◆登場人物紹介◆ ネルビア訪問編
スペシャル連続更新二日目の二回目です。
本日この人物紹介よりも前に一話本編更新しておりますので読み飛ばしにご注意下さい。
今までも本編ではちょいちょい登場人物が当たり前のようにサラッと追加になっていましたが、ネルビア編はほぼモブの人も含めて名前が増えるため設定と関係性含め人物紹介することにしました。
既に何度も登場している人たちについてはネルビア編での立ち位置などの説明となっています。
設定に関しては随分前に決まった人がほとんどで、ストーリーには無関係もしくは全く出てこない内容があります。あくまで設定 (背景)としてお楽しみ頂くのがよろしいかと思います。
念の為設定しておくと良いのかもという気持ちで性格やら何やら決めたものをほぼ修正なしで掲載します。そのため実際にお話の中で思ってたのと違う? となる場合もあるかも知れませんがそこはご理解ください。そして名前が決まらぬままの人もそのままになっていることも、広い心で許してください。そのうち修正する予定です (予定は未定でお願いします)。
◆ネルビア首長国
◯大首長レッツィ・エダ・ネルビア
『ネルビア』を姓として使用するのは大首長のみ。他の者はたとえ子供でも許されず情状酌量なく死刑となる。冗談通じない厳しすぎる決まりごとと思われるがそれがあるからこそ『俺は大首長の親族だ』とのたまう愚か者たちを限りなく抑制している。
旧姓イズエラ。本来ならばレッツィ・イズエラ・ネルビアだが大首長に選出される前からプレタとその一族の心強い支援を受けており、それが満場一致での大首長選出に繋がったため感謝と敬意を込めてエダ家姓を正式に使うようになった。
なおイズエラ家は家長の座を争い兄たちが激しく醜い衝突を繰り返していたためそれに嫌気がさしレッツィは出奔、両親もお家騒動に気を取られ当時まだ十二歳の彼のことはそのまま放置してしまった。それから僅か数年でメキメキと頭角を現す頃には時すでに遅し、自分の能力を正直に話す前から目をかけて保護し息子のように育ててくれたエダ家家長と戦う術を叩き込んでくれたビルダ将軍を後見人にエダ首長区の首長として名乗りを上げイズエラ家から離籍している。
なおイズエラ家はお家騒動が後を引き、区の荒廃まで引き起こすことに繋がり首長家の人間としての資格なしと本家筋と継承権を持つ者全員が当時の大首長にイズエラ家から除籍と追放処分を受けた。そのため現在のイズエラ家はレッツィとは五親等以上離れた殆ど血の繋がりのない者が後を継いで立て直しをした。
◯大首長第一夫人 プレタ・エダ
大首長の夫人たちと各首長、高官たちの夫人を年齢問わず掌握している。二代前に大首長を輩出した首長区のエダ家が生家で生まれは勿論良血の家系で非公開となっているが【称号】を持っている、らしい。父親が拾ってきたレッツィにひとめぼれされ、そこからおよそ十年求婚されても首を縦に振らなかった強者。結婚の決め手は『こんなに手のかかる人の面倒を見られるのは私だけ』と悟ったから。
レッツィが初めてジュリにちょっかいを出した時『多少のことでは死にません、半殺しにして説教します。あなたたちもそのつもりで武器を持ちなさい』と夫人たちに命令した。
身につける物は濃い色のものを好むが実は可愛い物が好き。《ハンドメイド・ジュリ》の食べたくなるシリーズやアストハルア公爵夫人も集めている眠り動物シリーズをコツコツ集めており、飾っている棚は誰にも掃除させない。レッツィでも触るとお得意の鞭でシバく。
子供を既に三人生んでいるが、今回のジュリのネルビア訪問では一切表に出させないと決めたのもこの人。ジュリは大首長の要請でこの国の未来と国民のために来たのであってお前たちのためではない、ジュリと接点を持ちたかったら今後自力で何とかしなさい、という考え。いざという時は大首長を絶対的に支持し従うその姿勢こそ彼女が第一夫人として何者にも脅かされない不動の地位にいられる要因である。
◯大首長第二夫人エメリアナ
元々は別の首長に嫁いでいた。その首長が急死しお家騒動が起きた際にプレタがレッツィに頼み首長家から離縁させ第二夫人として迎え入れた経緯がある。ネルビア屈指の豪商の長女で後に 《ハンドメイド・ジュリ》の取引を一手に引き受ける。レッツィとの間に子供を一人授かったものの、お家騒動回避とプレタへの忠誠からその子を早くに実家に養子に出している。ただ、彼女自身素晴らしい商魂の持ち主のためなんの思惑もなく養子に出したわけではなく実家をいずれは自分と息子で掌握するつもりでいる。ちなみに息子の嫁はククマットで働く女性を……と目論んでおり、プレタに度々『ガツガツし過ぎるとジュリ様に嫌われるわよ』と窘められる姿を目撃することになる。
◯大首長第三夫人
◯大首長第四夫人
◯大首長第五夫人
第三以降の夫人は諸事情により離縁したり身を寄せる場所がなくなった割と裕福な家出身の女性で、こちらもプレタとエメリアナによって迎え入れられた。
彼女たちはあくまで二人の保護下に置かれているという認識で、そのため彼女たち自身の心持ちもレッツィの妻というよりはプレタとエメリアナの腹心に近い。レッツィとの間に子供はいない。時としてプレタの護衛のようなこともする彼女たちがその実力を身に着けた理由は不遇な運命から掬い上げてくれた二人の役に立ちたい、その一心である。
◆クレベレール首長区
◯ロズベル・クレベレール首長
幼い頃から両親や兄が荒れた土地でも育つ作物の改良や魔物討伐のための組織改革に尽力している姿をみて育った。
マーベイン辺境伯爵領との長きに渡る争いについて『この不毛な争いを終わらせるのはお前たち世代だ』と父親に言われたことを機に、兄と共に奔走したがその兄が他の区の戦地へ参戦した際に戦死、突然次期首長となってからはその現実から逃れるためにがむしゃらに改革や国境線侵攻にのめり込んだ。その結果適齢期での婚期を逃し、更にはマーベイン辺境伯爵に『停戦協定』に挑むという決断をさせる遠因を引き起こす。
遅い結婚後に授かったこともあり十歳の娘と六歳の息子を溺愛中。
◯クレベレール首長夫人ウィルマ
父親はクレベレール首長区最大の神殿で神官長を務めている。
ロズベルが周囲から結婚を望まれていたこと、派閥に属さない神官でありクレベレール家への忠誠心が高いため謀反の心配がなく、何より先代同様長きに渡る戦争に疑問を持ちそのことを常にロズベルと話し合ってきた人物の娘ということで結婚相手として抜擢されている。
完全なる政略結婚、歳の差、痩せた土地クレベレールから逃れられない自分の置かれた状況に最初は酷く反発したものの、若い娘を妻に迎えることに誰よりも困惑し引け目を感じていたロズベルから『未来明るい君にクレベレールの責務や影を背負わせる訳にはいかないから婚約破棄を私に言い渡してくれ』と言われたことをきっかけに初めてロズベルの過酷な人生と向き合うことになり、婚約破棄せずそのまま結婚に至った。
同世代の男性よりも落ち着いていてしかも気配り出来るし浮気もしないし他に妻は娶らない宣言をした通り真面目で誠実なことに気づいてからはロズベル一筋。
娘と息子を甘やかすロズベルに日々頭を悩ませているが、ロズベルが一番甘やかしているのは彼女なので使用人や周囲からは常に温か~い目で見られている。
◯ビルダ将軍
ネルビア首長国軍事総司令官。ネルビアでは総司令官のことを将軍と呼ぶ慣例があるため基本的には彼を皆将軍と呼ぶ。
『覇王』発生時、瀕死の状態になりながらも奇跡的に回復、将軍の座を降りて指南役にでもなろうかと思っていたら麻痺が残った体にもかかわらず若い軍人達を訓練にて一人でフルボッコにしてしまい、レッツィからその馬鹿みたいに丈夫な体で引退すると他所でトラブルを起こすだろうから死ぬまで軍人でいろと言われて直ぐ様復帰、地位の返上も白紙となった。
停戦協議のきっかけをグレイセルから持ち込まれた時、レッツィはバールスレイド皇帝と秘密裏に会談していたが最重要案件と判断し厳罰覚悟でその場に乗り込み伝えている。結果として罰せられることはなくバールスレイド皇国も停戦協議が始まることを真っ先に知ることになったからと逆に判断力を褒められて褒賞としてバールスレイド産の特級軍馬を与えられている。
◯ハリム副将軍
出番ほぼない可能性高。
将軍の右腕は彼しか務まらない、と言われる実力者だが、本人は『将軍は机での仕事が嫌いだがそれ以外は何でも率先してやってくれる』と言うくらいには将軍を上手く煽てて使っている。
バビオを次の総司令官にしたいと思っている人物の一人であり、バビオに剣指南も行っている。
グレイセル曰く『戦では百戦錬磨の剣豪だからといって教えるのが上手いとは限らない。その点あの者は将軍と互角に戦える実力者でありながら、バビオの欠点になりうる癖を直しながら指導出来ることを考えると現世代で最も優れた剣豪と言えるかもしれない』と言うほどの実力者。
◯バビオ君 (ビルダ家の養子に入っているが現在は本人の意思でビルダ姓を名乗っていない)
クラリスに振り回されるキャラ、と思いきや割と上手くコンロールしていくらしい。
元々人の上に立つことに苦手意識があるが何でも卒なく熟すタイプなので本人の意思とは裏腹にグイグイと押し上げられている真っ最中。
ジュリが『バビオ君』呼びすることで、どんどん地位が上がってもククマットでは『バビオ君』呼びされることにホッとしていることを知るのはクラリスだけである。
ヴァリス同様次世代の重要人物。ヴァリスに気に入られたことでテルムス公国の高貴な身分の剣豪として名を馳せた女傑にも気に入られそれも相まって盤石な地位を築くことになっていく。
◯ソラン
ネルビア首長国で伝統工芸等を作る職人や芸術家でその技術を認められた者のみが与えられる『技匠』という称号を持っている。現在技匠は十数人、その中でソランは年齢と落ち着いた性格から技匠たちを纏める立場にある。
ジュリのことも穀潰しのことも軽視しているわけではない。単に自分が会う必要はないしやらなくてもいいことと思っており、ジュリが来ると決まった時にレッツィから技匠たち全員が『ジュリに会ってみたい奴はいるか』と問われた時も名乗り出なかった。この時、彼がジュリに対して興味のない態度を見せた事で他の技匠たちも職人でもなければ芸術家でもないジュリに会う必要はないんじゃないかと少なからず思っていたことが重なり全員名乗り出ないという事態を生む。
後にそのことを後悔し、レッツィからきつくお説教される出来事が起こる。
◆ヒタンリ国
◯第二王子 (国王オクトアス・ヒタンリの弟)
※出番自体は少ない。ただし仲介役という非常に難しく重要なポジションに就いたことで今後さらにその存在は重要視される模様。
なによりジュリが気兼ねなく話せる王族のため、ジュリに関する相談事を持ち込まれる事が多い。そんな奴らを利用してあらゆる情報や手札を得るのは流石といったところ。
◯第二王子妃:ヨニス
今回のネルビア訪問を機に帰国後はネルビアとの国交の要となっていく夫と共にヒタンリ国でも特に重要視されていくことになる。第一王子 (国王の息子で後のヒタンリ国王)の外交関連の教育にも携わり、様々な分野で活躍する。
ベイフェルア国
◆マーベイン辺境伯爵家
◯ガルゼン・マーベイン辺境伯爵
ネルビア編の重要人物ではあるが、停戦協議の席に缶詰状態なので物語にはあまり出てこないちょっと不憫な扱いになっている。
辺境伯爵家の当主らしくグレイセルが認める数少ない猛者。猛者、である。クラリスの父なので察してほしい。
ただ普段は非常に落ち着いた貴族然とした人物で人望があり、領の自警団の団員たちから熱狂的な支持を受けている。
クラリスの【スキル:超耐性】はこの人から受け継いだ。さらに他の【スキル】も所有しており、戦場に立てば無敵と言っても過言ではないがその力に頼らないのはその力が停戦協議後に別の形で利用されてはならないという考えがあるから。
ジュリとは酒や食べ物の好みが似ていると言うことをネルビアにいる時に知る。家だと飲み過ぎるなと妻と娘から毎回言われるのでいつかジュリとグレイセルと好きなものを好きなだけ飲む飲み会をしたいと密かに思っている。ただしジュリの胃がアラサー女性としては突出して強靭なことは知らない。
◯クラリス・マーベイン令嬢
今回は主にジュリの護衛とネルビア首長国内の位の高い夫人たちとの顔合わせが仕事。
後にバビオの妻となりネルビア国の国民となる。本人の希望だったプレタの護衛騎士になることは残念ながら出来ないが、ベイフェルア国相手の親善大使として活躍することになる。現在ネルビアのことを猛勉強中、でもジュリから可愛いものを貰うとテンションマックスになってマシンガントークが始まる残念さだけはどうにもならない。
◆ハシェッド伯爵領
◯ハシェッド伯爵 (ルリアナの兄)
エイジェリンの補佐とマーベイン辺境伯爵の補佐を兼任。妹ルリアナが小さい頃からお小言や脅迫をする子供だったので、大人になった今でも手紙が来るたび何を言われるのか怯える癖がついている。彼自身は伯爵位にふさわしい有能な人物ではあるが如何せん妹が優秀なので残念ながら目立つことはない。
◆ツィーダム侯爵家
◯ヴァリス・ツィーダム卿 (ツィーダム侯爵の息子)
停戦協議を推し進めたエイジェリンの補佐とネルビア側の後に軍の主要人物となるであろうバビオとの交流が目的。出番はほぼないが中立派の次世代を担うポジションであり、戦嫌いというその人物像は間違いなく今後のベイフェルア国の在り方に影響を及ぼす。
◆クノーマス侯爵領
◯エイジェリン・クノーマス卿
停戦協議推進派の筆頭として今回のベイフェルア側の責任者。見えないところで隙あらば初めて訪れたネルビアを満喫している。出番は少ないがジュリたちとは別のところでせっせと人脈作りとか色々やっている。
◯彫刻職人ヤゼル
ネルビア編で結構重要なポジション。相変わらずでかい声で周りをビビらせる。
カメオの濃淡を活かす彫刻は透かし彫りや螺鈿もどきを扱ってきた、しかも最近覚えたフルーツカービングにドハマリしたヤゼルにしたら適した彫刻刀さえあれば当たり前に出来るレベルの事だったので、周りから尊敬の目を向けられて腹が立つを通り越して呆れている。自分とネルビアの職人たちの環境の違いにちゃんと気づいている。
◆護衛担当冒険者
◯エンザパーティー (上級クラス)
◯セルディアパーティー (中級クラス)
※殆ど出番はなし。ただこの二組は最近ククマットを拠点にしクノーマス侯爵家・伯爵に重用されており、こういう遠出の時は大体護衛として同行している。エンザたちは少し前に昇格し上級者パーティーになった。全員が自分たちが見つけた魔物素材をジュリに新素材として見出されることにちょっとした快感を覚えてしまい、あらゆるダンジョンに潜るようになったことで昇格条件をあっという間に満たしたという事実を知る人たちは少ない。セルディアたちも上級者を目指して現在暇を見つけてはいろんなダンジョンに赴き魔物を狩りまくっている。
ただこの二組、『ククマットに移住』もしくは『ククマットで休暇を過ごす別荘購入』という不純な動機で行動しているところが一緒のため流石は師弟関係、と皆が思っていることは知らない。
こうして改めて確認すると、やっぱり登場人物の年齢が高いことに気付かされます。
明確に年齢は記載していませんが十代はバビオ君とクラリスだけですし、レッツィもアラフォー、おじさんとおば……これ言うとプレタ達にシバかれそうなので言いませんが。
明日はGWスペシャル三日目更新となります。よろしくお願いします。




