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アカ色に染まれ  作者: Suna-chan
第3章 過去の記憶―鰭ヶ崎と理事長―
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8話 過去の記憶―鰭ヶ崎と理事長―②

8話 過去の記憶―鰭ヶ崎と理事長―②

 窓の外はすでに夜の色をまとい、街灯の明かりがガラス越しに淡く揺れている。

 足音だけがやけに響き、その間を埋めるように心の中で言葉がぐるぐると巡った。

 ――出会いが人を変えるか・・・。

 正直、理事長の言葉は綺麗ごとだと思っていた。

 でも、理事長の言葉を心の中で反芻(はんすう)すると、胸の奥がざわついた。

 これまでの人生を振り返ってみれば確かに、出会いで変わったものがあるような気がした。


 小学生の頃は図書館で「これ、面白いよね!私もこのシリーズ好き!!」と話しかけてくれた女の子がいなかったらきっと、本はそこまで読んでいなかったかもしれない。

 中学生の時も一人、校舎裏で空を見ていた日に偶然通りかかって話しかけてくれた先輩いなければ、人と関わる勇気が今ほどなかった。

 もっとコミュ障は酷くなってる気もするけど・・・。

 ――でも、あの日の自分が確かに変わっていた気がした。

 高校に入ってからもそうだった。数学の授業で分からない問題で指名されたときも後ろの席の子に答えを小声で教えもらったこともあった。

 「助かった」とつぶやくと、「次は頼むぞ!」と笑顔で言ってきた。

 それだけの出来事だけでも、胸の奥のが暖かく感じたように思えた。


 そう考えると、いろいろな人と少しでも関わってると自分の中で何かしらの変化が起きているのだろう。

 急激な変化や、物語のような奇跡とかではなくて、きっと日常的に日々積み重なっているものなのだろう。

 これから、確かに言えるのは――

 「人生に少しでも関わる出会いは、これからも自分を変えていく」

 そんな予感を感じながらも気付けばあたり一辺が暗闇に包まれた昇降口まで来ていた。

 鰭ヶ崎がそんな想いを抱きながら、上履きをローファーに履き替えて校門を見ると、稲毛好羽を乗せていたリムジンが停まっていて、その前には理事長先生と好羽を連れた執事が立っていた。


 鰭ヶ崎が昇降口からリムジンへ歩み寄ると、理事長と執事の会話が耳に届いた。

 「好羽の様子はどうだった?」

 「はい。弘様。好羽様には・・・なんだか悲しそうな雰囲気を感じました。」

 「そうか・・・。」

 その会話からは好羽への興味の無さと冷徹さが漂っていた。

 執事は一拍置き、恐る恐る口を開いた。

 「あの・・・。弘様・・・。」

 そこで理事長が振り返り、鰭ヶ崎に気づいた。

 「鰭ヶ崎君。こっちだ。」

 そう手招きをされると、鰭ヶ崎は思わず足を速め、校門へ向かった。

 「鰭ヶ崎君、そんな急がなくてもいいんだよ。」

 理事長は口元にわずかな笑みを浮かべて言ったが、その眼差しには温かみがなかった。

 鰭ヶ崎の胸の奥に、冷たいものが広がっていった。

 理事長は少し焦りながらも、ふと思い出したかのように口を開いた。

 「紹介するよ。こちらは、私の執事の佐倉さん」

 「あ。えっと・・・。1年Ⅽ組の鰭ヶ崎祐樹です・・・。」

 「鰭ヶ崎様ですね。先ほど稲毛様にご紹介を賜りました。執事の佐倉順三郎と申します。」

 少し佐倉さんと視線を交わしたその瞬間、鰭ヶ崎は胸の奥に奇妙な違和感を覚えた。

 相手の目は柔和な笑みを浮かべているのに、どこかで好羽と同じ「影」を映しているように感じたのだ。

 沈黙が落ちた空気を切るように、理事長が言葉を言葉を投げかけた。

 「さて、行こうか。鰭ヶ崎君にの家はどこかね?」

 「えーと・・・。舟橋村の寺田駅の近くです・・・。」

 「佐倉さん、行けそうか?」

 「はい。かしこまりました。」

 そうして執事が後部座席のドアを開け、理事長と鰭ヶ崎はリムジンへと乗り込み、静かに校門を後にした。

暇つぶしで書いてます。

気が向いたらまた、更新します。


色々、下手だったらすみません・・・。

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