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DEMONSMOB〜勇者に巻き込まれて転移した俺の物語〜  作者: はるりん
第1章 転移、そして目覚め
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二十一・洞窟の崩壊

一方その頃、魔族襲撃を受けたグリムラッド王国・ラテルスでは…


「う…嘘だろ…これが…あの……賑やかだったラテルスなのか…!!?」


男は絶望の表情を浮かべ涙が溢れ出ていた。

魔王配下・カイラナの襲撃から数時間が経っていた。

ラテルスは見るも無惨な姿に変貌していた。一歩歩くと死体に躓き、立ち止まるとどこからともなく悲鳴が聴こえる。美しかった風景は今や血飛沫で紅一色で覆われていた。


「オイオイ…まだ生き残りが居ンじゃねぇか…」



男の前に現れたのは…この惨状の元凶であるカイラナだった。



“シュインッ”


「はい…お終いィ」


意図も簡単に男の首を切り落とすカイラナ。男は気付くことなく命を落とした。


「はァ…つまんないねェ…この街の奴はもう殆ど殺っちまったからねェ…」


不満そうに嘆きながらどこからともなく水晶を取り出した。その水晶は光り輝き、ある人物を写し出した。


「この街はもう狩り尽くしましたァ…王都に進行していいですかァ?“バフォメット様ァ“」


水晶の相手は【魔王】の一人、バフォメットだった。


「駄目だ。すぐにそこから立ち去れカイラナよ。」


「ナッ!ナニを言ってるんだァ!?バフォメット様!!この街の制圧は完了したァ!何も問題は無いはずだろォ!」


「【英雄帝(えいゆうおう)・アレス】がそこに向かっているとしてでもか?」


「ナニ…!?英雄帝アレスだと…」


「そうだ。先程、密偵から連絡があった。隣国の地からグリムラッドへ向かっていると…」


「(英雄帝…!数々の伝説を残す…魔族の敵…!一度戦ってみたかったんだァ!!)なら…尚更逃げる必要は無いんじゃねェのバフォメット様ァ。

このカイラナ様が奴を始末───────」



“カイラナァ!!!”


突然、バフォメットは口調を荒らげた。


「口を慎め…愚鈍な奴め。英雄帝…奴は“七大覇傑”の中でも別格…お前如きが手に負える相手では無い。」


「で、でもよォ…!それじゃァオレの気が収まらねェ!」


「全く…仕方がない。暴れ足りないのだろう?だったら重要な任務をお前に与えよう。本当ならヴァリーに頼むつもりだったのだが…」


ヴァリーとはカイラナと同じ、バフォメット幹部【三昏畢(みつくれ)】の一人だ。


「やらせてくれェ!!(ヴァリーなんかに手柄を奪われてたまるかァ!)で…“重要な任務”ってのはァ……?」


「あぁ…お前には─────────

勇者を殺してもらう」


バフォメットは不敵な笑みを浮かべながらカイラナに囁いた。それを聞いたカイラナは不満そうな顔から一変、まるで神が自分に幸福をもたらしたかのような嬉しさいっぱいの表情だった。その後…バフォメットから勇者暗殺の詳細を聞いたカイラナは勇者の居る、【タナトス王国】へ向かう。



”待ってろよォ…勇者共ォ───────”



カイラナの震えた声がラテルスに響いた─────







一方その頃…勇者・神宮寺蓮達は呑気に王都を楽しんでいた。すぐそこに…災厄の魔の手が迫っているとも知らずに。









そして場所は魔虹洞窟へと戻る───────



「マジかよ…ゴーレムの奴、あのリリスと渡り合ってる…」



リリスとゴーレムは攻守攻防を繰り広げていた。目に見えぬ程の打撃の撃ち合い、無数の魔法による砲撃…両者一歩も引かない激戦だった。



「フッ…これはどうかな岩コロ!

【༅破咆(クラッシュ・ハウル)༅】!!!」


リリスは口から破壊光線を繰り出した。その威力で地鳴りが起きている。

この技…俺とリリスが戦った時の、あの森一体を消し飛ばした時の魔法の劣化型か…あの時程の威力は無いとはいえ、直に受けたらひとたまりもないな…多分、普通の人なら消し炭に…いや、俺がくらっても恐らく消し済み…ヒェッ…

俺は再び、リリスを”怒らせない“と心に誓うのであった。


「おいおい…嘘だろ…」


リリスの【༅破咆༅】を正面からくらってもゴーレムは動いていた。【༅破咆༅】によって砕かれた身体がみるみるうちに元通りになっていく。

やっぱゴーレム(こいつ)、再生かなんかの能力を持ってるのか。面倒だな…これじゃあ幾ら倒してもキリがない。俺は渋々、重たい腰を上げた。



「リリス!ゴーレム(こいつ)は強い…!!二人でやるぞッ!!」


「ヒナタ様と共闘ですかァ!!?熱いですねぇ!!」


「さっさと終わらせて…この部屋の秘密、明らかにしよう!」



まずは……肉弾戦だァ!!!

俺はゴーレムの背後から殴りかかった。想像以上に強固な硬さだったが(リリス)の衣ほどでは無い。俺は無数の打撃を繰り出しリリスもそれをアシストするかのようにゴーレムの攻撃を見抜き反撃出来ぬよう、手足を中心に攻撃していた。

二人がかりでも倒れないのか…このゴーレム…ほんとに魔王クラスなんじゃ…


「…だったらッ!これならどうだッ࿓《闇縛永鎖》࿓!」


さっきの闇縛永鎖は通用しなかった…!なら使い方を工夫して!

俺は洞窟の壁にくっつくようにゴーレムに鎖を繋げた。



「よし!これで身動きは取れない…!今だリリス!!」


「はいッ!(先迄の攻撃は奴には無意味…だが再生を上回る破壊なら!)誇っていい…この私を一瞬本気にさせるのだから!」


なんだ?リリスの魔力…オーラが上がっていく。

リリスの身体は見たものの目を焼き尽くすかと思わせるほど禍々しいオーラで溢れていた。


「消え失せろ…

༄《竜王ノ怒(ドラグニル)》༄─────」










……なにが、起きた…?一瞬気を失ってたのか…確かゴーレムと戦っていてリリスの能力で…そうだリリス!リリスの攻撃に巻き込まれたのか!!ゴーレムはどう────なんだこれ…


俺は驚きの余り声を出せなかった。何故なら、洞窟に夕焼けの儚い光が差し込んでいたからだ──────


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