表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DEMONSMOB〜勇者に巻き込まれて転移した俺の物語〜  作者: はるりん
第1章 転移、そして目覚め
51/151

五十一・深緑の戦火 壱

「そ、そうだな〜……一番年上で経験の多い……ラミアさんかな〜……?」


俺は適当に言ってみる。


ただの**“感”だ。いや、全く役に立たない俺の“感”**だが!!!


すると、ラミアが微笑みながら頷いた。


「ふふっ。ヒナタさんは見る目がありますね!」


嬉しそうな表情を浮かべるラミア。


(よし、なんかいい感じに収まった……?)


そう思ったのも束の間――


俺はふと、隣にいる二人の視線に気づく。


……次女・リーリャと三女・ルルンが、静かに怒りを滲ませていた。


目が据わってる。めっちゃ睨んでる。


(やばい、これ……勝負の火、完全に着いちゃったやつだ……!!)


リーリャはニコニコしながらも、どこか冷たい笑みを浮かべているし、ルルンは**「むぅー!!」**と頬を膨らませて怒っている。


いや……これ、どう答えても――


“詰んでるんですけど──────────”




俺たちは、《常葉の庵》を離れ、深緑の森奥地まで来ていた。


そして――遊び、もとい勝負が始まる。


凄まじい速度で森を翔ける三姉妹。


枝から枝へと飛び移り、木々を縦横無尽に駆け抜けながら、弓を引き絞る。


“シュバッ!” “ヒュンッ!!”


矢が風を切り裂き、標的を正確に射抜いていく。


“ドスッ!” “ズバンッ!”


獲物が次々と仕留められ、森に静かな余韻が残る。


「やった! これで5匹目……!!」


三女・ルルンが嬉しそうに飛び跳ねる。


「ふっ! 私はこれで8匹目よ……!」


長女・ラミアが挑発的に笑う。


「これで11体目……。」


次女・リーリャがニヤリと口角を上げる。


「ずるぅい……!! リーリャお姉ちゃん、ズルしてるでしょ!!」


ルルンが悔しそうに叫ぶ。


「ふん……ズルも実力のうち。」


リーリャは涼しい顔で言い放つ。


どうやら、彼女は索敵や追尾系の魔法を駆使していたらしい。


(……というか俺、何見せられてんだ?)


完全に蚊帳の外の俺。そんな中、ルルンが俺の方を振り向き、詰め寄ってくる。


「審判……! これは不正ではないですかぁ?」


そう、どうやら俺は審判らしい。


「まぁ……でも……確かに魔法の使用制限は決めてないからなぁ……それも実力のうちってことで……。」


「むきっっー!!」


ルルンが怒りのあまり地団駄を踏む。


「私たちがそういう魔法を使えないことをいいことに……!!」


そう言いながらも、すぐに再び勝負へと意識を戻す三姉妹。


俺はそんな彼女たちを見ながら、ふと思う。


(それにしても……リーリャのあの魔法と弓、だいぶ厄介そうだな。)


純粋な弓の技術だけでなく、魔法によるサポートまで組み合わせている。


(意外だな……次女が一番の弓使いだったなんて。)


俺は腕を組みながら、彼女たちの戦いを見守るのだった。


──時が流れた。


森の静寂の中、勝負が終わりに近づこうとしていた、その時――


“ザッ……!”


(ん……!?)


何かが引っかかる。


急に、異様な気配を感じた。


しかも……一体じゃない。複数体いる。


(まさか……魔族か……!?)


俺は感覚を研ぎ澄まし、周囲を探る。


そのうちの一体が、猛スピードでこっちに向かってくる。


(……俺たちの存在に気づいたのか……!?)


距離はまだ離れている。それでも、この速度と正確さ――ただの偶然とは思えない。


だが、一体だけが向かってきているということは、他の魔族たちはまだ気づいていない。


(……ってことは、今ならまだ対処できる!!)


しかし――


三姉妹はまだ気づいていない!!


(まずい……! このままだと、あと数十秒でここに到達する!!)


仕方ない……俺の得意な遠距離能力で迎撃するしか――


(……いや、ダメだ。)


俺の攻撃は、どれも威力が大きすぎる。


ここでド派手な一撃を放てば、確実に他の魔族にも気づかれる……!


(ならば……ここのやり方でやらせてもらおう!!)


俺はすぐに魔力を練り、形を変える。


࿓《絶炎焔》を弓形態に変更!!


容量は、以前剣を作り出した時と同じ。


燃え盛る赤い炎が形を変え、俺の手の中で深紅の弓となる。


次に――


࿓《鑑定眼》を使用し、相手の距離を……!!


……ダメだ!!


鑑定眼では、把握しきれない……!!


(クソッ……!! これじゃ、正確に狙えない!!)


その時、視界の端に突如として文字が浮かび上がる。


――《࿓鑑定眼ノ変異進化ヲ実行シマス……》


(……なに!?)


脳内に流れるように現れる、冷たく無機質な文字列。


――《࿓鑑定眼ヲ……》


――《࿓千里眼(せんりがん)ニ変異進化シマシタ──────────》


一瞬、視界がぶれる。


次の瞬間――


俺の目は、すべてを見通す力を得た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ