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スライムマスター菊地 〜最強粘体生物伝〜  作者: 熊乃げん骨
第四章 王国大防衛戦線
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第二話 大会議

「それでは! 第一回タリオ村大会議を開催する!!」


 俺がそう宣言すると会議に参加しているものたちが「わー!」「ドンドンぱふぱふ!」と盛り上げてくれる。

 やっててなんだが少し恥ずかしい。

 会議に参加したのはカラーズから氷雨と緑の二人。人間サイドからはクリスとロバートの二人が参加してくれた。


 ちなみに大会議と銘打ってはいるが、場所は教会のリビングの丸テーブルだ。

 なので俺の隣にはここが定位置とばかりにエイルが座っている。まあいつも飯の時は隣に座っているからな。

 ちなみに逆隣にはそらが座っている。こちらもここが定位置だと言わんばかりに動かないので、俺の隣に座りたい氷雨は少しいじけている。

 おいおい仲良くやってくれよ……。


「それでは、問題の封書を見せていただけますか?」


「ああ」


 緑に促され、俺は今回の議題の論点になる封書を取り出しみんなに見せる。

 あらかじめみんなには何があったかはざっくり伝えてはいるがこれを実際に見せるのは初めてだ。

 みんなはそれをじっくりと読み込む。うう、頼りになるぜ。


「ふうむ、ここに書かれている内容だけでは情報が少なすぎますね。この第三王子という人物はどんな人物なのでしょうか」


 緑はもっともな質問をする。

 それは俺も知りたかった。王国の情勢はほとんど知らないからな。

 第三王子ということは最低でも三人は王子がいるんだろうがそれぐらいしか分からん。


「あ、それについては俺っちが答えるっす」


 行商帰りながらも会議に参加してくれたロバートが質問に答える。


「現在エクサドル王国には三人の王子がいるっす。戦が大好き肉体派の第一王子長男ドルガ、荒い金遣いと度を越した女遊びで有名な次男ロット。そして第三王子は……よく分からないっす」


「え? 肝心のそいつが分からないのか?」


「上の二人は色々と話題に事欠かないっすからね。第三王子は問題行動が少ないのであまり話題にならないんすよ。あまり王位争いにも参加してないっすしね。でも頭の良い美男子らしいっすよ」


 頭が良くてイケメンで王子とか前世でどれだけ徳を積めばいいんだ。


「そうなのか。ところでこの騎士団長ってのはどんな奴なんだ?」


「それは私が説明するわ」


 俺が尋ねると今度はクリスが話し始める。

 クリスは王都暮らしが長いから王国の情勢にも詳しい。ほんとクリスには頭が上がらないぜ。


「騎士団長エッケルは王国の中でも最強の部隊と呼ばれる『エクサドル王国騎士団』の団長よ。その全員がBランク以上の実力の持ち主らしいわ。エッケルの詳しいランクは知らないけどAランク以上の実力者であることは確かね」


 ということは全員が銀等級冒険者のザガン級だということか。

 そんな奴らを束ねてるのだからきっと優秀な団長なのだろう。


「巨大な大楯を操るさまからついたあだ名は『鉄壁のエッケル』。彼も非常に聡明な人物だと聞いているわ。第三王子と親しくしてるとは聞いたことなかったけど何か理由があるのかしら」


 そう言ってクリスは説明を終える。

 うむ、非常に簡潔で内容の詰まった良い説明だったぞ二人とも。


「よし、ここまでの話を統合して考えてみよう。彼らはなんのためにここに来るのか、それは……」


 会議室(リビング)に沈黙が訪れる。

 俺はたっぷりもったいぶり……そしてたどり着いた結論を口にする!!



「彼らが来る理由それは…………わからんっ!!」



 ドシャア!

 俺の言葉にみんながずっこける。


 しょうがないだろ。この情報じゃわからんよ。


「しかし来る理由がわからないと対策の立てようが無いっすよね……」


 ロバートのいう通りだ。

 あがきでもいい。何か、何かできることを探らなければ。


「あのー、一ついいですか?」


 そんな中声を上げたのは、意外なことにシスターのエイルだった。


「どうしたエイル?」


「あの、王子様たちが何をしにくるかは私も分からないですが、楽しい気持ちになれば私たちに危害を加えないと思うんです。だから……私たちの総力を上げておもてなしをしたらどうでしょうか!」


 エイルの発言に辺りは静まり返る。

 そして静寂が数秒支配したあと、俺たちは叫んだ。



「「「「「それだーーーー!!」」」」」


 こうして俺たちの作戦、「オペレーションOMOTENASHI」は始まったのだ

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― 新着の感想 ―
[一言] ……むしろ、途中の道に偽村作って置くべきなんだよなあ……。 (いやまあ、とっくに密偵来てるだろうから良いのか。)
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