表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DEMONSMOB〜勇者に巻き込まれて転移した俺の物語〜  作者: はるりん
第1章 転移、そして目覚め
55/151

五十五・深緑の戦火 伍

あぁ……もう面倒だ……!!


この森じゃ、無闇に炎を放てば全てを焼き尽くしてしまう。 敵だけでなく、この森に住む者たちの命も奪いかねない。


なら――別の手で制圧する!!


༄《焉怒雷》・乱舞……!!


“《バチバチバチバチッ!!》”


轟音とともに雷が弾け、俺の周囲を覆い尽くす。瞬時に放たれた無数の雷撃が空間を貫き、俺を中心に巨大な雷の輪を描きながら荒れ狂う。


“《ズガァァン!!》”


稲妻の嵐が敵を次々と呑み込み、魔族たちの悲鳴が雷鳴にかき消される。


過半数は仕留めた……! だが、まだ終わらない。いくら数を減らそうと、あの転移魔法の使い手を倒さなければ意味が無い……!


どれだけ魔族を蹴散らしても、次から次へと新たな個体が現れる限り、この戦いは終わらない。まるで無限に湧き出す泥沼に足を取られているような感覚。


やはり、先に……そいつを潰す……!!


俺は迷いなく地を蹴り、稲妻の残光を背に爆発的な加速で標的へと跳ぶ。 風を切る音が耳元を裂き、狙いを定めた魔力の流れへ一直線に突っ込む。


――だが、その瞬間。


「すごぃなぁ……今の雷……」


“ガキィン!!”


鋭い爪が俺の軌道を塞ぐ。咄嗟に体勢を崩し、回避しながら着地する。


“カルラ……!”


このままじゃ、ジリ貧だ……!


カルラと戦えば、その隙に魔族が増え続ける。かといって、転移魔法の使い手を狙えば、カルラが必ず立ちはだかる。


どちらを優先しても、もう一方が邪魔をしてくる。まるで、巧妙に仕組まれた袋小路。このまま正攻法で挑んでいては、いずれ押し切られる……!!


しかも、時間が経つほど魔族の数は増え、俺の消耗も激しくなる。持久戦に持ち込まれるのは最悪の展開だ。


ならば――今この場で決着をつけるしかない。


……先にこいつを仕留める。


迷いはない。ここで足止めされ続けるわけにはいかない。


俺は一気に踏み込み、カルラと魔族たちを同時に相手取る。


爪が唸り、牙が閃き、魔力が炸裂する。 次々と襲いかかる猛攻を捌きながら、俺は隙を見つけて反撃を繰り出す。


まるで嵐のような攻防。


だが――


──────────と、見せかけて!!


俺は一瞬、体勢を崩した“フリ”をする。


カルラの目がわずかに細められ、魔族たちの動きが一瞬乱れる。


その瞬間――俺は全力で狙いを切り替えた。


「本命は……おまぇだぁぁ!!!!」


俺の右手を中心に、魔力の圧が風となり、荒れ狂うように渦を巻く。 空気が震え、地面がひび割れる。


「࿓《神薙(かんなぎ)》!!!!」


“《ズガァァァァンッ!!》”


俺の右手から放たれた斬撃――赤黒い稲妻をまとった黄金の刃が、空間ごと引き裂くように疾走する。


逃げる暇なんてない。回避なんて許さない。


――その一閃は、転移魔法の使い手の身体を真っ二つに切り裂いた。


“《ギャアアアアアッ!!》”


魔族の断末魔が青空の下に響き渡る。


黄金の軌跡が消えた瞬間、転移魔法の魔力の流れが途絶えたのがはっきりと分かった。



──────────


その瞬間――


空気を裂く鋭い殺気。


カルラの予測不能な剣先が、まるで影のように俺の懐へ滑り込んできた。


軌道を読ませない、不規則で狂気じみた一撃。避ける隙も、受け止める余裕もない。


しまった……油断した──────────

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ