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エルフとの遭遇

薄暗い森の中、生い茂る木々はざわめきたつ。


「ほ、本当にこっちに木の実あるの?」

「ある。 この前も取りにいったから間違いない」

「怖いよ!」

「怖い怖い!」

「怖くないもん! でも怖い!」


さすがに三人に抱きつかれてると歩きにくいなぁ……。


「マサムネ、見えてきたぞ。 あの木だ」


ノウラが指差す方を見ると、そこには果実を実らせた木が生えていた。


「本当だ! 美味しそうな実がなってる!!」

「見た目だけだけだ。 今朝のご飯にも出ていたが、あまり味がないのだ」

「そうなんだ。 もっと違う木の実はないの?」

「我らが食べられるのはこれだけなんだ」


そういってノウラは実を一つ取る。


「他の木の実はこうやって木から実を離した瞬間エルフに気付かれる。 この木の実だけはうまくないからエルフも気にしないのだろう」

「なるほど……」


もしそれがエルフだけに分かるものなら、この森全体はもはやエルフの物じゃないか。

ドワーフはどうやって食料を調達しているんだろうか。


「なんだぁなんだぁ!? 獣くせぇな!!」


突然聞こえてきた声に驚くマサムネを引っ張り、ノウラは茂みの中へと転がって入る。


「ノウラ?」

「しっ! エルフだ」


茂みから覗き見ると、そこには男性のエルフがいた。


「くそワンちゃんがいると思ったんだけどなぁ!! ぶっ殺してぇ!!」


そういうとエルフは木の実がなっている木を殴り始める。

三回、四回。 十回、十一回と殴り続ける。

すると次の瞬間、木はめきめきと音を立てて横倒しになる。


「くそっ!! 腹立つなぁ!!!」


あれが、エルフ……。 予想以上にこえぇぇぇぇぇえ!!! やべぇよあれ相手にどう戦うんだよ!!?


しばらくするとエルフは怒りながら帰っていく。


「大丈夫か? マサムネ」

「の、ノウラ。 エルフって皆あんな感じなの?」

「いや、あいつは血の気が多いんだ。 あれはエルフの中でも過激派で名前が通っている。 カラウッド、たしかそんな名前だった気がする。 森でエルフに会ってしまったら気を付けろ」

「うん。 そうするよ」


カラウッド……。十数発で木を折れるなんて。 もう二度と会いたくないな。


「お姉さんお姉さん!」

「木の実潰れちゃったね!」

「どうするの?」


あいつしかも木の実ついてる木折りやがって!!


「心配するな。 まだ向こうにも木の実がついている木はある。 マサムネたちは危ないから私がいってくる」

「気を付けてね?」


そういうとノウラは少しだけ頬を赤らめた。


「お前は人を気遣うのだな」

「?」

「なんでもない。 いってくる」

「いってらっしゃい。 よし元気っ子たち! 魚見に行くか!」

「いくー!」

「いくー!」

「いくー!」


川の浅瀬に帰って来たマサムネたちは罠を一つずつ確かめる。


「よいしょっと」

「ちっちゃい魚いっぱい!」

「お魚お魚!」

「今日はたくさんお魚だー!」


結構入るもんだな。 よし、この調子で罠回収だ!

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