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地球転生物語  作者: ゆきにゃん
第一章 地球
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野外授業(Aクラス二日目)

一見重要じゃなさそうなんですけど、案外重要です。

私が教室に向かうとD組のグループの子達が通りすがる。

「あの子どうするー?」

「感じ悪いしシカトしなーい?」

「邪魔だしねー。さんせー」

どうやら『あの子』とは白鷺さんを指しているのだと気づいた。でも気に留めなくてもいいかと思って教室に向かうとガヤガヤと騒がしかった。

「はぁ!?ふざけてんの?嘘って言ってくれよ!」

「雪良来たから!ダメだろ流石に本人の前では…!」

「知ったこっちゃない!蘭も嫌なはずだ!」

どうやらAクラスの中で班を決めるらしく基本席順で実力が偏る場合は辻月先生が調節するらしい。え?クラスのグループはどうなるの?

「いいだろもう諦めろよ!どうせ近くの野外授業だけの班なんだから!」

なるほど。て言うか流石に国本が可哀想。

(国本って誰ですか?)

今稲川をいさめてる奴。ていうか、なんか言わなきゃ稲川が暴走しそう。

(嫌な予感がしますけど)

「私も嫌だけどさぁ、受け入れてよ。みっともない。」

「なんだと!」

(言わんこっちゃない)

先生来たよ。稲川を怒るかな?

「二人とも、静かにしなさい!」

案外この先生も怖いんだな。あと私結構静かだったの思うんだけど。

「班替えで揉めないで!もう…外行くけど大丈夫?国本君、白鷺ちゃん、二人を見守っててね。」

国本がなんとも言い難そうな表情をしている。白鷺さんが当てにならないことを知っているからだろう。


外に出ると春だからかな。ちょうどいい気温だった。

「じゃあどの班がどこで練習するか言いまーす」

お願い、平坦で木がない広いスペースがいい!

「C班はうん、ここら辺。」

やったぁ!平坦で木がない一等地だ!

「じゃあ練習始めてね!連携の練習だから連携してない人は居残りね!」

え?それはつまり必ずあのむかつく稲川とマイペースそうな白鷺さんと組むことになるってこと?

「じゃあ練習しようか!」

国本が私達を取りなすが…

「は?嫌だし!てかなんでお前が仕切るんだよ!」

「えぇっと、練習しないと居残りだから…あと僕が仕切ってるのは他にやる人がいないからで…」

「はぁ…面倒だな!俺はやらないからな!」

流石にやばいと思って白鷺さんを見ると彼女は一人で練習をして、国本はしょんぼりしている。ダメだこりゃ。すると国本は期待を込めた目で私を見る。私がこいつをやる気にさせろってこと?…仕方ないな!

「何言ってるの?身勝手な。貴方には私達の意向を拒否して私達の休み時間を潰す権利があると思っているの?」

「何を〜!早く始めるぞ!」

何この茶番は。


「じゃあニグループに分かれて実践で戦ってみよっか。じゃあまずニグループに分かれるところからだけど…」

「俺は国本と組む。」

何その貴方とは組みたくありませんと言わんばかりの視線は。

「だよね。じゃあまず先生の説明だと攻守はっきりさせるっぽいからあとそれだけ決めよっか。」

これは無関心なのか稲川は何も言わない。でも私は、今日振り回されたお返しにコテンパンにしてやりたい気分だったのだ。

「誰も希望がないみたいだから、私達は今日、攻める側。明日は守る側。それでいいよね?」

白鷺さんが振り返る。

「私はなんでもいいよ。好きに決めて」

国本が言う。

「それでいいんじゃないかな。」

稲川が言う。

「なんか嫌な予感する。」

そこは賛同してよ。


私達は今、戦っていた。

(いや、男子二人をいじめてたの間違いでは?)

「落桜!」

私が桜で落とし穴を作る。そしてその落とし穴には…

「体が痺れって、いたっ!」

毒があった。

「浮雲!」

流石にやばいと思ったのか白鷺さん…いや四葉が落とし穴から稲川を取り出す。いや上空に行きすぎて、酸素が薄い。落とさなきゃ。思ったが四葉は先に手を打っていた。

「流石にやばいんじゃない?落下死しない?」

国本が言うのも無理はない。雲に乗って上空に上がっていったのに、雲をなくして急に落としていっているのだ。

「そうならないための仲間でしょ。連携したら?」

そんな簡単に言わないであげて。

「俺のことは打ち上げなかったのに、あいつを打ち上げる必要はあったのか?」

「ないよ。ただムカついただけ。」

この子、案外私に似ているかもしれない。その時、先生の声が響く。

「今日は終わりです。集まって下さーい。」

みんながはーいと元気よく集まっている中、稲川はというと、とても疲れている。そんな中、彼が放った一言はというと…

「お前ら怖えよ。」

だった。どうやら、私と四葉の相性は抜群なようだ。

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