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優柔

「優しいね、秀君」


 向かいに座る道秀君はいつものように私の話を親身になって聞いてくれる。

 

「ほんと、ひどいね」


 そう言っていつも私に寄り添ってくれる。


「なんで、伝わらないのかな」


 “重いんだよ”


 今でも心に突き刺さったまま抜けない彼の言葉。

 重い? 当然じゃない。こんなに好きなんだもの。軽い方がおかしいんだよ。


「彼はその程度って事なのかな」


 私の愛と彼の愛はまったく釣り合っていない。

 何度も無理かもと思ったが、本当にもうダメなのかもしれない。


「彩夏は、まだ付き合いたいの?」


 遠慮がちだったが、踏み込んだ言葉だった。


「……分からない」


 道秀君ががっかりしているのが分かった。

 分かっている。自分だって分かっている。


 ――すっげー可愛いよ。


 甘い言葉。ベッドの中でしか囁かれない言葉。それでも一瞬で私を幸せにする言葉だった。

 私の事をそんなふうに言ってくれる人は今までいなかった。私には十分すぎる言葉だった。


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