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DEMONSMOB〜勇者に巻き込まれて転移した俺の物語〜  作者: はるりん
第1章 転移、そして目覚め
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八十・覇焔の郷 肆

 竜巫女とやらに気を取られている間に、気づけば俺たちは完全に包囲されていた。

 四方を取り囲む数十人の竜人族の戦士たち。

 ただの兵じゃない……精鋭か……!!


 まずいな……これは……。


 俺はすぐに以心伝心でリリスに問いかける。


(リリス……どうする?)


 だが、その返答が来るよりも先に、とんでもないことに気づいてしまった。


 ――忘れてた。俺は今、終焉の魔人の姿だったんだ!!


 そりゃあ、警戒されるに決まってるだろ!!!!


「竜として……こやつらには、指導すべきかと!」


 リリスが楽しそうに言う。

 いやいや、やめろ!お前の「指導」って絶対ロクなことにならないだろ!!


 俺が焦る間にも、周囲の竜人族の精鋭たちは着実に包囲網を狭めてくる。

 殺気はないが、明らかにこちらを警戒している。


 ……くそ、どうする?


 仕方ない、ここは演じきるしかないか……!


 俺はゆっくりと一歩前へ踏み出し、低く響く声で宣言する。


「オレは終焉の魔人……お前たちは何者なんだ?」


 その瞬間、竜人族たちの間に微かなざわめきが走った。

「終焉の魔人……様、ですか。私たちは、**覇焔の郷(はえんのさと)**に住まう竜人族……竜神の血を受け継ぎし者。」


 竜巫女が静かに、しかし揺るぎない声で告げる。


 まるで、ここに存在することそのものが誇りであるかのように。


 竜神? 覇焔の郷(はえんのさと)? なんだそれ……?


「この地は竜神の加護を受けし絶対領域。我ら竜人族は、外の者を決してこの地に踏み入れさせません。」


 竜巫女が静かに、だがはっきりと告げる。


 なるほど……つまり、ここは完全に閉ざされた領域ってことか。

 なんだか……とんでもなく面倒な場所に迷い込んでしまったようだ……。


「それで……お前たちは、罪なき者の命まで奪うというのか?」


 俺は周囲を見渡しながら低く問いかける。

 竜人族の戦士たちは微動だにせず、竜巫女も表情を変えない。

 まるで、俺の言葉すら試しているかのように。


「……罪なき者、ですか?」


 竜巫女が静かに呟く。


「ならば問います、終焉の魔人。貴方は罪なき者なのですか?」


 挑むような、しかし澄んだ声だった。


「……言っただろう?」


 俺は一歩前に出る。


「オレは終焉の魔人だと!!」


 まるで大気が震えるような圧を放ちながら、ゆっくりと言葉を続ける。


「この世界を終焉に導く者だ……!!」


 竜人族たちの間に、一瞬、ピクリとした動揺が走る。


 だが、竜巫女は眉一つ動かさず、ただ俺を見据えていた。


「それが貴方の”答え”……?」


 何を試されている?

 こいつ……何を考えている?


 竜巫女が静かに呟いた、その瞬間——


「ならば、証明してもらいましょう……!」


 巫女の瞳が鋭く光ると同時に、竜人族の戦士たちが一斉に構えを取る。


 ……やっぱりこうなるのかよ!!


「はぁ……仕方ねぇな……」


 俺は肩を竦めながら、一歩後ろに下がる。


「リリス、やるぞ」


「ふふ……待ち望んでいましたよ」


 リリスが楽しげに微笑み、黒いオーラを纏いながら前へ出る。


「終焉の魔人……貴方の力、見せてもらいます……!」


 竜巫女がそう告げると同時に、竜人族の精鋭たちが俺たちへと襲いかかってきた。


(リリス……!!この巫女はどうやらオレが狙いらしい!他の奴らは任せるぞ!)


 俺は以心伝心で素早く指示を飛ばす。


(あらあら、ヒナタ様ったら。巫女様と一対一だなんて……ふふ、いいでしょう。楽しんできますね♪)


 いや、楽しむな!!


 リリスは軽く微笑むと、竜人族の精鋭たちを引き連れ、俺たちから少し離れた場所へと移動する。


 さて……これで、俺と竜巫女の一騎打ちか。


「……では、終焉の魔人。貴方の力、見せていただきます。」


 竜巫女が静かに構えを取る。


 まったく……どいつもこいつも俺のことを試したがる。


「魅せてやろう…」


 俺も黒焔刀を作り出し、迎え撃つ準備を整える。


 ———戦いの火蓋が、今、切って落とされた。

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