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「ほんとサイテーだよね。全校生徒の前で恋人宣言するとか」つむぎは、言葉のわりには上機嫌なように見えた。「あのとき紙すり替えてたでしょ」


「なぜバレたし」俺は特に驚いたわけでもなく、得意げに種を明かした。


「全部私と仲直りするために仕組んだってことね」


「ずっと好きだったからな」


「好きにしてはやることが強引でキモいんだって。おかげでこっちは女子グループからハブかれたし」


「悪いと思ってる」


「絶対思ってないって、その顔は」つむぎはいたずらっぽく笑う。その笑顔は、とても愛らしく見えた。


「なあ、キスしてもいいか」


「ここ教室ですけど」


「誰もいない教室だ」


「本気で言ってるの?」


「もう自分の気持ちに、嘘はつきたくないからな」


 つむぎはちいさなため息を一つ漏らし、ややあって、観念したように目をつむった。

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