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DEMONSMOB〜勇者に巻き込まれて転移した俺の物語〜  作者: はるりん
第1章 転移、そして目覚め
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十六・王都アスタロトへ

戦意消失したゴルディー率いる死行進団を全員縄で縛り捕縛した勇者達…



「だけど…いったい誰が…その悪魔を倒したの…?」


朱里が蓮に不安そうに尋ねた。



「分からない……でも…コレだけは分かる…

悪魔を倒した人(ソイツ)”は化け物だ……!!」


俺は勇者達よりもはやくみんなの待つ馬車に戻った。どうやら怪しまれてはいないらしい…


数分後、神宮寺達が廃村から囚われた仲間と共に帰ってきた。死行進団の団員は廃村に逃げられないように括りつけてきたそうだ。

囚われた者の中には泣いてる人も居た。

時間はもう遅く、夜に山道を進むのは危険というネチェルさんの判断で俺達はその場で一泊過ごすことになった。

本当なら今頃…王都で大浴場にでも浸かっていたのに…



“ギュルルルル”



誰かのお腹が鳴った。確かに…昼から何も食べてないしな…



「私たちの腕の見せ所ね…!」



そう言ったのは普段は影の薄い……たまに出てくる

サブキャラの【八重桜(やえざくら) 胡桃(くるみ)】だった。彼女は明るく誰にでも優しい。俺にも優しく接してくれる…モブ界の女神とも呼ばれているそうな……そして何より家事全般、勿論料理も大の得意らしい。



「食材はこちらに……」



最も肝心な食材は念の為ネチェルさんが荷馬車に積んでいたらしい…これで今夜は何とかなりそうだ。

その後、数十分で八重桜率いる女子達がカレーを作り皆で頬張った。

美味…!この味が女子高生に創り出せるとは!!!

八重桜さん……もしかしたらとんでもない逸材なんじゃ……


食事を済ませた後、拉致という恐ろしい体験をした俺達はすぐに就寝につく。



眠れない……


目を閉じても眠気が来ない…なんてこったい…明日は朝早く出発だというのに…少し散歩でもするかな…


俺は他の人の睡眠を妨げないように静かにその場から離れた。


ふぅ…どうして眠れないんだろう…ん?明かり?


少し歩いた先に見晴らしの良い絶景スポットがあった。そこには木々の影は無く月の光が一直線に届いていた。



「凄い……こんな景色…初めて観た…」



「ヒナタ様…?!」



そこにはリリスが居た。岩の上で夜空を眺めていたらしい。



「まさか…先客が居るとは…」



「ふふっ…この絶景につい魅入ってしまいました!ヒナタ様はどうしてここに…?」



「いやぁ…ちょっと眠れなかったから散歩でもしようかと思って…」



俺は岩の上に登りリリスの横に座った。

今まで気が付かなかったけど…空一面に星が輝いている……夜の虹のような美しさだ…



「もう一度……」



「ん…?」



「もう一度この星空を眺めることが出来るなんて…夢にも思いませんでした……!数百年振りに観るこの景色…ヒナタ様と眺めるこの景色……この先、私の大切な想い出(たからもの)になる事でしょう…!!」



リリスは優しい笑みを浮かべながらそう言った。俺にはどこか…悲しい表情にも見えた。




翌日の早朝、俺達はすぐに馬車を走らせた。昼前には王都が見える位置に辿り着いていた。



「あれが…王都!他のどの街とも規模が違う…!!」


神宮寺達の会話はあまり聞き取れなかったがどうやら興奮している様子だ。

興奮する気持ちも分かる…神々しい輝きを放つ王都…!重要な場所である王都…!ゲームや漫画の世界に来ているようだ!!これぞ…!異世界ファンタジー!!


数分後、俺達は王都の大門を通り抜けた。すると…


パンッ



”ようこそ!!

王の都アスタロトへ!勇者様!!“


パンッ



門の先の道の左右は勇者を歓迎する大勢の人で溢れ返っていた。

まるでパレードだ…その群衆に向かって勇者一行は手を降っている…すっかり有名人だな…!全く…!群衆の眼に映っているのはあくまで勇者達だけ…!俺達にはなんの視線も向けない…!!群衆(アイツら)にとって俺達は主役の背景にしかならない。

群衆を縫うように進み、ある屋敷に辿り着いた。どうやら国王が勇者の為にと用意してくれたらしい。



「それでは…参りましょう。王宮へ…!!」



荷物などの整理を終わらせ、ネチェルさんと共に王宮へ向かった。













勇者一行──────────



「ここが…王宮…!!」



王宮に着いた蓮達はその広大な城の敷地に驚いていた。ネチェルに案内され王宮内へ入っていく。すると案内人が出迎えてくる。




「お待ちしておりました…勇者御一行様。」



蓮達は案内人に指示された接待室に通され、王との面会まで待機していた。



「それにしても…棚やら壺やら全て高価すぎるだろ…」


駿は王宮内の豪華すぎる装飾に驚いていた。他の勇者達は国王との面会に少し緊張していた。



「蓮、どうしよう…私…礼儀作法なんて分からないよ…!」



「大丈夫だよ朱里。国王だってそれを承知の筈だ!」



「皆様…準備が整いました。

それでは参りましょう…王の元へ…!」



ネチェルの案内で王の間の扉の前まで辿り着く。



「国王様…!!かの者達を連れて参りました…!」



『“入れ…”』



部屋の中から渋い威圧感のある声が響いた。それに怖気付く生徒は何人もいた。扉はゆっくりっ開き蓮達は王の間の中へ入っていく。王の前まで来たネチェルは膝まついた。それを見本に蓮達も同じ格好をする。



『よくぞ来た…勇者よ…余は其方と会うのを心待ちにしておった…!』



「御…御尊顔を拝し、恐悦至極に存じ奉ります。」



『そう畏まらんで良い…異世界の地から来たのだ。作法などまだままならないだろう。そんな事よりもまだ、余の名を名乗っていなかったな。余はタナトス王国・国王アバドン=ファウストである…!!』



その場に居た全員がアバドン王の気迫に圧倒された。アバドン王の眼差しは蓮に向いていた。


『さて…本題に入ろう。今回の【死暗竜の討伐】、そしてここに来る道中の【死進行団とやらの輩の捕縛】…実に大儀であった!!!異世界に来て早々に功績を残すとは…全く恐れ入る。勇者・神宮寺 蓮とその一行よ…褒美をやろう。望みはなんだ…!』



「褒美だなんて…僕達は大したことはしていないです…」



『そう謙遜するな…お前たちのお陰で犠牲者は出なかったのだ!さぁ…遠慮は要らぬ!望みを言え…!』



「そ…それでは…僕達の武器や防具の装備を頂戴したいです…!」



今まで蓮達は神器・を除き、その他の武器や防具は何処にでもあるような品質の低い品だった。



『ほう…その程度のこと造作もない!良かろう!異世界の地より来た全ての者にタナトス王国誇る最高品の装備一式を与えると共に勇者一行に金貨二百枚を贈呈しよう…!!』



「そ…そんな大金…!」



『構わん…!人々を救けてくれたのだ…!

これから先…魔物や魔王のような強大すぎる敵がこの国を…世界を破滅に導く時が来るやもしれん……勇者・神宮寺蓮よ…貴様はその時、世界を救ってくれるか……!!』



「勿論です…!僕達はその為に異世界に来た…!!」













─────そして同時刻、ここは王都の何処か…




「““へぇ…()()()勇者が国王と……””」




その赤髪の青年は不敵な笑みを浮かべると何かを決心したかのような真剣な表情に一変した─────

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