託して
「真由、鈴奈、どうして…どうしてこんな事、したの?」
私が問いかけると鈴奈は俯きそうになったが顔を上げ、真由は堂々としている。
「こんなことってどんな事?」
真由が問いかける。
「爆弾を設置したんでしょ!?」
私が答える。
「何でそう思うの?」
真由が問いかける。
「だって、今ここにいるじゃない!」
私が答える。
「ここって、どんなところ?」
真由が問いかける。
「爆弾がある場所!」
私が答える。繰り返す。
「埒が開かないなぁ!!」
私が言うと真由は不気味に笑う。そして一言、
「でしょ──?」
こわ。でも四葉は真由と知り合ってすらも居ないからか、この茶番に見ていられなくなったからか、それは本人しかわからないが─まあいずれにしよ、口を開いた。
「しらばっくれないで!状況から考えて貴方たちが爆弾を仕掛けようとしていることは明確でしょ?」
「だったら…どうするの?」
真由は初めて認める。
「爆弾をとめて。そして、なぜ爆弾を設置したのか教えて。」
そして次は鈴奈が初めて口を開く。
「そんなすぐに止めるなら、設置の意味がないでしょ?でも良いよ。理由くらい。」
そして鈴奈は、話し始めた。正直に、驚いた。まず、地球に意思があったのか。と驚き、次に地球の転生に関わったの?となり…でも一番驚いたのは…
「私は!みんなが期待してくれて、嬉しい。でも失敗したら大袈裟に反応する。しかも!ここぞと言うときに『どうせ才能でしょ』を発動させてくる。それが嫌だった!だから…だから真由に協力したの。見返そうって、思ったの。」
鈴奈の本音と
「私は努力したって、認められず、陰になって。嫌だった。才能に、憧れてた。だから、学校ごと破壊しようって思った。」
真由の本音に驚いたのだ。それでも…
「…間違ってるよ。狂ってるよ」
すると真由はキリリと怖い顔になった。そしてローブが優しい緑色から燃えるような赤色へ、そして真っ黒と変わった。それを見て、私は雪中先生の言葉を思い出す。「魔力は込められないでスが自然と使う内に自分に相応しいよう、柄が浮き上がりまス…」そして気づく。自然と、変わったのだ。気持ちが、優しい気持ちから悪意ある気持ちへと。
「雪良が言わないでよっ!!!いつも、いつも!みんな雪良を褒める!そして私は…私は期待してないからって!できないのが当たり前みたいにする!それなのに、期待してないはずなのに、がっかりして見せる!知らないんでしょ?あの惨めな気持ち!雪良は…雪良はそんな、こと言える立場じゃないの…」
少し語弊はある気もするが、真由から見ると、そうだったのだろう。でも、この調子なら、交渉して、爆弾をとめてもらうことは無理そうだ。
(ならば、戦う─ですね?)
その通り。そして私は魔法を想像する。そして口の中で小さく詠唱する。そして、それにいち早く気づいた四葉も詠唱を始める。そうしてやっと鈴奈が気づいた。
「真由っ!避けて!」
「矢桜!」
「檻雲!」
真由は間一髪で避けた。
「戦うってことね──」
「はぁ、はぁ…」
何この子!イメージにそぐわず強すぎるんだけど!
(おそらく清川鈴奈の分のスキルを奪ったのでしょう。)
そう言うことか!
「星絨毯!」
致命傷を負わされた。次だ。次で決めなきゃ…!すると、四葉が合図を出した。んー、これは…!分かんない!
(…ミオラ語で、「いつもの」です)
へー!いつものって…ナニ?
(貴方が一番分かるでしょう)
転生してからずっと一緒の人もわかるでしょ!
(わかりませんよ…無茶振りしないでください)
私は、ムッとした。でも、時間がない。あっ!いつものって…あれかな?内心ドキドキしながら、でも確信も得ながら、ありったけの魔素を込めて…
「落桜!」
「浮雲!」
やっぱりこれだったか〜。今、真由はかつての稲川のように、桜の落とし穴に落ち四葉によって引き上げられ大気の薄いところへ…あれっ?なんか忘れてる?あっ、鈴奈だ!
「鈴奈!早く爆弾を…」
「…あの謎の結晶が動いた。結晶から人の姿へとなったの。彼女は…人質になってる」
「どう言う要求?」
私は即座に聞いた。
「あの子達の代わりに、7つの星を侵略して欲しいと。」
そこで、真由が落ちてきた。
「ねえっ!ちょっと、私がやるんじゃ…うぐっ」
「貴方より有能かつ動かしやすい人がいるのだからそっちを使うに決まっているでしょう?」
地球が言った。でも、なぜ動かしやすいんだ?すると、その疑問を汲んだように四葉が苦々し気に説明してくれる。
「侵略を拒否するならこの子達をし、さらに爆弾の爆破をするそうよ。そして侵略した場合には元の転生前に戻すかもしれないって。」
え──私は絶句した。でも、それなら
「やるしかない、よね」
「それ以外の選択肢はないもの」
「やっとやる気になってくれた?」
そうして私達の7星侵略計画が始まった─
「才能」をテーマにしてますけど、私は才能のある分野、ない分野の差が激しい人です。




