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『ハンドメイド・ジュリ』は今日も大変賑やかです 〜元OLはものづくりで異世界を生き延びます!〜  作者: 斎藤 はるき


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3 * 再開前に

一話更新です。

お話が進むというより、ジュリの店で扱ってるものはこんな感じ、という内容です。ざっくりした表現なのは作者の緩さ加減でのことなのでご了承ください。

 


 かじり貝様の螺鈿もどきに夢中になって、危うく再開日を忘れそうになりながら、再開二日前の本日。商品をほぼ陳列し終わって、私は仁王立ち。

 いやぁ、頑張った。

 おばちゃんたち筆頭に、女性陣はすごい小遣い稼げたって喜んでくれたけど、本当にその通り。

 それくらい何とか一ヶ月で用意できた!!


 一個単位で買えるパーツものだと、


 疑似レジン(押し花入り)

 疑似レジン(金属パーツ入り)

 疑似レジン(押し花&金属パーツ入り)

 プラス

 新作:疑似レジン(螺鈿擬きラメ入り)

 新作:疑似レジン(螺鈿もどきラメ&押し花入り)


 極小レース 三種


 金属パーツ 八種


 押し花五枚セット 四種

 押し花十枚セット 二種


 天然石のパーツ:ローズクォーツ、セプナ石(青い石)、ファボ石(翡翠色の石)、オニキス、ミルク石(乳白色の石)をそれぞれ

 丸型

 四角形

 楕円形

 の三種ずつ用意できた。この世界では格安の天然石は丸い加工しかされてこなかったらしくて、加工を依頼した職人さんは『これからは俺の所に全部加工を任せてくれるか?!』って鼻息荒く言ってきたので当然お願いしたわ (笑)。ハートや星形もデザイン渡して、他にも何種類か扱いたい天然石の候補を書いた紙も一緒に渡したら、コーフンしながら石の仕入れに行ってくる!! って職人さんの工房に私一人放置されたときは焦ったけどね。お弟子さんたちが苦笑してお茶出してくれたわよ……。


 ビーズのように小さいものは技術がまだそこまで追い付かないから無理でも、疑似レジンと天然石に穴を開けたパーツなら今でも十分作れる。もっと世の中に広めたい、これを期に。一個売りの金属パーツもそのままアクセサリーとして楽しめるデザインのものだから、もっとデザインを増やしていく予定。


 種類だけでこれだけあって、さらに色別に複数あるので百を超えるバラエティー富んだものになっている。

 会計を担当してくれる女性陣には器に値札を貼ってあるからいいけどこれは全部覚えられないからね! これからずっと値札外さないで!! って念を押されたわ。


 他には

 ネックレス用チェーン 三種

 ネックレス用革ひも 三種

 プラス

 新色:ネックレス用革ひも 二種


 ブレスレット用チェーン 二種

 ブレスレット用革ひも 三種

 プラス

 新作:ブレスレット用チェーン 一種

 新色:ブレスレット用革ひも 二種

 これらは既存であったものにさらに新しいものを用意できた。それと


 イヤリングパーツ 二種

 キーホルダー用パーツ 三種


 も前回より多目に用意。格安パーツと合わせてシンプルだけどお客さんが自分で作れるようにと用意してみた。 《ハンドメイド》の基本だね、それを楽しんで貰えたらいいなぁ。


 あと、開店初日にいきなり人気になったヘアアクセサリー。


 シュシュ 五種

 ヘアピン 二種

 プラス

 新作:ヘアピン 二種

 バレッタ 二種

 ヘアバンド 三種

 プラス

 新色:ヘアバンド 一種

 カチューシャ 三種

 新作:ヘアクリップ 二種


 これらも色違いや飾り違いで用意しているし、ヘアピンとヘアクリップ、バレッタ以外は布を使うから内職さんに委託しているのでぶっちゃけ色や柄は私は大まかにしか把握してない (笑)。あ、ちゃんと検針や検品はしてもらってるよ。

 ヘアアクセサリーについては、休業中女性陣が周囲からまた販売するのか? とずいぶん問い合わせされたみたいだし、侯爵家にも貴族の方から問い合わせがあったみたいだから、内職さんをもっと増やさないと。


 そして価格が少し高めとなると。


 ネックレス

 ブレスレット

 イヤリング


 男性用ネックレス

 男性用ブレスレット


 カフスボタン


 ブローチ


 布製小物袋(飾りパーツ付き)

 主に女性向け


 このへんは頑張ったよ、在庫も少しだけどちゃんと確保できてる。

 価格帯も二十リクルから五十リクル内でけっこう種類豊富に用意できたから、前より買いやすくなったはず。


 もう少し高めとなると。


 レースは

 ドイリー(敷物) 種類不明

 洋服の装飾用(裾や襟に付けられる大きめのもの) 種類不明


 こちらは最早フィンしか把握してない。丸投げしてる。ざっと見たら結構枚数あったから在庫は大丈夫そうよ。


 ハーバリウム(小) 三種


 ブックバンド 二種

 プラス

 新作:ブックバンド 二種


 硬貨袋(こっちの財布的なもの)

 女性向け 三種

 男性向け 三種


 新作:男性用ベルトバックル 二種


 新作:装飾付き女性用革ベルト 二種


 コースター五枚セット 五種 各十セット


 これも何とか数を用意できたと思うわ。


 そして売れると笑える高額品は。


 レース(中~大サイズ) 二十枚


 ハーバリウム(大) 二種 各三十本


 コースター十枚セット 三種 各六セット


 頑張ったよ。買ってくれる人がいるから。


 そして売れるとビックリしてしまう超高額品はというと。


 レース(フィンとおばちゃんトリオ作) 限定五枚


 ハーバリウム(特大) 限定四本


 一応宣伝兼ねて店に並べる! 売れないと思うけど!!



 と、まぁ。こんな感じで商品の種類としてはそんなに増えてないけど、それでも色や形のバリエーションを増やしたから以前より店の中も華やかで賑やかになったわ。


 不安といえば、疑似レジンのアクセサリーとハーバリウムなどはほぼ私が手がけているものなのでその数は他の在庫に比べると極端に少ないこと。格安パーツの疑似レジンは仕方ないので原価が上がるけど一部知り合いの職人さんたちに渡してカット面に疑似レジンを塗って艶よく仕上げる最終行程を委託して、なんとか在庫を切らさないようにここ三日間は出来る限りの量産をしてもらうことにしたわ。今後は疑似レジンの作品の量産体制をなんとかしないと。


 それにしても。

 うーん、今さらだけど頑張った。


「ジュリ、お疲れ様」

「あれ?! ルリアナ様!! どうしたんですか」

 店の中をしみじみ眺めていたら、ひょっこりと可愛らしく、扉を開けて姿を見せたルリアナ様。駆け寄ったら、いきなり何かを差し出して来たのよ。

「はい」

「え?」

「昨日製菓職人に差し入れをしたいと言ったらジュリに是非たべて貰いたいって作ってくれたのよ?」

 渡されたのはかご。かけられていた布を外すといい焼き色のついたパウンドケーキが二本。一本はドライフルーツがふんだんに使われていて、もう一本は栗が練り込まれて、上にも丸ごといくつか乗っている。フワッとお酒の香りが漂い、表面の艶掛けされた光沢が……。

 顔がだらしなく緩んだらしい。ルリアナ様がクスクス笑う。ちょっと恥ずかしくて、んんっとと咳払いしてから頭を下げる。

「ありがとうございます、早速頂きます!」

「ええ、ゆっくり味わって。ではまた差し入れに来るわ」

「え? あの、良かったらルリアナ様も」

「いつも言ってるでしょ、ゆっくり出来る日に、あなたとゆっくり話したいって。今はあなたは自分を優先してね? 私のために時間を作るなんてしてはダメよ」

「ルリアナ様……」

「こうしてあなたに良い印象を与えればそのうち優先して貰えるなんてヨコシマなことも一応考えてるの、その時のために淑女の仮面をしばらくは被り続けるわ」

 ふふっと笑ってルリアナ様は直ぐ様馬車に乗り込んで、御者さんが扉を閉めると窓から顔を出す。

「後で食べた感想を聞かせて頂戴ね? 製菓職人が喜ぶわ」

「はい! 本当にありがとうございます!!」

 ルリアナ様は優雅に手を振って、にっこり微笑んで。

 ……天使。

 めっちゃ美人のあの笑顔。

 天使だ。

 私の一歳年下なのよ!? それであの落ち着き、優雅さ、上品さ!! しかもなにあのお茶目な感じ。クノーマス家には十八歳で嫁いできてるらしいけど出会ってすぐエイジェリン様が結婚申し込むだけのことはあるよね。頭の良い人だし人当たりいいし、そしてあのお人形みたいなお顔!! 非の打ち所がない!!


 ……ルリアナ様を見てると作品を作りたくなるのは、天使だからよ、美人見てると似合うものを考えちゃうのよ。

 ルリアナ様は目の保養、そして作品を作るためのアイデアの泉!!

 よし、これからはルリアナ様は『アイデアの天使』と呼ぶことに。いや、これは失礼に当たる? 私だけの秘密の呼び名にしておこう。









 店内の商品陳列も一段落ついて、お茶片手にぶ厚く切ったパウンドケーキをバクバク食べてたら。今度はスレインとシーラが顔を出してくれたのよ。こっちは忙しくてご飯も食べれないんじゃないかって心配して具だくさんサンドイッチを差し入れてくれたわ。おまけに人が足りないようなら手伝うよって言ってくれて、再開から数日はうちでアルバイトしてくれる約束もしてくれた。二人は、働かなくても安定した生活送ってる主婦だから時間はたっぷりあるよ、って笑って言ってくれて、本当にありがたい。


 で、パウンドケーキの後にせっかくだからとサンドイッチも食べてたら、今度は疑似レジンの最終仕上げを委託してる職人さんの、ガラス職人のアンデルさん、ライアスの元同僚である金物職人のマレートさん、このククマットで唯一の金細工職人のノルスさん、そして彫刻職人のヤゼルさん。この人たちも私に陣中見舞いってそれぞれの奥さんが作ったシチュー、ローストチキン、スコーン、クッキーを届けに来てくれて。本職以外のことをお願いしてて申し訳ないって頭下げたら『弟子どものいい経験になってるよ!!』だって。ありがたいわぁ、そうやって手を貸してくれるんだもん。


 で、ありがたくそれらも食べてると今度はフィンの友達で八百屋のおばちゃんが水分補給にって今の時期貴重なオレンジをかごに山盛り持ってきてくれて、お礼しつつ談笑してたらお向かいのお茶屋の若旦那が皆で飲みなって新茶とすぐに飲めるようにって別にポットに熱々を持ってきてくれた! ちょうど水分が欲しかったところでフルーツとお茶は嬉しい!

 で、押し花でお世話になってる足が少し不自由なご年配の女性がいるんだけど、その人の旦那さんが焼きたてミートパイ持ってきてくれて。この歳で遣り甲斐ができて最近は凄く明るくなったっていう報告とお礼を兼ねた差し入れだって。いやぁ、嬉しい報告! そしてなにこのトマトソースのいい酸味がアクセントのミートパイ。めっちゃおいしいんだけど!!

 さらにそこに、マクラメ編みで別の区画の人たちにもお願いしてるんだけど、その人たちが特大の寸胴鍋に野菜スープとドでかいローストポークを『皆で食べて!!』って差し入れをしてくれた!!


 皆、優しい!!

 泣きそう!

 そして旨い!!

 疲れた体に滲みる!


「……二時間、外出しただけで、凄いことになってたな」

 グレイセル様がもどって来て、ニコニコ笑顔。

 うん。

 《ハンドメイド》の工房が食べ物だらけになってる!! フィンとライアスは冷めた目で私を見てる。

 私が手当たり次第に食べてるから。


 グレイセル様は本当に動じない。

 さすが。







ちなみにジュリは食べる専門です。料理は苦手です。作らなくていいなら作らない、というズボラな面があります。


そして、ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きが気になる、好きなジャンルだと思って頂けましたら感想、イイネ、とそして☆をポチッとして下さると嬉しいです。

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