麻雀店員もある意味店の客
土日でMJ(ネット麻雀)のチップを15万から0にする快挙を成し遂げた記念に雀荘店員時代の駄文でも書いてみようかと思う。
雀荘店員とは基本時給が高い。自分の働いていた場所は時給1400円だった。しかしそれには当然裏があって、3人麻雀の店だったのだが、【ゲーム代30分700円】の麻雀を打たされ、給料からゲーム代をとられるからに他ならない
麻雀とは4人又は3人で行うゲームだ。お客さんが2人だった場合ゲームにならない。その場合誰かが来るまで店員が入る事になる。他にも電話や食事などで抜ける場合お客さんに代わり麻雀を打つ【代走】という仕事がある。そのためバイトの麻雀店員は接客している時間より麻雀を打つ時間の方が長かったりする。
わたしが勤めていた店は東天紅と呼ばれる満貫や跳満などがなく役やドラを点数として加点していく1点100円の店だった。(例:タンヤオ6点 ホンイツ 8点 ドラ一つにつき2点 など)
更にそこに赤牌(持ってアガれば6点)や金牌(同じく10点)などが抜きドラや3・5・7の牌に山ほどはいっているので、一回のアガりで60点、70点超えるのは日常茶飯事、役満は200点だが3局あれば取り返すことも簡単な〝普通の麻雀〟を嗜んでいる人からすればあり得ないルールだ。
東天紅三麻の異様性は、ロンなら60点(1点100円)をそのひとから、ツモなら二人から貰えることだろう。時給1400円の人間が一回のアガりでいきなり12000円貰えることになる。麻雀したことある人なら解ると思うがツキがあるときは本当に止まらない。大連荘すればトンデモナイ事になる。逆も然りだ。
そんな訳で時給は1400円、しかしゲーム代でとられ、一時間で5~6万円動くこともザラな麻雀をひたすら打ち続ける。
麻雀は囲碁や将棋と違い、強者=勝者ではない。
カイジじゃないが負ける時は地の底まで負けるのがギャンブル。給料マイナスになることをアウトオーバーというのだが、毎月誰か彼かがアウトオーバーをしていた。そういう意味で店のオーナーからすればバイトも客の一員なのだろう。
そんな訳でアウトオーバーで飛んでしまう人はザラにいる。わたしが働いていた2年だけでも15人以上、うち2件は売り上げに手を付けて逃げた。
斯く言うわたしも一度大負けして13万のアウトオーバーをやらかしたことがある。看護師とのパートを掛け持ちしていたのだが、どうしても5万円たりず当時の婚約者に土下座してなんとかした。
【好きな事で、生きていく】なんてキャッチコピーがあるが、雀荘店員は麻雀が本当に好きな人なら理想の職場かもしれない。大手なら借り上げの社宅があるし、飯は賄いで済む。あとは麻雀打っていればいいだけだ。ただし未来への希望は無い。
実際店員の中には店に30万以上のアウトオーバーをして給料毎月持っていかれただ働きしている壮年の人がいた。ここまでくれば店の奴隷だ。しかし店辞めたら犯罪者かホームレスという人が魔都ススキノには売るほどいる。
もし〝麻雀が好きで雀荘で働きたい〟というなら普通の点5の店をオススメする。引かれることはあるだろが、時給はしっかり手元に残るだろうし、麻雀も上手くなるだろう。