ココナちゃん旅の商人に会う
山を下るとジャングルに出た
う~ん意を決して下山したのに
あんまり変化が感じられないな~
まあしかたない、とりあえず進もう
ジャングルではワニの様な魔物がいたから
少し苦戦しながらも倒してお肉を食べてみた
ワニの肉は鶏肉みたいという話を聞いた事が
あったけどたしかにさっぱりとした肉だ
こうしてワニ肉などを確保しながら
三日ぐらいさまようと
ようやくジャングルを抜けた
そして私のレベルは17になっていた
ジャングルを抜けるとついに舗装してある道を発見した
凄く簡単な補装だけど両端には所々に
簡単な木の柵もあるし
あきらかに人が通るために作られたモノだよね
この道沿いに歩いていけば
村や町に出られるのかな??
私はどこに向かう訳でもなく
ひたすら街道を歩き続けた
すると少し先に馬車の様なモノが
こちらに向かって来た
「おおっこれはやっと人に会えるのか??」
ただ危険な人かもしれないから
少し街道からそれて岩の影に隠れた
岩陰から覗くと少し中年太りしたオジサンが
一人で馬車を運転していた
よしっなんかいい人そうだし
思い切って声を掛けてみよう
声を掛けてみるとオジサンは少し驚いた顔をしながら
「おやっこんなに若い女性の旅人とは珍しいですね」
「うんっ少し前に山から下りてきたの」
嘘は言っていない。オジサンは私が山の奥にある
すごい田舎から出てきたと納得していた
どうやらオジサンは旅の商人らしく
色々な旅の必需品を紹介してくれた
馬が引いていた馬車がアイテム倉庫みたいに
なっているらしく色々な商品を出してくれた
どうやらこの世界にもアイテム倉庫みたいな物が
あるらしく商人さんの話によるとここでは
アイテムボックスやアイテム袋と言うらしい
まあ瓢箪水筒をオーク達が持っていたのだから
あるだろうなとは思ってはいたけど
私は初心者応援パックに入っていた
ゲーム内通貨を使えるか
ダメ元で聞いてみた
すると
「銀貨ですね~もちろん使えますよ」
おおっ使えるんだ・・
商人さんが紹介してくれた物の中に
宝石の様な物が埋め込まれてる商品が
いくつかあった
宝石の付いてる物はさすがに買えないかな・・
などと思っていると
「おやっそれが気になりますか?」
「はいっでもさすがに宝石の付いてる
物を買うお金は持ってないですけど・・」
「ああっそれは宝石じゃないですよ」
「それは初級の錬金術で作られた錬金石ですね」
錬金術?錬金石??
凄い!そんなのあるんだ!!
やっぱりここは異世界なんだね
「ほらこの赤い錬金石を触ると・・」
「うわっ火が出た!!」
商人さんが石を触ると
錬金石が埋め込まれている
筒の先から火が出てきた
なるほどライターみたいな物か
これは便利だ
「さらにこれなんて便利ですよ」
「これは風魔法と水魔法が融合した錬金石でして」
そう言うと錬金石が細長い棒に付いている物を
紹介してくれた
「これを口の中に入れると水流が発生して
口の中を掃除できるのです」
おおっ電動歯ブラシだ~
私はいつも香りの付いた花を噛んで
水でうがいをしていたけど
コレはかなりありがたいかも・・
「他にはコレも風魔法と炎の魔法が付与された錬金石でして」
と言うと少し大きな物を取り出した
「少し熱を帯びた真空の刃でヒゲが
剃れるんですよ」
「ちゃんと魔力を調節してありますから
肌も傷つかない優れ物です!!」
「まあお嬢さんみたいな方には必要ないかもしれませんが・・」
おおっまさに電動シェーバーだ
それにしても商人さんは女性の事を
何もわかってないな~
女性には必要ないって??
いやいや必要ですとも
実は私はある問題を一つ先送りにしていた
それは
ムダ毛処理だ!!!
生きていく上での優先順位は低めだったので
先送りしていたのだ
でも私も女子高生だしね
最低限の身だしなみぐらいは気を付けないとね
ジャングルを抜けてきた女子高生が
ジャングルみたいというのは
さすがに笑えない・・
商人さんに値段を聞くと
ライターが銅貨3枚で
歯ブラシは銅貨7枚
シェーバーは銀貨一枚と銅貨2枚とのことだった
う~ん少し高いけど買ってしまおう
私が銀貨3枚出すとお釣りをくれた
「その商品は低級の錬金石ですから一年ぐらいで効力が失われてしまいます」
「その際は錬金屋さんに行くと少しお金は掛かりますけど石を交換してくれるはずですよ」
なるほど永遠に使えるものではないのか
それにしても錬金屋さん??
そんな店まであるのか
最後にこの辺りに町や村がないか聞いてみると
この道を三日ぐらい歩くと
アコール村という小さな村があるとの事だった
ついに村の存在を確認できた!!!
さらに色々とこの世界の事を商人さんに
聞いてみると色々と教えてくれた
この世界には冒険者という仕事があるらしい
冒険者って言うとやっぱりゲームとかで
よくあるあの冒険者だよね??
世界中を旅するなら冒険者になって
お金を稼ぎながら旅をするのもいいかもしれない
「それじゃあ商人さん色々とありがと~」
「いえいえこちらこそお買い上げありがとうございます」
「どうか良い旅を~」
商人さんに挨拶をして
私はアコール村と言う所に向かう事にした