武器作り
この話だけで一週間くらい経ってます。
次の日、私は二日目も魔法科の授業をうけていた。しかも今日は全く別。魔法の武器、通称、魔道具を作る授業だった。
「では、この剣に魔力を込めてみましょう。」
そうして差し出されたのは木の剣。予算がないのだろうか。気を取り直して早速やってみると…すぐに壊れてしまった。
うん、魔力の込め方はわかる。昨日やったから。でも、魔力の入れ加減が難しすぎるのだ。入れすぎると壊れるし、入れなすぎると魔道具にならない。良い塩梅に魔力を込めなければならない。このくらい?壊れた…もう一度!お、今度は…魔道具になってない!じゃあもう少し…あぁ壊れた。
「雪良、私できた!雪良はできた?」
「できない…助けて、コツだけでも良いから教えて!!」
(鈴奈さんにおしえてもらえなくても魔力をやめるタイミングくらいは言うのに…ボソッ)
え?
私は紗良のお陰で魔道具作りが、雪中先生よりも上手いくらいになりました。紗良様様だなぁ…この調子なら六日後のテスト、私は大丈夫そうだ。しかしみんなそうはいっていないらしく私達はまた道場へ放課後、行くこととなった。正直、足が向かない。あの少女が怖いからだ。
「失礼しまーす…」
私は道場に立っていた。中に入ると例の少女が居た。強化研究の方にいたので私達は机の方へ向かう。私は違和感を覚えた。なぜだろう?そこで気づいた。彼女が練習している魔法が「その他」に属するものだったのだ。彼女が作り出したであろう、雲が浮かんでいた。おそらく「属性 雲」の持ち主なのだろう。なら私もセランカードでもみて「属性 桜」の練習でもしようかな!えーと、まず、お手本がないから想像すれば良いのか。いや、「その他」のお手本として教科書に載ってるかも…あった!「その他」の基本の定型…空間に属性のものを敷き詰めてそれっぽい効果をつける。いやいや!曖昧すぎるでしょ!じゃあ、何にすれば良いかなー空間は床に限るか、そうすると込める魔力も少なくて済むだろうし。それっぽい効果、まずそれっぽいとはってところからなんだよなぁ。よし、触れたら焼ける効果をつけよう。じゃあ名付けもしなきゃなの?じゃあ、焼桜、やけざくら、かなぁ…よし!思いついたなら実践あるのみ!
「広い方行ってくるね!」
みんな、早くないと言わんばかりの視線を浴びせてくる。でも冷静に考えればもう30分も経っているんだからこんなものじゃない?
広い方へ行ってみるとまだ少女が居た。この空間に二人しかいないため、どうしても意識せざるを得ない。それはあちらも同じようだ。そして少女は何を考えたのか私の方へ来る。そして話しかける。
「ねえ、何考えてんのか分からないけど集中しないなら出てってくれる?迷惑だから。」
こわ。でも私も負けじと反論する。
「別にこの道場は貴方のものじゃないでしょ。貴方にそんな事を言う権利があるの?」
多分桜田さんと本音を言い合ったらこうなるんだろうなと思いつつ、確かにね、と呟きながら遠くなる背中を見つめる。そして彼女は急に立ち止まったかと思えばまた魔法の練習を始める。マイペースな人だなと思いながらも私も魔法の練習を始める。まずイメージをもう一回固めなきゃ…
異世界転生から三日目は雪中先生から前置きがありました。
「あと四日で試験がありまス。その試験の成績によってこれから受ける授業の品質が変わりまス。全力で取り組んでください。試験には二種類ありまス。筆記と実践でス。実践の方が重視されまス。これらも参考にしてください。では本題に入りまス…」
これを受けた私は一日目、二日目と同じように授業を受けて、放課後二時間くらい道場に行って家に帰って、学校に行って、を繰り返しました。そしてついに今日が試験日となりました…
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