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秘密  作者: 佐々木叶
13/17

激怒#2


「お前ほんと、無愛想だよな。もっと愛想良くにこやかに過ごせよ」


「うるさい。余計なお世話だし。用がないなら早く帰って。こっちは眠いんですけど」


「渉に面白い話を持ってきてあげたの」


 連夜の横にいた、奈都がちょこんと頭を出し、ポニーテールに結ばれた長い髪の毛を揺らす。


「面白い話? 遠慮するよ」


 いかにも嫌そうな顔をつくると、またベッドに横になり、毛布の中に隠れた。


「おい、話くらい聞けって」


 連夜は、無理やり渉を起こす。


「同じクラスの木町雪穂って分るでしょ。ちょっと懲らしめたいと思ってさ。渉も手伝ってよ」


「やだ。意味わからないし。てか、それ僕関係ないじゃん」


「お願い! あたしら幼馴染じゃん。それくらい手伝ってくれてもいいじゃん」


 奈都は両手を合わせ、渉にお願いする。


「なんでも幼馴染って使うのやめてよ」


 困ったように、視線を泳がせたあと、小さなため息をついた。


「一緒にいるだけね。僕は何もしないよ」


 呆れたように渉は二人を見る。その答えを聞いた奈都は、飛び上がって喜ぶ。


「ありがとう、渉! じゃあ、私帰るね」


 用が済むと、奈都は二人に別れを告げ、保健室を出て行った。


「我がまま女王様……」


 そんな奈都を見て、渉はボソッと呟いた。連夜に聞こえないように言ったつもりだったが、それはちゃんと連夜の耳に届いてしまったらしい。


「そんなこと言うなよ。あれでも俺の彼女様」


「そうだね……」


 あくびをしながら渉は相槌を打った。


「俺も教室戻るわ。じゃーな」


 連夜も奈都に続き、保健室を出て行った。


 渉はやっと寝れると、眼鏡を外すとベッドに横になった。


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