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逃げた神々と迎撃魔王シリーズ 

王妃の恐嘆

作者: モモル24号


 ロブルタ王妃としての、私の役目は終わったようね。隣の帝国を支配していた邪神が倒され、支配の軛が外れたのを感じた。


 きっと私は裏切り者の王妃として断罪される。優しい夫と違い、王女(我が娘)母親()の首を切ることを躊躇わない。


 これはあの(王女)を男装の王子として利用したり、帝国へ生贄に差し出した報いね。それとあの娘が拾った、恐ろしく頭のキレる錬生術師(カルミア)の罠だ。


 私は密かに逃げるつもりだった。背中には、誰にも知らせていない魔力の翼があるから。しかし翼は消えてなくなっていた。


「⋯⋯あの錬生術師(小娘)め!」


 私はギリギリと歯噛みする。消失の原因は錬生術師の少女に、美肌の施術を薦められた時だ。スマイリー君(スライム型・ゴーレム)とやらに魔力の翼が喰らい尽くされていたのだ。


 悔しいくらい効果は抜群だ。何も知らない国王()に毎晩求められたわ。子まで授かったのに、あの少女は悪辣だ。人の心を‥‥魂を弄ぶ悪魔よ。


 少女は私の正体に前から気づき、ほくそ笑んでいたのだ。


 私は見たわ。彼女(カルミア)を裏切ったギルドマスターの末路を。毛の一本すら残さない、不毛の頭にされ泣き叫んでいたのだ。


 あんな惨めな⋯⋯不毛の生き物にはなりたくないわ!


 私は愛する幼子まで捨て、身一つで逃げ出すしかなかった。

 

 お読みいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
スライム型ゴーレムの威力はすさまじいですね。 髪の毛も魔力の翼も喰らい尽くせるのですから、上手く使えばムダ毛処理や腫瘍の除去などにも応用出来そうです。 それを使役できる錬生術師の少女は、敵に回したくは…
雰囲気ありました(^o^) [気になる点] 『悔しくらい』……
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