試験
最近一話が少なめですね。
試験は筆記からで、普通に教科書に書いてるしノートも取った内容で簡単だった。そして今、実践の試験の場に立っている。
「ではこれより魔法科の試験を始めます。6つの属性の魔法とできる方に限り「その他」の魔法の試験です。順番に試験するので試験を受ける生徒以外は静かに待っていてください。では1-Aの荒杉さんから…」
「では次清川さん」
鈴奈はいつもなんでもできるイメージがあったがあまり得意でないのか少し…いやはっきり言うと下手だった。しかし彼女はあまり気にしないのか普通な顔をしていた。
「では次斉藤さん」
舞華を呼ぶ1-Aの先生の声。
「では次白鷺さん」
1-Dの先生の声。ほぼ同時だった。それに驚いて振り向いたら白鷺さん、と言うのはあの道場の少女のことらしい。白鷺さんは完璧に、綺麗に魔法を作った。それとは対照的に舞華は苦戦している。まるでそれを白鷺さんは鼻で笑っているかのようで少し感じが悪かった。
「次、蘭さん」
自分の番になると妙に観客気分が冷めて緊張した。
「火の魔法、なんでも良いので使ってください。」
何を使おう?
(ファイアが得意なのでは?)
じゃあそうしよっかな
「ファイア」
「ふむふむ、では次は水魔法を…」
「では次、『その他』お願いします。」
「焼桜」
「ふむふむ」
やっぱりこの先生、「ふむふむ」しか言わないな。もうちょっとレパートリー増やせば良いのに。
試験の結果発表だ。学年別の集計な上に一人ずつ紙で配られるため音良の成績や他の人の成績はわからないが。えーと
生徒名:蘭雪良
六属性:600/528
その他:100/98
総合:700/626 →Aクラス
無機質な内容が短く書いてある。
「なあなあ蘭はどのクラスだったんだ?」
「先に言ってくれたら言ってあげる」
この多分成績自慢をしにきた嫌なやつは稲川匠。成績上位の奴。
「俺はA!586で!で、約束だろ。蘭のクラスは?点数は?」
私はニヤリとした。珍しく私の方が高かったからだ。
「Aだよ。それも626で」
彼は悔しそうにして帰って行った。清々しい。だからこそ、この時の私は気付かなかった。いや気づきようがなかった。これから移動するクラスで稲川と隣の席になってしまうことになるだなんて…