◇◇◇ 個性的(理不尽)な素材たち一覧 ◇◇◇
新章突入と作者夏休み前にこちらをどうぞ。
現在物語の中で使用されている魔物素材についての説明になります。本編では語られていない、どうでもいい説明含みます。
ちなみに、ハンドメイドの素材としてジュリに利益をもたらすものは何故か『様』付け、それに近い存在となる素材は『さん』『君』などでジュリが呼んでいるという謎な設定ありきでお読み下さい。
※ジュリ本人も自然とそう呼ぶようになってしまって、これといった理由がないらしいです。そしてこの事に全く違和感を感じず、『ジュリだから』というなんの根拠も説得力もない理由で誰もツッコミ入れない人たちばかりなので、時折現れる『なんで?』という疑問を抱く人たちはスルーされている現状、という体でお読みください。
そして素材ではないのですが今までに登場した魔物や生物についても一部載せました。
順不同です、そして抜け落ち素材もあるかもしれませんがご了承ください。
◆スライム◆
ジュリが初めて『様』付けした素材
色付きスライムのことをジュリは
赤様→レッドスライム
青様→ブルースライム
緑様→グリーンスライム
紫様→アメジストスライム
と呼んでいる。
幻のスライム『メタルスライム (金と銀)』『イエロースライム』を誰か捕獲しないかと日々ジュリは思っている。色付きは基本的に珍しいので極小一体が最低でも数十リクル (透明が小さめ一体三リクル~)だから幻のスライムはいくらになるかなぁ、とわざとぼやいて知り合い含めて数多の冒険者たちが探したくなるようにそそのかしている最中。
スライムは弱い魔物の代表格で、どの国にも発生するが、発生しない地域もあればクノーマス領のイルマの森のように大量発生する地域があったりと分布はかなりまばららしい。
魔石は大きいものでも大豆程度しかなく、基本小豆サイズで魔法付与にも向かないためお金にもならない。ただ、 《ハンドメイド・ジュリ》では日々沢山のスライムがプチっとされているため現在は荷箱一箱分まで溜まり、見た目も悪くないので今後何らかの作品に利用できればと溜め込まれている。
なんでも吸収、そして消化してしまうために飼育が困難だが、出来ないわけじゃないと知ったジュリが大金はたいて飼育箱を購入したときはさすがのグレイセルも呆れていた。なんだかんだいいつつ現在 《ハンドメイド・ジュリ》には大きめのスライム飼育箱が二台もありフル稼働しているので誰も文句は言っていない。
◆かじり貝◆
『様』付け。
貝の内側が螺鈿素材として見出だされた。
名前の由来ともなっているほど動くものには噛みつく習性があるため、釣り針に餌を付けることなく動かすだけで簡単に釣れる。貝のくせに歯があり、その見た目は正直怖い。海水にのみ発生し淡水には発生しないが捕まえた後淡水に入れると普通に生きている謎魔物。泳ぎが得意で海面を水上バイクさながらに水しぶきを上げて猛スピードで移動することも可能。運悪く海でこれがぶつかってくると大抵の人は骨折必至なので水しぶきを見かけたら要注意。
現在ハンドメイド作品のほかに、螺鈿もどき細工、ネイルアートにも使われておりその需要はまだまだ伸びそうである。
ちなみに貝柱が食用。干し貝柱が絶品。
ごく稀に螺鈿部分が黒みがかっているものがあり、それをジュリたちは黒螺鈿もどきと呼んでいる。その希少性から高値で買い取るため漁師たちの間で『黒貝』と呼ばれ最近はその取り扱いが変わってきている。
海洋魔物のため、内陸ではまだまだ知られておらず、螺鈿もどきは貝の内側、と説明しても信じない人が多い。
◆ゴーレム◆
『様』付け
土系魔物の代表格で、見た目は歪な石が連なったような人形型や転がり易そうな岩石のような球体型など複数存在するらしい。共通の特徴として討伐直後に魔石を取り出すと肉体が真っ白に変色しそれが粘土質になる。ローツの実家フォルテ子爵領以南に多く発生するのは人形型。
硬化するまで一週間ほどかかるが耐水性があるため魔石を取り除かず少し放置して茶色のままの粘土質のものも壁の修復材として利用されている。
欠点として重い。なのでハンドメイド作品としてはあまり大きな物には使えず、ジュリの作品でも大型のものは存在しない。その代わり硬化する前の状態は熱を加えることで柔らかくなる性質があるので加工・修正がしやすいので 《ハンドメイド・ジュリ》の作り手として採用された人のほとんどが最初にこれの扱いを教えられることになってきている。
恩恵持ちのウェラとローツがこそこそ何かを作っていると思ったら、三段重ねのウェディングケーキ型小物入れを作っていた。下段が直径二十一センチもあり、重いため小物入れには向いていないと販売は商長権限で却下している。ちなみにシルフィが買い取ったあと、別バージョンをルリアナが欲しがったので二人が喜んで作ったのは言うまでもない。
◆リザード◆
『様』付け
トカゲのような見た目をしているがその大きさは成人男性の平均身長よりも大きいものが多い。背側の鱗は非常に硬質でしかも色も多彩なため武具として昔から人気が高い。
主に廃棄される脆い鱗をジュリは利用。カラーが大変豊富でメタリックな質感のメタルリザードもいるので作品に幅を広げてくれている。キリアが一番気に入っている素材で、彼女の家のランプシェードは全てこれを使ったものに着せ替えられた。
武具になる硬質な鱗はそれなりの値段がするが緑や青色はグレイセルのために時々ジュリが取り寄せてアクセサリー等を作っているらしい。
今のところ取り扱っている全素材と不和反応を起こすこともなく、砕けた物も使い道があるので大変優秀な素材。スライム同様に透明で格安素材ということでジュリもさらなる新商品開発に力を入れたいと思っている。
◆山クラゲ◆
読んで字の如く、山に発生するクラゲのような見た目の魔物。弱い魔物の代表格でスライムのように大量発生しやすく有益な素材もほとんど取れないため討伐依頼では報償金が低く冒険者に敬遠されている。
取れる魔石は形が様々でしかも不透明なため魔法付与にも向かず廃棄されてきたが淡い色合いで不透明さがシーグラスに近く、ジュリはその見た目を活かした太めの針金で巻くように包んだパーツを使ったアクセサリーを生み出している。
白土、貝殻と合わせてデザインされたジュリ監修額縁の『マリンフレーム』はトミレア港とフォンロン国で大人気。
ちなみにこの魔石を 《ハンドメイド・ジュリ》で使えるのではと思いついたのが冒険者エンザのパーティーの一人 (女性)。
◆アシッドウッド◆
発生頻度は低いが、そこそこな高さの木が根っこの部分を足にして常に走り回っているためはた迷惑な存在。
毒性の強い樹液が固まるとシリコンのようになるため色々な型、特に擬似レジンの型として使えると期待されたが世の中そんなに甘くはなく、時々くっついてしまうと判明し断念。
しかしその後水に粘性を出せることからスノードームとダンジョンドームに注入するための液体に採用された
◆サンドワーム◆
砂漠や荒涼地に発生する魔物で、討伐直後崩れるように砂に変質する。最近、その死骸の一部に色が付いていることが分かり、その色がどうやら多彩な模様。その事に着目した冒険者のエンザが《ハンドメイド・ジュリ》に持ち込んでいる。
発色の良いものが多く、それを活かしてサンドアートの置物が現在開発されている。
問題点としては、クノーマス領までの運搬費用が高くつくこと(距離、重量共に)。なのでジュリとしては今後本格的に扱うかどうかと悩んでいる最中。
◆オーク◆
豚のような人のようななんとも形容し難い見た目の魔物。
武具には出来ない、柔らかい布程度の強度しかない内革が主にパッチワークの素材として見いだされた。
加工によって統一性のない独特の模様が出るため、統一性の求められる量産品には向かないとされてきたがパッチワークの特性を活かして注目を浴びることになった。
ちなみに肉が高級なブランド豚レベルの美味。これを厚切りトンカツにしたのをジュリは一度に三枚食べられる。
◆スパイダー種
主に 《レースのフィン》で使われているため本編には未登場。しかしフィン筆頭に多彩なカラーや上質な艶に魅入られて多用されている。クノーマス侯爵がおばちゃんたちに買わされている主な糸であり、『なんかないの?』と言われるのを侯爵が待っていて、おばちゃんたちの一喜一憂を面白がっていてそれを見るために小出しにしているという話はジュリとグレイセルのところで止められている。
ジュリが制作したルリアナのための高級がま口の刺繍に使われている糸もスパイダー種。
◆スタンラビット
ジュリに魔物特有の理不尽さを知らしめた『不和反応』を起こして見せた素材。
スライムと合わさるとポップコーンのように弾けて飛び散る。
ザラメ砂糖のような形でパステルカラーが可愛いが、塗装にも使われるスライムと合わせられないためその使い道が限られジュリたちを悩ませていた。
万華鏡のオブジェクト、工夫次第でダンジョンドームの装飾に使える事が判明してからはもっと使い道がありそうだとようやく陽の目をみることに。
◆ブラックホーンブル
通称『ブルさん』
超高性能乾燥剤。もともと脱臭剤として使われていたが地球にあったら多分他のが売れないレベルに乾燥させるから臭いがしないと判明。ジュリがそのことに気づいてからはククマット周辺では乾燥剤として利用されはじめた。ただしこちらの世界ではブル種は多様性があり、それらの骨の殆どが同じ特性のため価格が高騰する気配はないらしい。
軒並み肉は美味。特にクノーマス領に発生するブラックホーンブルは和牛のようなサシと旨味が特徴でハルトがわざわざ狩りに来るほど。牙が硬質で軽量なためナイフなどに加工され冒険者の必需品として人気。
◆レイス
『君』付けされている。ケイティがこの世で最も嫌悪する存在。こいつがケイティの前に現れたら最後、そのダンジョンは崩壊する運命のため、その謝罪に振り回されるマイケルが大陸中のダンジョンの情報を集めレイスの出現率を確認している最中。
死骸の見た目が基本泥まみれのデロデロしたものなので誰も触りたがらないが 《ハンドメイド・ジュリ》の面子は全員『届いたよー!』との声掛けになんの躊躇いもなく集まって水洗いするくらいには洗って乾かした後に出来上がるラッピングフィルムの有用性を知っている。
最近はジュリやグレイセルから聞き、そのフィルムを使って花束を作る花屋も出てきた。需要が高まりつつあり、価格高騰が懸念されるものの一つ。
◇◇◇その他◇◇◇
◆シーサーペント
鯉のぼりのデザインに採用された。かつて海難事故に遭った人間を助け陸まで送り届けたという逸話もあり、長寿の個体は知能が高いことが分かっている。
基本凶暴。海洋では最強。でも身は癖のない白身魚なのでフライが最高に美味しいらしい。
鯉より圧倒してこっちが人気で、既に『シーサーペントのぼり』が定着し、ジュリが負け惜しみで卓上鯉のぼりを作ったがそれも『卓上シーサーペントのぼり』が取って代わる感じになってきている。
◆アンバーイーグル
季節ものスペシャル単話に登場。琥珀色の大型の鳥類。めっちゃ厳つい顔をしている。人間には慣れないと言われていたが節分の豆まきをした際に炒り豆を食べたこいつらはその旨さに目覚め、それに気づいた人が炒り豆使えばなつくのでは? と考え、餌付けする人が出てきた。
おかげでククマット周辺にはこいつらの巣が最近増えている。
なつきはしないが餌付けしてくれた人間を覚えるため、その人間の家の周辺を縄張りにすることと元々小型の動物が獲物だったことから、農家では農作物を荒らす小型の動物が目に見えて激減し、共生のような状態になりつつある。
その影響で豆専門店が最近儲かっている。
◆ブラックワーム
グレイセルのペット?
夜行性魔物と言われているが正確には影に潜む特異性魔物であることを知っているのは実はグレイセルだけ。何故ならペットに知能があり会話が可能で教えられたから。
死体を好んで餌にすることから嫌われものの代表格だが実は土地の衛生面を広域に保つのに有効でありその価値が最近ククマットで定着しつつある。
グレイセルやローツ、カイ、そしてハルトが始末するスパイは彼らの餌になるため、ククマットのブラックワームは大型化し始めている。
◆コカトリス◆
鶏をかなり厳つい見た目にし、巨大化させたような魔物。クノーマス領ではほとんど発生しない。
肉が絶品で肉汁ジューシー地鶏系。ジュリがこれを食べ過ぎて動けなくなるほど。羽毛に微弱ながら魔法耐性があるため冒険者の冬の防寒着素材として人気がありコカトリスの取引価格は高め。
飛べない鳥と侮るなかれ。中級ランクの冒険者でも防御に自信がなければ一蹴りで瀕死、運悪ければ死亡、そして餌にされる。
以前用意していたものに加筆修正したものなので、『これ忘れてますよー』とお気づきの方は遠慮なく感想欄に書きこみしてください。
作者、アナログ人間なので初期設定や思い付きネタは紙ベースなんです。紛失したら、息子にお絵かきに使われたら、気づかず忘れる確立高いため、遠慮なくご報告ください。




