと、話を続けるフレイに疑いの視線をぶつける。


「ルナールへ向かう途中に立ち寄ったバイスの街でも、キャリー商会のアニーさんと言う方に伝言を残し、次の日にはルナールへ経ちました。メリルの都合で」

「私が悪いみたいな言い方しないでよー」

「拉致したメリルが悪いんでしょ」

「そりゃそうだけどさー」


 2つ目の伝言。その中に出て来たアニーと言う人名に、優斗は驚いていた。

 言われて見れば、アニーは普通紹介状に書かない様な、優斗の個人的な人となりを知っていた。優斗はそれを、カクス支店長が気を回し過ぎたせいだと解釈していたが、どうやらフレイの仕業だったらしいと知り、アニーが最初から妙にフレンドリーだったのはそれが理由かと納得する。


「あの、もしかして聞いてません?」

「1つ目は聞いたけど、2つ目は聞いてない」

「……そうですか」

 少し残念そうな、しかしどこかほっとしたフレイの表情を見て、優斗はまた1つ思い出す。


 アニーはバイスから出立する前日に、何か優斗に告げる事があると言っていた。その後の説教で有耶無耶になってしまったが、もしかしたらその用件と言うのが、フレイの伝言だったのではないか、と。優斗はそう考えた。


「でも、次の伝言はちゃんと届いているはずです。トーラスくんに伝えたかどうかきちんと確認しましたから」

「トーラスの伝言って。あっ」

 優斗は思い出す。


 トーラスが別れ際に放った、姉ちゃんからと言っていた伝言。

 優斗はそれを同行していた従騎士シュレイ、トーラス曰くシュレイ姉ちゃんの事を差しており、しばらく村に滞在しているから、何かあったら頼れと言うものだと解釈した。街、と言ったのは村と言い間違えたのだろうと考えて。


 その気づきにより、優斗はこれまで知った、考えていた事柄に別の解釈が生まれた事を理解する。

 フレイが拉致されていたと仮定すれば、トーラスの伝言はルナールに居る間に会いに、もしくは助けに来てほしいと言う内容であると推察出来、1つ目の宿で受けた伝言も助けを求める内容ととれなくもない。宿の女将と大将が口を噤んでヒントしか出せなかったのも、権力者に口止めされたからだと無理やり解釈できなくもない。


 もし優斗がフレイが自分から離れて行く事はないと確信していたとすれば。もしくは、自分勝手に、我武者羅にフレイを捜索していれば、フレイの行動に別の可能性を見出す事が出来たかもしれない。そして、別の結果が待ち受けていたかもしれない。


 例えば。

 拉致された身でありながらも、連れ回された先々で優斗に対して自分の居場所を知らせる足跡を残し続けるフレイ。その救難信号を辿り、ルナールで追いついた優斗は単身、伯爵家へと乗り込む。そしてその手腕で、颯爽とフレイを取り戻す。そんな物語も、存在していたかもしれない。


「いや、どう考えても普通に戻ってこれただろ。すごい仲良さそうだし」

「それは後付けの結果です」

 確かにフレイの言う通り、優斗の言葉は結果論にすぎない。


 もし、メリルがフレイの意志に反して拉致し続けていたとすれば、彼女は今もなお、どこかに軟禁されていた可能性があるのだ。そう考えれば多少の罪悪感は湧いてくるが、優斗の頭にはそれ以上の苛立ちが浮かんでいた。何と言われても、結果を見た今ではフレイに遊ばれていた様にしか思えないからだ。


「便りの1つでもくれれば、すぐにでも迎えに行った!」

「便り、ですか」

 フレイがぽつりと呟く。


 優斗はその表情が寂しそうなものに見え、気勢を削がれてしまう。


「所持金もほとんど無い元奴隷に、どうやって手紙を出せと言うんですか?」

「それなりに持っていっただろ」

 優斗の言葉通り、別れた当時のフレイはそれなりの額の買い出し資金と、それ以外にも幾ばくかのお金を持っていた事を、優斗は知っている。


 しかしフレイはその言葉に反論するでも無く、数枚の紙を差し出す。

 優斗は訝しげな表情でそれを受け取ってその内容を確認すると、驚きの声を上げてしまう。


 紙には水や食料、酒類などの消耗品の名前が書かれており、次を捲ると毛布や防寒着、外套が、更に捲ると杯や器などの日用品の名前がずらりと並んでいる。値切り交渉を行ったのだろう、幾らかの商品はかなり安い値段で取引されたと記録されているのだが、額面を合計すると手渡した金額と大差がない、むしろ額面より多いと言う結果が出る事に気付き、優斗は記憶を手繰りながら再確認して、外套代が余分であると気づく。

 フレイがどう言った意図で外套を購入したのかは気になったが、それを疑問として口にする前に、フレイがこの紙を見せた理由が書かれる箇所を発見した優斗は、その部分を再度声に出さず読み上げる。


 優斗が目を細め、睨むような目つきで読んでいるのは、紙の頭に書かれている表題と、その下にかかれた注意書きだ。

 商品引換用。本書類無き場合は本人であっても商品の引き渡しは出来かねますので、厳重に保管されたし。


 全文を再読した優斗に思い浮かんだ可能性は2つ。

 1つはフレイが嘘を吐いており、この書類は偽造である可能性。もう1つは、アイタナが荷物が届いたが受け取れなかった旨を優斗に伝えなかった可能性。事故なのか、はたまた故意なのかは不明だが、商会主からの手紙をを埋もれさせていた管理の悪さや、かなり強引に奴隷を売りつけようとしてきた態度から、どちらの可能性もあり得ると感じられた。すなわち、優斗は無意識に後者の可能性が高いと考えていた。


 しかしだからと言って、フレイの行動全てが納得できる訳ではない。


「なら稼ぐなり借りるなりすれば――」

「メリルは今でこそ納得していますが、最初は絶対に帰さないと強硬でした。稼ぐにしても、そんな大金をメリルに見つからずに稼ぐ方法は、無くは無いですけど……」

 その意味を、優斗は正しく理解した。そして苦し紛れに余計な事を口にしてしまった事を後悔する。


 優斗の生まれた世界では、国内宛に手紙を出すのに、子供の小遣い程度の金額しかかからない。しかし郵便が発達していないこの国では、それなりの金額が必要になる。相手が所在不明の行商人ともなれば、猶更だ。


「何と言うか。その」

「優斗くん、騙されちゃダメ」

「……はい?」

「メリル!」

「そもそもフレイがちゃんとした伝言をもがっ」


 フレイの手で遮られたメリルの言葉に、優斗ははっとする。

 それにより、喉まで出かかっていた言葉がひっこみ、代わりにまた怒りがふつふつと湧き出てくる。


「それで、フレイさん。なんであんなややこしい伝言を残したのか、それも説明して頂けますよね?」

「そ、そんな風に迫られると、怖いです」

 胸を隠す様に腕で覆い、上目使いになり、少し目元に涙を浮かべるフレイ。


 そんなフレイの姿を見た優斗の感想は、これは間違いなく演技だな、と言う淡泊なものだった。


「めーちゃん伯爵夫人。フレイが何をしていたのか、でなく、何でこんな事をしたのか、ご存知ですか?」

「もちろん!」

 面白い方につくと断言していたメリルは、とても良い笑顔で再び侍女に目配せする。


 それに気付いた優斗は、女性を二度もあんな目にあわせるのは忍びないと、フレイに近づいて、その口を己の掌で押さえる。


 その瞬間、部屋の扉が静かに開かれて、先程出て行った2人がお茶を手に戻って来る。

 そして部屋中の視線が優斗と、そしてフレイに向いている事に気付き、2人の視線も自然とそちらに向かう。


 チャイはその場で固まり、ヴィスがそれよりも任務優先とお茶の配膳を行う中、メリルが楽しそうに口を開く。


「逃げ出した手前、何事もなかった、みたいに戻るのは恥ずかしいから、助け出して貰って有耶無耶にしようとしたみたい?」

「ふがっ! ひはふ」

「なのに探しに来ないどころか、新しい従者と奴隷まで連れてたから、さすがに焦ったんでしょうね」

「へぇ」

「ひふぁっ」

「そういや、嬢ちゃんから伝言を預かった時も、なんか連れの女の素性とか、色々聞かれたな」

「はひはっほはん」

 にやにやと笑う最後の伝言請負人、ライガット。


 優斗は会談直前の彼の言葉を、今の今までライガット曰くお嬢ちゃん、すなわちクシャーナからのものだと勘違いしていた。本日開催の会議でもそれについて問いただす予定で、内外から攻めれば勝機もあるだろうと考えて居た為、僅かに眉を潜めてしまう。


「昨日の会談も、協力する為に潜り込んだんだけどね」

「それにしては敵対的でしたけど」

「フレイが参加出来た時点で、最終的に多数決に持ち込めば勝ちだったから、あれはあれで必要な事ではあったんだけど」

 メリルの言葉を受け、優斗は昨日の状況をその前提でシミュレートする。


 話し合いが上手くまとまれば良し。もし優斗に不利な状況になったならば、昨日の様に多数決が行われるように仕向ける。しかし会談参加者の4人だけでは、多数決が成立しない可能性がある。それを避ける為にフレイと言うイレギュラーを投入する事で票数を増やし、なおかつ彼女が優斗と敵対的であれば、メリルを含む2票を得られると錯覚し、反対派は安心して多数決に身を委ねられる。賛成派が既にライグル・メリル・フレイと言う過半数表を得ているとも知らず。


「勝利を手土産に凱旋なら、格好がつくじゃない?」


 そう言ってメリルが一旦言葉を止める。

 それをもって説明が終わったと判断した優斗は手を離すと、なるほどフレイらしい行動原理だと納得した上で、あえて問いかける。


「フレイは何がしたかったの?」

 口の拘束が解かれたフレイが、再び涙目で優斗を睨んでくる。


 今回は本当に涙目になっているようだと内心だけで苦笑しながら、優斗は何も言わず、フレイを見つめる。


「優斗さんの援護をする為にあんな風に潜り込んだのは事実です」

 突然さん付けで呼ばれ、優斗が少し驚く。


 そんな反応に対して、フレイの口元が少しだけ吊り上り、涙目と相まって泣き笑いのような表情が浮かぶ。

 それに対して不覚にも、懐かしいと感じてしまった優斗は、浮かんでいた怒りが少しだけ沈んでいる事に気付く。


 元々、フレイを見て浮かぶ怒りの半分は、己の不甲斐なさや判断の甘さに対する苛立ちが混ざった、自己嫌悪にも似た感情だった。そう言った意味では、振り回してしまったフレイに申し訳ないと言う感情も無い訳ではない。

 それが半分程度な理由はもちろん、まともな連絡を寄越さなかった事と登場した状況、今の態度にある。


「ですがあの様な、1対1の状況は私も予想外でした。これは本当です」

「まぁ、それは信じる」

「元々、敵対的になるつもりではありましたが、ああなっては手抜きする訳にも行きません」


 信じると言った直後であるにも関わらず、優斗はフレイのしゃべり方に違和感を覚えていた。

 筋道だって、冷静に話している様に見えるが、なんとなく嘘を吐いているのではないかと感じ、クシャーナが居れば簡単に見破れるのにと考えてしまい、安易にギフトに頼ろうとしたことを反省し、すぐにその思考を振り切る。


 そんな中、優斗が僅かに俯いて思考している姿を、別の意味に捉えた人物がフレイの言葉に合いの手を入れる。


「で、実際のところは?」

「……メリル、一体何を」

「優斗くんを目の前にして、どう思ったの? 会う前、あんなに腹立たしいって言ってたじゃない?」

「……えぇ、確かに少しくらい八つ当たりしても許されるかなと思った事は事実です。私の行動の真意も、さっぱり見抜いてくれませんでしたし」

 そう言ってフレイは、恨みがましそうに優斗を見る。


 当の優斗は、大体の事情と状況が判明した事で、これからどうすべきかを考えていた。


 優斗は今、ユーシアを取り戻す算段に忙しいので、自分の感情に関する事柄は後回しにしたいと考えた。しかし、感情を持て余したまま重要な要件を熟していて、そちらが気になって失敗した経験もある。何より、メリルをこちら側に引き入れるつもりであれば、フレイの存在は大きい。


 そこまで考えてから、優斗は独りよがりに思考を展開していた事に気付き、はっとする。そしてまず自分がすべき事は何か、再確認してからフレイに向き直り、己の望む方向性を定めてから、声をかける。


「フレイ」

「なんでしょう?」

「フレイはこれから、どうしたい?」

 優斗の質問にフレイは再び、仕事ですからついて行きますと返答しようとして、出来なかった。


 何故なら優斗が重要な商談に臨む時の様な真剣な表情を浮かべていたからだ。そんな優斗を見てフレイは、それが自分に対して向けられている事に驚愕し、恐怖を覚えた。

 そしてどんな偽りも看破されてしまうような、そして不要と判断されれば冷徹に見捨てられてしまうような予感を感じていた。


 優斗は優しい。

 フレイのどの様な行動にも寛容であり、怒ったり注意したりする事はあっても、最後には笑って許してくれた。フレイはそれに対して、甘いと苦言を呈して居ながら、自分自身はその甘さに浸り、優斗が何も言わないのを良い事に分を弁えない態度と行動を取っていた。


 フレイは恥ずかしいから、とか、そうして欲しいから、と言う我儘で積極的に優斗に合流せず、彼が助けに来ない事を責めた。当然ながらそれは筋違いの行為であるのだが、フレイは優斗なら文句を言いながらも最後には許してくれるだろうと無意識的に感じていた。彼の優しさに付け込み、甘えようとしていた。


「……あ」

 優斗を見つめ、縋るようにか細い声を上げるフレイ。


 それがフレイの発した悲鳴であり、助けを求めているのだと言う事に気付きながらも、優斗はそれを黙殺し、ただ質問への返答を待つ。


 優斗から手が差し伸べられないと、そう理解したフレイは、膝から力が抜け、その場に崩れ落ちそうになるのを懸命にこらえていた。

 ここで膝をつけば、優斗は自分を見限るだろう。フレイにはそんな、根拠のない確信が生まれていた。


 そしてぐちゃぐちゃになっている頭で、どうすれば良いのか必死に考える。その結果、フレイは自分が最も求めている事柄を伝える為、恐る恐る優斗を見上げる。


「お願い」

 優斗に向けておずおずと手を差出して、フレイが懇願する。


 その姿に優斗の心が揺れなかった訳ではない。ようやく吐露された本音とも言えるフレイの心情を見て、嬉しいと感じている部分も多く、今すぐにでもその手を掴みたいと言う衝動を感じてもいた。それにも関わらず優斗は、首を横に振ってフレイの願いを否定する。


 優斗が示した答えに、部屋に居るほとんどの者が驚いた。誰もが優斗はその手を取るだろうと、フレイを否定する様な事はないだろうと考えていたからだ。


「ごめん」


 故に、優斗が告げた謝罪の言葉は別離の言葉であると、部屋中の誰もが考えた。

 この場で最も優斗の心情を読み取る事に長けた人物を除いて。


「ごめんなさい」


 勘違いをしている者達は、フレイの行った謝罪を返すと言う行為も、縋る為のモノであり、懇願を重ねているのだと受け取った。


 そのどちらもただ純粋に、真摯に、言葉通りの内容を伝えるだけのモノでしかないにも関わらず。


「意地を張ってごめんなさい。我儘で振り回してごめんなさい」


 涙声でひたすら謝罪の言葉を吐きだすフレイ。

 そんなフレイに向けて、優斗からもまた、同じ様に謝罪の言葉が紡がれる。


「信じきれなくてごめん。簡単に諦めてごめん」


 フレイは逃げ出したのだと、優斗は早い段階で決めつけていた。その理由に、本人から直接別離を言い渡されるのが怖かったと言うモノがなかったとは言えない。


「試すような事をして、ごめんなさい」


 小さい頃に奉公に出され、家族の元に戻ってすぐに売りに出されてしまったフレイは、愛情に飢えていた。その乾きを癒す為、優斗から無尽蔵にそれを貪っている自覚は、少し前からあった。


「それでも、助けにいかなくて、ごめん」


 優斗が申し訳なさそうな表情を浮かべながら、フレイの頭に手を置く。その手が優しく撫でた事でフレイはいっそう涙声になり、鼻をすする。


「私も、んっ、戻らなくって、ごめんなさい」

「ずっと振り回して、ごめん」

「素直じゃなくて、ごめん……なさい」


 それは駆け引きも裏表もない、ただ生のままの感情を交換するだけの行為だった。それは優斗とフレイにとって最も必要な行為でありながら、ずっと出来なかった行為でもある。



 しばらくの間そうしていた2人だが、ある瞬間にふと我に返り、今、自分達がどんな状況で何をしていたのかに気付き、赤面する。


「ところでフレイ。フレイはこれからどうするつもり?」

「そうですね。どうしましょうか」


 まるで何事もなかったかの様に直前の会話を再開するが、当然ながら無かった事になどなるはずもなく、年長組――キャリスやライガット、アロウズ――が、にやにやと2人を見つめながら、若いっていいわねー、などとわざと優斗達に聞こえる様に話している。


「えっと、その」

 フレイが再び手を差出そうとする気配を感じ、優斗は首を横に振る事でそれを制する。


 優斗が以前持っていたフレイへの感情は、薄まってはいるが無くなってはいない。そしてフレイは、それに何となく気づいていた。


 それ故に、ある程度すれ違いが解消され、受け入れてもらえるのではと期待していたフレイは、落胆する。そしてまだ完全に許して貰えていないならば、何が悪いのか、どうすれば連れて行って貰えるのかと、必死に頭を働かせる。

 優斗がフレイの手を取らなかった理由の大部分はそれ以外の事柄に起因する事を、真実を知らないフレイが気づく事は難しい。


 そんなフレイは限界まで頭を捻り、1つの可能性に思い当たっていた。

 そしてそれを実行すべきか否か。頭から煙が出そうな程に悩んだ結果、実行する事を決めたフレイは、商談に挑む優斗を真似て無理やりに不敵な笑みを浮かべる。


「では、契約をしましょう」

「契約って、契約?」

「はい。契約です。

 優斗さんにはユーシア領の後ろ盾が、私にはクロース領と、伯爵家の後ろ盾があります。それを利用して、共同で商売をするんです」


 フレイの予想外な提案に、優斗は面食らう。

 話自体は優斗にとってもフレイにとっても利益のあるものだ。そう考えた直後、この話の肝はそこではないと言う事に気付き、優斗に嬉しさと申し訳なさが生まれる。


「例えば、お互いに同じ商品の独占的な免税権を得られれば、莫大な利益を得る事も可能なはずです」

「確かにそれが可能なら、かなり儲かりそうだ」

 難しいだろうけど、と心の中で付けたしながら、優斗は不敵に微笑むフレイを見つめる。


 フレイは今、一生懸命背伸びをしている。

 優斗の庇護下に戻る事は拒否されてしまった。それでもなお、優斗と共にありたいが為に。ライグルから、カートン侯爵家から与えられた仕事だからなどと言う間接的な関係でなく、自分の力で、同じ場所に立つ為に。そして2人の間に新たな関係を築く為に。


 ただ思いつくままに提案を口にし続けるフレイ。その内容は拙く、洗練されているとは言い難いが、優斗の教えを守ったものばかりだ。

 それは優斗にとって、自分から商売について学んでいた教え子の本当の意味での巣立ちの時を意味し、己の庇護下にあった少女が、その庇護から脱して対等な立場に立とうとしている瞬間でもあった。


 もちろんフレイは一方的に優斗の庇護下にあった訳では無く、同時に優斗もフレイの庇護下にあったとも言えるのだが、今の優斗は完全にそれを失念している。


「フレイ」

「はい、なんでしょうか」

「その話、面白いと思う。前向きに検討してみても、いいかもしれない」

「では!」


 優斗の口からようやく飛び出した肯定的な言葉。

 フレイはようやく光明を得たと、このままの勢いで正式な了解と、出来るならば契約も結べればと意気込む。


 しかしそれは、再び開かれた優斗の口から否定されてしまう。


「でも、今のままフレイと契約を結ぶ気は無い」

 優斗は一度目を瞑り、思い浮べる。己の守るべき相手を、そして全てを託された相手を。


 フレイの方は優斗がそんな事を考えているとは想像もしておらず、優斗の言葉、その真意を察する事が出来なかった。真実を知らないので正鵠を射る事は難しいとは言え、完全に気づけない程ではなかったにも関わらず。


「ユーシアを取り戻さない限り、私の提案は意味がないから、ですよね?

 ですから、その為に協力は惜しみません」

「そう。ありがとう。是非、お願い」

 今は1人でも多く、信用出来る有能な協力者が欲しい優斗にとって、それは心の底からありがたい提案であり、否定する要素はほとんどない。例え、個人的に何か思うところがあろうとも。


 そんな優斗の胸中を知らないフレイは優斗の言葉を、この場にいる事の、そして一先ず肩を並べて事に当たる許可を得られたのだと喜んだ。しかし同時に違和感も感じていた。

 諸手を挙げて歓迎してくれると、高望みをしていた訳ではない。それでも、嬉しそうにくらいはしてくれるだろうと、そう思っていた。しかし予想に反して、優斗は真剣な、そしてどこか厳しい雰囲気を纏っている。


「改めて、よろしくお願いします」

 優斗はフレイの言葉に、曖昧に首肯する事で返答とする。


 それはフレイに対する現在の優斗の思いを象徴する様に、複雑で様々な心境が練り込まれていた。それでも肯定は肯定であり、フレイはまた喜ぶ。


 その後、好悪どちらもない交ぜになって優斗の感情、その中でも怒っている理由とフレイを受け入れない理由を正しく読み切れなかったフレイは、優斗の中に燻るソレの正体に気付く事が出来ず、一歩届かないままだった。

フレイさんが一応お戻りになる話でした。


心情を吐露し合い、以前よりも少しだけ心が通じ合った様に見えて、想いは相変わらずすれ違い、通じ合わないままのフレイさんと優斗くん。


そんな中、2人は一体どんな関係を築いて行く事になるのでしょうか。

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